少年忍者たちと美しき姫の物語

拷問

「坊や、いやさ十郎。すっかり男らしくなってまあ。アタシ惚れそうだよ」
キノに頬ずりされて固まっている十郎を一同は唖然として見ていた。
「おや？　どこぞの姫様もまだ生きていたんだねえ。しぶとい娘っ子だよ」
その一言に対して雪姫はキノを睨んだが、微笑を返されて目をそらした。
「大変な旅だったね。こいつに聞いたからだいたいわかってるよ」
言いながらキノは修験者の一人を捕まえて倒し、顔をあらわにした。
「か、加藤！　キノ姉、加藤の仲間になっていたのか？」
仰天した亘がキノに向かって叫んだ。
「馬鹿だね亘は。十郎を傷つけた男の仲間になるかい。半殺しにしたのよ」
十郎が加藤を見ると、両腕が折られ、目が潰されているようだった。
「……キノ姉。こいつの背後関係は聞いたのか？」
遼次が尋ねると、キノはにっこり笑って頷いた。
「もう少しで全部吐くだろう。鈴の仇もあるからね。たっぷり生殺しだよ」
言いながらキノは加藤の生爪を丁寧に剥がしていった。