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旅は道連れ

王女を捕まえろ

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 吟遊詩人マラインがケンたちの仲間に加わったころ、悪名を高めるべく行動していたロビンたちは、ラクマ大王国の小さな城下町テロビにいた。
 ダイド村のような田舎では悪名も何もないと判断したテリーがエルノに頭を下げ、彼女の飛行術によってロビンたちはラクマ大王国付近に移動したのであった。
 ただ、そこからが難題であった。ラクマ大王国には世界最強と言われるラクマ王立軍がいた。王立軍は大王国の領土を荒らす魔族の行動を見張り、魔族たちが領内で暴れた際は速やかに出動し、魔族たちを撃退していた。
 王立軍の存在を知ったテリーはロビンに告げ、しばらくは野宿などでしのぎ、隙を見て城下町に潜り込もうと進言した。ロビンはそういうものかとうなずき、進言に従った。野宿と知ったエルノは怒った。魔王の血を引くロビンではあったが、怒ったときのエルノには恐怖を感じ、その怒りを鎮めるべく常に工夫してなだめていた。
「まあまあエルノ、そう怒るな。野宿など一時の恥だ。誰も見ていないし、いいではないか。城下町に潜入したら作戦を練って、大王国を乗っ取るのだ。そうすればラクマ城は魔王城となろう。そのときはエルノの願いをなんでも一つ叶えてやろう」
 平身低頭で言ったロビンの言葉にエルノは微笑み、ロビンの頭を撫でた。
 城下町テロビは思った以上に人々の警戒心が弱く、ロビンたちは旅人として難なく潜入した。辺境育ちのロビンから見れば都会とでもいうべきテロビは人が多く、無害な雰囲気の魔族などもそこらをうろうろしていた。
 そしてロビンたちは目立たない宿に宿泊した。そこを拠点に悪事をなそうと考え、まずテリーに聞き込みをさせた。するとまもなく笑顔のテリーが戻った。
「ロビンさま。いい話です! 王女を捕まえて身代金を要求しましょう!」
 行方不明になった王女を王家が探しているという話を聞いたテリーが提案した。
 ロビンはテリーが持ち帰った人相書きを見た。紙に描かれていたのは美しい少女だった。そして人相書きの余白にはいろいろと注意書きが書かれていた。
「うむ、とりあえずこの王女を捕まえてから要求を考えようガハハハハ!」
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