奥さまはドＳ魔女タバサでダーリンはドМ

怖い魔女と結婚しちゃいました

奥さまと社長秘書の対決

　後日、社長秘書のセシリーがグリーングラスに一人でやってきました。
　タバサはご近所のレベッカとおしゃべりしていて気づきませんでした。
「あのお！　素敵な奥さま！　旦那さまはいらっしゃいますか？」
　素敵な奥さまという言葉にタバサとレベッカは反応しました。
「あら？　あなた誰？　ダーリンなら会社に行って戻らないのよウフフ」
「あら？　ウチのタイガーなら無職だから家で寝てるわよウフフ」
　タバサとレベッカは同時に答えて一緒に笑いだしました。
　無視される形になったセシリーはむっとしましたが、そこはこらえました。
「私、ワトスンポスト社社長秘書のセシリーです。トムと仲がいいんです」
　セシリーはタバサをじっと見て自己紹介しました。
「……ああ！　ダーリンが言ってたわ。不細工な社長秘書さんねウフフ！」
「まあ！　私が不細工ですって？　許せない！　不細工な旦那を返すわよ！」
　セシリーはバッグから取り出したゴキブリをタバサの顔に投げつけました。
「あら！　ダーリンね！　可愛いんだからもう！　キッスしちゃう！」
　なんということでしょう。タバサが投げキッスするとゴキブリが破裂しました。
「きゃああ！　トム！　今のゴキブリはトムだったのよ奥さま！」
　セシリーが悲鳴を上げるとタバサはゴキブリの破片を踏みつけました。
「何言ってるの？　ダーリンならここにいるわよウフフ」
　なんということでしょう。
　タバサの足の下でトーマスがにっこり笑っていました。