わがまま王女ルビイの冒険

忘れもの

「ちょっと待てクリス、忘れものじゃ。ここで待っておれ」
ルビイは前に迷子になった森で引き返しました。
「お金ならありますよ。買えばいいじゃないですか」
クリスはルビイに言いましたが、ルビイはあっという間に消えました。
「ちょっともう、モンスターが出たらどうすんのよ」
クリスがぶつくさ言う間にルビイはパソナ城に戻りました。
「おいジジイ、久しぶりに会いにきてやったぞ、開けよ！」
ルビイは城の庭にある小屋の扉を蹴りました。
「フガ？　うう、ルビイさまか？」
扉を開けて出てきた老人はルビイに蹴られました。
「おう、ルビイさまのキックは相変わらず強烈ですのう」
「ジジイ、旅に出る前に奥義を教えろ、今すぐじゃ！」
ルビイは老人の胸倉をつかんで激しく揺さぶりました。
「ルビイさま！　じいちゃんは引退したのです。修行ならボクと」
飛び出てきた少年がルビイに平伏しました。