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魔王子と聞いて
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グロウ村の中央にある大きな魔法樹の切り株は村民の会議の場になることが多かった。メリー、マリー、ミリーの三姉妹は復活したモモを切り株の上に置いて囲み、モモがグロウ村にやって来た目的を聞くことにした。
「そやから言うてるやん。魔法帝国の憲法が一方的に改正されたからあんたら魔法熟女は大変なことになるねんで。いや、魔女のお姉さまたちが大変なことになるねん」
魔法熟女という単語に反応した三姉妹を見てモモは言い直し、続けた。
「この魔法帝国が魔王によって統治されとることは知ってるやろ? ほんで魔法帝国憲法はたった三か条やったんや。それをあいつらが……」
モモの説明に興味がないミリーはあくびをしていた。モモの説明が長くなりそうなのでイライラし始めたメリーは酒を飲み始めた。
「魔王だの帝国憲法だのは常識だから飛ばして。あいつらという核心を詳しく教えなさい。姉さんやミリーには私が後で説明する」
マリーが冷静に言うと、モモは一気に説明した。
「人間界から来た三人の魔法少女が魔王を幽閉して権力を握りよった。そんで憲法を勝手に変えて四〇歳を超えた魔女の人権を大幅に制限することにしたんや」
モモの説明を聞いたマリーはうなずいて聞き返した。
「確かに姉さんは四八歳で私が四十六歳でミリーは四三歳よ。憲法改正によって人権が制限される年齢に該当するというのね。でもなぜお前はそれを私たちに知らせに来たの?」
マリーは表情こそ変えなかったが、モモの小さな体を握り締めて揺さぶった。
「……い、いやのう、帝国でも有名な中年魔女、いや美しい魔女三姉妹なら魔法少女どもの横暴な決定に異を唱えて立ち上がるやろと思たんや。どやろ?」
モモが三姉妹を見るとミリーは寝ていてメリーは酔っていた。
「人権を制限するというのはどの程度なんだ? それを聞いてから考えよう」
マリーの言葉にモモは喜び、羽ばたいて飛び回った。
「あんたら魔法熟女を魔女とは認めず人間以下の存在として扱うことになるらしいねん」
モモの言葉にマリーは反応し、再びモモを捕まえて説明を続けさせた。
「あんたら魔女は魔族の次に偉い存在やったけど四〇歳超えた魔女は怪物や人間より下の存在ちゅうことにするってこっちゃで、気の毒になあ」
「扱いなどどうでもいい。私たちはこの村で平和に暮らし続けるだけだ」
「まあ、そう言わんと。とりあえず魔王子ダイヤさまに会って話聞いてくれへんか?」
「そやから言うてるやん。魔法帝国の憲法が一方的に改正されたからあんたら魔法熟女は大変なことになるねんで。いや、魔女のお姉さまたちが大変なことになるねん」
魔法熟女という単語に反応した三姉妹を見てモモは言い直し、続けた。
「この魔法帝国が魔王によって統治されとることは知ってるやろ? ほんで魔法帝国憲法はたった三か条やったんや。それをあいつらが……」
モモの説明に興味がないミリーはあくびをしていた。モモの説明が長くなりそうなのでイライラし始めたメリーは酒を飲み始めた。
「魔王だの帝国憲法だのは常識だから飛ばして。あいつらという核心を詳しく教えなさい。姉さんやミリーには私が後で説明する」
マリーが冷静に言うと、モモは一気に説明した。
「人間界から来た三人の魔法少女が魔王を幽閉して権力を握りよった。そんで憲法を勝手に変えて四〇歳を超えた魔女の人権を大幅に制限することにしたんや」
モモの説明を聞いたマリーはうなずいて聞き返した。
「確かに姉さんは四八歳で私が四十六歳でミリーは四三歳よ。憲法改正によって人権が制限される年齢に該当するというのね。でもなぜお前はそれを私たちに知らせに来たの?」
マリーは表情こそ変えなかったが、モモの小さな体を握り締めて揺さぶった。
「……い、いやのう、帝国でも有名な中年魔女、いや美しい魔女三姉妹なら魔法少女どもの横暴な決定に異を唱えて立ち上がるやろと思たんや。どやろ?」
モモが三姉妹を見るとミリーは寝ていてメリーは酔っていた。
「人権を制限するというのはどの程度なんだ? それを聞いてから考えよう」
マリーの言葉にモモは喜び、羽ばたいて飛び回った。
「あんたら魔法熟女を魔女とは認めず人間以下の存在として扱うことになるらしいねん」
モモの言葉にマリーは反応し、再びモモを捕まえて説明を続けさせた。
「あんたら魔女は魔族の次に偉い存在やったけど四〇歳超えた魔女は怪物や人間より下の存在ちゅうことにするってこっちゃで、気の毒になあ」
「扱いなどどうでもいい。私たちはこの村で平和に暮らし続けるだけだ」
「まあ、そう言わんと。とりあえず魔王子ダイヤさまに会って話聞いてくれへんか?」
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