ドS編集M男と少し売れてる漫画家A子

君といつまでも

M男の本音と副編集長の悲哀

……後日、M男は副編集長の誘いで居酒屋にいた。
「どうだM男。最近はストレスが溜まっているだろう。今日は俺のおごりだ」
M男は差し出された日本酒をちびりと飲みつつ副編集長の顔を見た。
「副編集長、どうにもA子の担当は疲れます。B子先生はもっとですが……」
「わかるぞM男。俺も長年B子先生の担当をやっていたからなあ……」
副編集長は日本酒をぐいっと飲んで大きなため息をついた。
「だがなM男、お前は試されているんだ。いいか、大事な時期なんだぞ」
「試されている？　どういうことですか副編集長？」
「お前は少年誌志望だろうM男。「少年パンチ」に行きたいんだろう？」
「そうですよ副編集長。最終面接ではそう言ったのに少女誌なんて俺……」
M男が勤めるH社は少部数ながら少年誌「月刊少年パンチ」を発行していた。
「副編集長はパンチからルビア編集部に来たんですよね。少女誌志望だったんですか？」
M男の問いに対して副編集長は首を振り、日本酒をさらに飲んだ。
「……少女漫画家と結婚しちまったからな」
その一言を聞いたM男は動揺し、目の前の日本酒を一気飲みした。