夕日と白球

北条丈太郎

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新たなる野球部

二年生バッテリーのデビュー戦

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 私立の村山学園中等部は小船中学からバスで十数分の場所にあった。近隣でも裕福な家庭の児童が集まる中学校と言われていたが、進学実績の高い高等部へ進める学校とあって、勉強のできる児童だけが合格する難関中学校であった。いろいろな意味で小船中学とは毛色の違う学校であった。
 小船中学の教頭がこの学校の出身であったため、文化部も運動部も交流する学校であった。
「……ふん。立派な校舎だな、お坊ちゃん学校とは聞いてたけど、なんかムカつくな」
 バスから降りた星野夜空は正直な感想を大地太陽に告げたが、太陽は黙っていた。
 そして小船ナインが野球部の専用グラウンドに到着したとき、皆がため息をついた。
「どうだお前ら、たまにはこういう野球場で試合をするのもいいだろう? よし、行くぞ!」
 タンピンがナインに告げると、ナインの表情はそれぞれに引き締まった。
「じゃあ先発メンバーだ! 1番ライト、チータ! 2番セカンド、カズ! 3番ショート、オニギリ! 4番はファースト、ケーマだ! 5番はレフト、大吾だ! 6番センターは銀次! 7番はサードの俺だ! 8番キャッチャーは夜空! 9番ピッチャーは太陽! 分かったか!」
 タンピンは一人一人の顔をにらみながらナインの名を本名やあだ名で呼んだ。
「それとな! 監督は俺だ! お前らは俺の指示に従え! 分かったら大声で返事だ!」
 おう、おう、おうと元気のいい返事がベンチに響き、小船ナインはグラウンドに整列した。
 そして試合開始直前、夜空はサインの確認と共に太陽に告げた。
「……今日は全部直球で行こう。基本は真ん中だ。バッターの様子を見てコースのサインを出す。ばててもいいから初回から全力投球で行こう! 俺のミットだけ見て投げてこい太陽!」
 マウンドに立った太陽は夜空を見下ろして笑った。そして振りかぶり、第一球を投げた。
 その一球は夜空の頭の上を行く大暴投であった。
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