78 / 126
第四章 白魔導師の日々
小話~魔界ネコの思い出
しおりを挟む
魔王の配下である猫は、建物の陰の中に潜みながら、見つからないように女神の後を追う。
暗い石の回廊の中を、一人の娘がたたたっと勢いよく走る音が猫の耳に心地よく響く。本当の姿は猫ではないが、魔物の一種であるそれは、本来の姿より、猫であることを好んだ。
(女神様、方向が逆なんだけどな・・・)
帰り道を探して、うろうろとさ迷う女神の後を、猫は音一つたてずに、静かについて回った。いつも一緒にいるはずの聖剣の騎士も、夢の中までは来られまいて。
(この前、女神様に会ったのは何百年前だったっけ)
それが随分と昔のことだったのに、それはまるで昨日のことのように猫の記憶に残っている。
女神フローリアは、人間の体に宿ることを好む。そして、生と死を繰り返し、永遠の命を持たなない聖剣の騎士と共に、輪廻転生を繰り返すのだ。前回の生で、猫は女神様と直々に面識があった。
・・・女神様も、なんと物好きな。輪廻を繰り返すのなら、永久の命を持てばいいのに。
そう、例えば、魔王様や自分のように。
それでも、猫は昔のことを思い出して、魔物らしからぬ様子でくすりと笑う。
・・・一昔前の女神様は、とてもかわいらしい人だった。少なくとも、魔界もの魔物ですら、彼女の愛らしさに口元を緩めるほどであった。
前の人生では、女神様は神殿の巫女をしていた。艶やかか黒髪に、透き通るような白い肌を持つ巫女様でもあった女神様。
その微笑みは見るもの全てを魅了し、花に触れれば、立ちどころに花たちも嬉しそうに咲き乱れる。その時も、主である魔王様は、聖剣の騎士に阻まれ、女神を得ることに失敗していた。
そして、女神様もほんの少しの期間であったが、この魔界にいたことがあった。女神様は、この上なく、優しく猫の自分にも優しく触れ、膝の上にのせてくれた。
その時のことを、猫は思い出し、にんまりした瞬間、よだれがつーっと地面の上に零れ落ちる。
(はっ、いかんいかん。今回の女神様の追跡もしっかりしなくては)
ふと我に返り、猫はつつーっと女神の後を追う。
細く暗い廊下の行き止まりで、女神様、いや、まだ覚醒していないから、フロルと言う娘は困ったように眉を落とした。
「くっそう。また行き止まりか」
なんだか、毒づくように口を開くフロルに、猫は目眩を起こしそうなほど、残念な気持ちになる。以前の女神様と比べると、とても口が悪い。そんなフロルは、立ったまま両膝に手をつき、一人呟く。
「・・・なんだかに妙に疲れるんだよねぇ」
フロルはなんだかとてもだるそうで、少しぜいぜいと息が荒い。そりゃそうだ。夢の中とは言え、ここは一応は魔界だ。
聖なる力を持つ女神とは正反対のエネルギーで満たされた空間だ。彼女自身が負のエネルギーに満たされなければ、体力、気力共に消耗するだけだ。
・・・それを、我が主である魔王は狙ってる訳だが。
「なんっつってる場合か! がんばれ、自分」
フロルは独り言で自分を鼓舞し、また別の方向へと踵を返す。
建物の影の中に潜みながら、また黒猫はそっと女神の後を追う。
フロルは180度反転し、今度は、回廊の途中にある階段を下りていく。その先に、大きな地下空間が広がっているのを猫は知っている。
・・・今度は正しい方向へ向かっているようだ。
幾分ほっと胸を撫でおろしつつ、猫もまたフロルの後を追う。それは、城の地下、深くにある洞窟だ。仮に出口をみつけたとしても、女神様はそこには入れないだろう。
希望と失望をまぜこぜにした複雑な気分で、黒猫も女神の後を追った。
(うん・・・今回の女神様も、いい勘をしてるな)
黒猫が一人頷いたのもつかの間、フロルは悔しそうに唇を噛んだ。
「あれが出口みたいだけど、届かない・・・」
そう。地下の洞窟の中央に広がる大空間の中で、冥界と世界をつなぐ出入口がある。しかし、だ。出入口は天井高く、空間の宙にある。
普通の人間の背が届く高さではない。猫は、そっと岩の影から覗き込み、フロルの背を眺めていた。
「・・・それで、そこの猫。つけてるのわかってる。出てきたら?」
ぎくり。
黒猫は見つかったかと思い、岩陰にますます身を潜める。こんなことがある訳がない。今まで、影に潜んで追跡した対象に気付かれたことはない。
猫は、さらに身を潜め、息を殺す。・・・きっと、女神様は自分に話しかけている訳じゃないはずだ。
そう思って、さらに身を丸めた瞬間、
「見っけ!」
突然、フロルが岩陰からにゅっと姿を現し、影の中に身を潜めた黒猫をわしっとつかみあげた。
「ひぃぃぃぃっ」
暗闇から突然引きずり出されて、恐怖の悲鳴を上げる黒猫の首筋をつかみ、フロルはぶらーんと自分の目の前にぶら下げた。黒猫は自分の目の前の女神様のドアップを見て、さらに悲鳴をあげることになる。
目の前のフロルの目は意地悪く細められて、ふふと、魔王様真っ青なくらいの、腹黒い笑みを顔じゅうに浮かべていたからである。
「な、なんで。なんで。僕を見つけられるのさ!」
覚醒前とは言え、彼女の聖なる力は強かった。さすがの魔物もその力には歯が立たず、普通の猫のように、成す術もないまま、フロルの前にぶら下げられていた。
◇
フロル、窮地からの~まさかの反撃!
暗い石の回廊の中を、一人の娘がたたたっと勢いよく走る音が猫の耳に心地よく響く。本当の姿は猫ではないが、魔物の一種であるそれは、本来の姿より、猫であることを好んだ。
(女神様、方向が逆なんだけどな・・・)
帰り道を探して、うろうろとさ迷う女神の後を、猫は音一つたてずに、静かについて回った。いつも一緒にいるはずの聖剣の騎士も、夢の中までは来られまいて。
(この前、女神様に会ったのは何百年前だったっけ)
それが随分と昔のことだったのに、それはまるで昨日のことのように猫の記憶に残っている。
女神フローリアは、人間の体に宿ることを好む。そして、生と死を繰り返し、永遠の命を持たなない聖剣の騎士と共に、輪廻転生を繰り返すのだ。前回の生で、猫は女神様と直々に面識があった。
・・・女神様も、なんと物好きな。輪廻を繰り返すのなら、永久の命を持てばいいのに。
そう、例えば、魔王様や自分のように。
それでも、猫は昔のことを思い出して、魔物らしからぬ様子でくすりと笑う。
・・・一昔前の女神様は、とてもかわいらしい人だった。少なくとも、魔界もの魔物ですら、彼女の愛らしさに口元を緩めるほどであった。
前の人生では、女神様は神殿の巫女をしていた。艶やかか黒髪に、透き通るような白い肌を持つ巫女様でもあった女神様。
その微笑みは見るもの全てを魅了し、花に触れれば、立ちどころに花たちも嬉しそうに咲き乱れる。その時も、主である魔王様は、聖剣の騎士に阻まれ、女神を得ることに失敗していた。
そして、女神様もほんの少しの期間であったが、この魔界にいたことがあった。女神様は、この上なく、優しく猫の自分にも優しく触れ、膝の上にのせてくれた。
その時のことを、猫は思い出し、にんまりした瞬間、よだれがつーっと地面の上に零れ落ちる。
(はっ、いかんいかん。今回の女神様の追跡もしっかりしなくては)
ふと我に返り、猫はつつーっと女神の後を追う。
細く暗い廊下の行き止まりで、女神様、いや、まだ覚醒していないから、フロルと言う娘は困ったように眉を落とした。
「くっそう。また行き止まりか」
なんだか、毒づくように口を開くフロルに、猫は目眩を起こしそうなほど、残念な気持ちになる。以前の女神様と比べると、とても口が悪い。そんなフロルは、立ったまま両膝に手をつき、一人呟く。
「・・・なんだかに妙に疲れるんだよねぇ」
フロルはなんだかとてもだるそうで、少しぜいぜいと息が荒い。そりゃそうだ。夢の中とは言え、ここは一応は魔界だ。
聖なる力を持つ女神とは正反対のエネルギーで満たされた空間だ。彼女自身が負のエネルギーに満たされなければ、体力、気力共に消耗するだけだ。
・・・それを、我が主である魔王は狙ってる訳だが。
「なんっつってる場合か! がんばれ、自分」
フロルは独り言で自分を鼓舞し、また別の方向へと踵を返す。
建物の影の中に潜みながら、また黒猫はそっと女神の後を追う。
フロルは180度反転し、今度は、回廊の途中にある階段を下りていく。その先に、大きな地下空間が広がっているのを猫は知っている。
・・・今度は正しい方向へ向かっているようだ。
幾分ほっと胸を撫でおろしつつ、猫もまたフロルの後を追う。それは、城の地下、深くにある洞窟だ。仮に出口をみつけたとしても、女神様はそこには入れないだろう。
希望と失望をまぜこぜにした複雑な気分で、黒猫も女神の後を追った。
(うん・・・今回の女神様も、いい勘をしてるな)
黒猫が一人頷いたのもつかの間、フロルは悔しそうに唇を噛んだ。
「あれが出口みたいだけど、届かない・・・」
そう。地下の洞窟の中央に広がる大空間の中で、冥界と世界をつなぐ出入口がある。しかし、だ。出入口は天井高く、空間の宙にある。
普通の人間の背が届く高さではない。猫は、そっと岩の影から覗き込み、フロルの背を眺めていた。
「・・・それで、そこの猫。つけてるのわかってる。出てきたら?」
ぎくり。
黒猫は見つかったかと思い、岩陰にますます身を潜める。こんなことがある訳がない。今まで、影に潜んで追跡した対象に気付かれたことはない。
猫は、さらに身を潜め、息を殺す。・・・きっと、女神様は自分に話しかけている訳じゃないはずだ。
そう思って、さらに身を丸めた瞬間、
「見っけ!」
突然、フロルが岩陰からにゅっと姿を現し、影の中に身を潜めた黒猫をわしっとつかみあげた。
「ひぃぃぃぃっ」
暗闇から突然引きずり出されて、恐怖の悲鳴を上げる黒猫の首筋をつかみ、フロルはぶらーんと自分の目の前にぶら下げた。黒猫は自分の目の前の女神様のドアップを見て、さらに悲鳴をあげることになる。
目の前のフロルの目は意地悪く細められて、ふふと、魔王様真っ青なくらいの、腹黒い笑みを顔じゅうに浮かべていたからである。
「な、なんで。なんで。僕を見つけられるのさ!」
覚醒前とは言え、彼女の聖なる力は強かった。さすがの魔物もその力には歯が立たず、普通の猫のように、成す術もないまま、フロルの前にぶら下げられていた。
◇
フロル、窮地からの~まさかの反撃!
1
お気に入りに追加
12,357
あなたにおすすめの小説
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
この度、双子の妹が私になりすまして旦那様と初夜を済ませてしまったので、 私は妹として生きる事になりました
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
*レンタル配信されました。
レンタルだけの番外編ssもあるので、お読み頂けたら嬉しいです。
【伯爵令嬢のアンネリーゼは侯爵令息のオスカーと結婚をした。籍を入れたその夜、初夜を迎える筈だったが急激な睡魔に襲われて意識を手放してしまった。そして、朝目を覚ますと双子の妹であるアンナマリーが自分になり代わり旦那のオスカーと初夜を済ませてしまっていた。しかも両親は「見た目は同じなんだし、済ませてしまったなら仕方ないわ。アンネリーゼ、貴女は今日からアンナマリーとして過ごしなさい」と告げた。
そして妹として過ごす事になったアンネリーゼは妹の代わりに学院に通う事となり……更にそこで最悪な事態に見舞われて……?】
偽りの花嫁は貴公子の腕の中に落ちる
中村まり
恋愛
第二部 4月より再開! ザビラから救出されたジュリアは、公爵の正式な婚約者として、ジョルジュの屋敷で療養していた。彼の甘く情熱的でかいがいしい世話に翻弄されまくるジュリアであったが、ある日、彼が公務で不在の時に、クレスト伯爵領からの使者がジュリアを訪れる。
父であるマクナム伯爵の領地を継承したジュリアは、今やれっきとした伯爵家当主である。自分の領地の問題の報告をうけ、急いでマクナム伯爵領に訪れる途中、ジュリアがばったり出会った人物のごたごたに巻き込まれてしまう。結婚式までに帰らなければならないのに・・・── その頃、ジョルジュは国境線を巡る外交交渉のまっただ中で・・・・!
第一部
「お前にソフィーの身代わりとして、嫁いでもらいたい」
ある日、突然、女騎士団長のジュリアに、叔父から命じられた言葉 ─
王家の命令によって、クレスト伯爵に従姉妹が嫁がされることとなった。しかし、その従姉妹の身代わりとして、どうして自分が差し出されなければならないのだ!
そんな成り行きに呆然としているジュリアに告げられたもう一つのこと。
─ 夫なるべき男、クレスト伯爵には、すでに溺愛する愛人がいる、と。
結婚する前からすでに疎まれ、お先真っ暗な気持ちで向った結婚式の祭壇で、彼女を出迎えたのは、それはそれは妖艶な男性で。ジョルジュ・ガルバーニ公爵は、なんと代理の花婿様だと言う。
しかし、そんな彼も、とある理由があって婚礼の場にやってきてたのだが・・・・。
そして、夫が不在のまま、結婚二日目にして発覚したクレスト伯爵家の大問題の数々。蔓延する疫病、傾いた伯爵家の財政、地に落ちた伯爵家の威信・・・。
問題だらけのクレスト伯爵領を、ジュリアは、なんとか立て直そうと、孤軍奮闘しようとする。ガルバーニ公爵は、そんな彼女を優しく支えてくれて。ジュリアの心には親しみ以上の感情が芽生えてしまうが・・・ そこに、花婿本人のクレスト伯爵が戦から帰還してきて!
やむにやまれず身代わり結婚させられてしまった不遇な女騎士団長は、幸せになれるのか?!
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。