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迷子の王女

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「うむう、ここはどこじゃ?」
ルビイは城近くの森でさっそく迷子になりました。王女は方向音痴でした。
「君はどうしたの? 迷子かい?」
白馬に乗った男の子がルビイに近寄って尋ねました。
「……怪しい奴め、モンスターだな。ぶっ飛ばすぞ!」
ルビイは男の子を蹴ろうとしましたが、届きませんでした。
「そうだよ、モンスターが出るから危ないよ、森を出よう」
馬から降りた男の子は背の低いルビイをひょいと両手で抱えました。
「おのれは人さらいか? 私をさらって売りつけるんじゃなクズめ!」
男の子はルビイをいったん降ろし、茶色いくせ毛をなでました。
「ぬ? 貴様、背が高いのう。しかもきんきらきんではないか」
ルビイは男の子の金髪と、きらびやかな衣服を見て言いました。
「君は寝巻きで家出でもしたの? あちこち破れてるよ。寒いだろう」
男の子は羽織っていた赤いマントをルビイにかぶせました。
「よし、くれるならもらっとくぞ。ついでにその剣もよこせ」
ルビイが言うと、男の子は光る歯を見せて剣を差し出しました。
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