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序章
愛の記憶は突然に
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真っ暗だ。真っ暗がいい。
電気を全部消すように頼んだのは私だ。
何も見えないが、彼の輪郭だけは見える。
そう、左前方のソファに座っている。
それで?
足元で少しの間、立ち止まる。
行くべきか?
初めての2人だけの空間。
暑い。
蒸し暑い。
まだ6月なのに、夏がこんなに早く来るのか?
今、何時だろう? 2時か?
どうやって来たのだろう?タクシー?
何を言ったのだろう?
「キスをして終わりにしよう」?
キス。キス?頭の中が少し混乱している。
ぼんやりと彼の前に歩み寄り、立ち止まる。
いや、止まるべき。
でも……
でも、彼が左腕を広げたので、私は彼の左側に座った。
その後二人とも何も言わなかった。
彼の腕が背中を回り、私の腰にかかった。
右側に引っ張られる力を感じ、私は自然と右に寄りかかって、距離がとても近くなり私は頭を下げた。
心地よい香りを感じた。
次の瞬間、顎が手で引き上げられ、彼の唇が近づいてきた。
彼の動きは滑らかで、唇は柔らかく、少し湿っていた。そして唇の上で私を確かめるように動いた。
暗闇の中、視界が徐々に鮮明になり、私は目を閉じなかった。キスの時に目を閉じる習慣はない。
近距離で観察するのが好き。
彼の目は閉じている。
眉をひそめていないか。
髪の毛一本一本の動き。
キスは三秒ほど続き、彼の唇が離れ、軽く笑って「キスしたね」、再び唇を重ねてきた。
二度目はもっと長く、もっと深くキスをしてきた。彼の舌先を感じ、私の唇は少し硬直した。
初めてのキスで舌を絡めるのは、少し早いのではないかと思いながら、「舌なしでいい?」と口走ってしまった。
彼は少し笑って、すぐに舌を引っ込め...
電気を全部消すように頼んだのは私だ。
何も見えないが、彼の輪郭だけは見える。
そう、左前方のソファに座っている。
それで?
足元で少しの間、立ち止まる。
行くべきか?
初めての2人だけの空間。
暑い。
蒸し暑い。
まだ6月なのに、夏がこんなに早く来るのか?
今、何時だろう? 2時か?
どうやって来たのだろう?タクシー?
何を言ったのだろう?
「キスをして終わりにしよう」?
キス。キス?頭の中が少し混乱している。
ぼんやりと彼の前に歩み寄り、立ち止まる。
いや、止まるべき。
でも……
でも、彼が左腕を広げたので、私は彼の左側に座った。
その後二人とも何も言わなかった。
彼の腕が背中を回り、私の腰にかかった。
右側に引っ張られる力を感じ、私は自然と右に寄りかかって、距離がとても近くなり私は頭を下げた。
心地よい香りを感じた。
次の瞬間、顎が手で引き上げられ、彼の唇が近づいてきた。
彼の動きは滑らかで、唇は柔らかく、少し湿っていた。そして唇の上で私を確かめるように動いた。
暗闇の中、視界が徐々に鮮明になり、私は目を閉じなかった。キスの時に目を閉じる習慣はない。
近距離で観察するのが好き。
彼の目は閉じている。
眉をひそめていないか。
髪の毛一本一本の動き。
キスは三秒ほど続き、彼の唇が離れ、軽く笑って「キスしたね」、再び唇を重ねてきた。
二度目はもっと長く、もっと深くキスをしてきた。彼の舌先を感じ、私の唇は少し硬直した。
初めてのキスで舌を絡めるのは、少し早いのではないかと思いながら、「舌なしでいい?」と口走ってしまった。
彼は少し笑って、すぐに舌を引っ込め...
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