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旅は道連れ

魔王への第一歩

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 魔王になるための旅に出たロビンたちはケンたちを追ったが、少し道に迷った。世間知らずのロビンは道を知らず、美形の魔人テリーに道案内を任せた。そしてロビンたちはケンたちがいたカサラ村近くのダイド村にたどり着いた。そこで聞き込みをしたテリーはケンたちの噂を聞いた。
「ロビンさま、しばらくはこの村を拠点にして情報を集めましょう。その間にもロビンさまは悪名を高めるのです。その悪い顔にふさわしい悪行を重ねましょう」
 そしてロビンはある村人の家に押し入った。ロビンの恐ろしげな顔を見た村人は家から逃げた。
「さすがロビンさま。ではこの家を仮の魔王城としましょう。まずはこのダイド村の奴らに悪をなすのです。アイディアはエルノに出させましょう」
 テリーが美女の魔人エルノを見ると、エルノは家の中から貴金属などを探し出していた。
「魔王さま、まずはこのように高価なものを盗み出すのです。この家にはもうないので近所に行って盗んでください。強盗をやるのです。そうして品を集めたら、さらに悪いことをやります」
 特にやることを思いつかないロビンはエルノに言われたとおり強盗を続けた。
「素晴らしいですロビンさま。魔王を目指すための第一歩としてはまずまずの悪事でしょう」
 テリーはロビンを称え、エルノは集まった金品を物色して満足げに微笑んだ。
「それで、これから何をやるんだエルノ。俺には思いつかんから任せる」
 エルノは店を開こうと言った。家を高級道具屋に改装して、客を騙そうという案であった。
「うむ、この辺に貴金属を並べて、ここがカウンターで、薬草などを売るのだな」
「はい魔王さま。これは薬草に似せた猛毒草です。舐めただけで人間は死にます」
「し、死ぬ? そ、それは極悪だな。もうちょっと弱い毒にしよう。最初は……」
 少し気の弱いところがあるロビンはエルノに向かって頭を下げた。
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