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星降る夜を見上げている場合ではない
第32話 3本目
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「実は……もう1本ございます」
「もう1本? そんな簡単に手に入る代物ではないことは君も理解しているよね? まさか、そのネックレスを購入した店で手に入れたなどとは言わないだろうね?」
どれだけ、このネックレスの性能を疑ってんのよ。
「ジーク様は学園の秘密の部屋に出入りできる……あの部屋に私が歴代の方々のように本を収めればばれることなので、先に白状しておきます」
「白状?」
「魔子討伐の際に、いろいろありまして。魔剣が1本でき、リオンが体内に所蔵しております。だから、リオンは現在魔剣を2本持っております」
ジーク様の前で指を2本立てて見せる。
「いろいろって君ね……いくら何でも省略しすぎだよ」
「今は時間がないのでしょう? 詳しいことは、次の真実の探求者のために本を作成中ですので、気になるようであれば、後で秘密の部屋で詳細と省略したいろいろについて読んでくださいませ。で、ジーク様……魔剣はあります。フォルトの勝率はいまだに0%ですか?」
「――――0じゃない。フォルト次第ではひっくり返せる」
そういってジークは含み笑いをした。
私は早足で自室へと戻った。
自室には、リオンとうまく会うことができたフォルトがすでに話し込んでいた。
「おかえり~」
そして、私の部屋のソファーの一番いいところにどでーんっとシオンが転がっていて、私にひらひらと手を振った。
「ちょっと、そんなところで転がっていたら座れないじゃないの」
「はぁ? 矛盾点が出ないようにとの呼び出しにすぐに応じてはせ参じた僕に対する第一声がそれ?」
シオンの眉が不機嫌そうによる。
「矛盾点?」
シオンの言いたいことがわからなくてキョトンとした私に、足で反動をつけ一気に起き上がったシオンが詰め寄ってきた。
「倒れるふりをするならあらかじめこっちにも言っとけっていってんの。リオンと違って、僕は教会の元神官。レーナ様と盟約を結んだから見逃してもらえてるって割と大々的に公表してるわけ。わかる?」
シオンが私の鼻を人差し指でまたも豚鼻にしてくる。
「ちょっと、何するのよ!?」
鼻をぎゅーっと押してくるシオンの手をはねのけた。
「何すんのはこっちのセリフだよ。馬鹿なの? 頭残念だなってこれ以上思わせないでよ。あんたが倒れたら血の盟約者の僕が駆け付けなきゃすぐに仮病だってばれるよ。で、さっきから鼻息荒いんだけど。何かいいことでも思いついた?」
「えぇ、これでフォルトが勝てるかもしれないわよ。リオンの中には実は」
私がドヤっとそう語りだしたときだった、目の前に立っていたシオンがリオンに目配せをした後、目の前で得意げに語っていた私の口を手でふさいだ。
「おい、シオン何を?」
突然私の口をふさいだシオンに、フォルトが声をかける。
「タイム! 僕のご主人様あほの子なんで……申し訳ないけれど。フォルト様に持ち込んでいい話か、そうじゃない話か僕とリオンで審議してからってことで、ね」
にっこりと笑顔を作ると、最後確認を促すかのようにリオンをシオンは見つめる。シオンの視線を受けてリオンは頷いた。
ちょっと、何とかしてよとジークを見つめると。わけがわからない私とは違って、ジークは何か察したようだった。
「フォルト、盟約者は主人の命を守ることを一番に考える。……少し席をはずそう」
そういって、ジークは不満げな表情で私を見つめていたフォルトを連れて再び部屋を後にした。
このままリビングで話すのかと思いきや私はずるずると引きずられてご自慢のカギのかかる書庫に従僕2人に連れ込まれた。
「そこ座れ」
椅子に腰かけるようにシオンに命令されて、腰は下ろしたけれど、なによこの扱い!?
「ちょっと、どういうつもり?」
私が不満げにそういうと、リオンとシオンが目を合わせうなずき、リオンが口を開いた。
「私たちはレーナ様のお考えに反対です」
「どっどっど……え? どうしてって!? え? 私が先ほど何を言おうとしたかわかっている?」
「もちろん、わかってるよ。リオンの中に眠るもう1本の魔剣をフォルト様にくれてやるって話でしょ」
むすっとした顔でシオンが答えた。
「ちょっと待って、リオンはともかく。私はクライスト領でできた魔剣のことシオンに話していないわよね?」
「そうだね、聞いてないね。リオンから聞いた。……あのさぁ、魔剣の主であるリオンに思いつかなかったと思う?」
本棚によりかかり腕を組んだポーズでシオンはそういうと小さなため息を吐いた。
『私にとってうまく終わらせるにはどうしたらいいかをリオン。あなたに任せましたよ』的なことをいって確かリオンに丸投げしたのだ。
「先に謝罪しておきます。フォルト様が勝つことを考えたときに、すぐに私の中に眠る魔剣を譲ることを思いつきました。ですが、リスクが大きすぎると判断し、レーナ様にお話をする前にシオンに相談いたしました」
「なんでそこでシオンに相談?」
血の盟約は重い契約とかいう割に私が従えた二人自由過ぎない?
「シオンは盟約者ですから、彼以上にレーナ様の安全を考慮したうえで相談できる相手はいませんから」
「私のことを考えて二人で相談をしたことはわかりました。ただ、リスクって……」
「もう1本? そんな簡単に手に入る代物ではないことは君も理解しているよね? まさか、そのネックレスを購入した店で手に入れたなどとは言わないだろうね?」
どれだけ、このネックレスの性能を疑ってんのよ。
「ジーク様は学園の秘密の部屋に出入りできる……あの部屋に私が歴代の方々のように本を収めればばれることなので、先に白状しておきます」
「白状?」
「魔子討伐の際に、いろいろありまして。魔剣が1本でき、リオンが体内に所蔵しております。だから、リオンは現在魔剣を2本持っております」
ジーク様の前で指を2本立てて見せる。
「いろいろって君ね……いくら何でも省略しすぎだよ」
「今は時間がないのでしょう? 詳しいことは、次の真実の探求者のために本を作成中ですので、気になるようであれば、後で秘密の部屋で詳細と省略したいろいろについて読んでくださいませ。で、ジーク様……魔剣はあります。フォルトの勝率はいまだに0%ですか?」
「――――0じゃない。フォルト次第ではひっくり返せる」
そういってジークは含み笑いをした。
私は早足で自室へと戻った。
自室には、リオンとうまく会うことができたフォルトがすでに話し込んでいた。
「おかえり~」
そして、私の部屋のソファーの一番いいところにどでーんっとシオンが転がっていて、私にひらひらと手を振った。
「ちょっと、そんなところで転がっていたら座れないじゃないの」
「はぁ? 矛盾点が出ないようにとの呼び出しにすぐに応じてはせ参じた僕に対する第一声がそれ?」
シオンの眉が不機嫌そうによる。
「矛盾点?」
シオンの言いたいことがわからなくてキョトンとした私に、足で反動をつけ一気に起き上がったシオンが詰め寄ってきた。
「倒れるふりをするならあらかじめこっちにも言っとけっていってんの。リオンと違って、僕は教会の元神官。レーナ様と盟約を結んだから見逃してもらえてるって割と大々的に公表してるわけ。わかる?」
シオンが私の鼻を人差し指でまたも豚鼻にしてくる。
「ちょっと、何するのよ!?」
鼻をぎゅーっと押してくるシオンの手をはねのけた。
「何すんのはこっちのセリフだよ。馬鹿なの? 頭残念だなってこれ以上思わせないでよ。あんたが倒れたら血の盟約者の僕が駆け付けなきゃすぐに仮病だってばれるよ。で、さっきから鼻息荒いんだけど。何かいいことでも思いついた?」
「えぇ、これでフォルトが勝てるかもしれないわよ。リオンの中には実は」
私がドヤっとそう語りだしたときだった、目の前に立っていたシオンがリオンに目配せをした後、目の前で得意げに語っていた私の口を手でふさいだ。
「おい、シオン何を?」
突然私の口をふさいだシオンに、フォルトが声をかける。
「タイム! 僕のご主人様あほの子なんで……申し訳ないけれど。フォルト様に持ち込んでいい話か、そうじゃない話か僕とリオンで審議してからってことで、ね」
にっこりと笑顔を作ると、最後確認を促すかのようにリオンをシオンは見つめる。シオンの視線を受けてリオンは頷いた。
ちょっと、何とかしてよとジークを見つめると。わけがわからない私とは違って、ジークは何か察したようだった。
「フォルト、盟約者は主人の命を守ることを一番に考える。……少し席をはずそう」
そういって、ジークは不満げな表情で私を見つめていたフォルトを連れて再び部屋を後にした。
このままリビングで話すのかと思いきや私はずるずると引きずられてご自慢のカギのかかる書庫に従僕2人に連れ込まれた。
「そこ座れ」
椅子に腰かけるようにシオンに命令されて、腰は下ろしたけれど、なによこの扱い!?
「ちょっと、どういうつもり?」
私が不満げにそういうと、リオンとシオンが目を合わせうなずき、リオンが口を開いた。
「私たちはレーナ様のお考えに反対です」
「どっどっど……え? どうしてって!? え? 私が先ほど何を言おうとしたかわかっている?」
「もちろん、わかってるよ。リオンの中に眠るもう1本の魔剣をフォルト様にくれてやるって話でしょ」
むすっとした顔でシオンが答えた。
「ちょっと待って、リオンはともかく。私はクライスト領でできた魔剣のことシオンに話していないわよね?」
「そうだね、聞いてないね。リオンから聞いた。……あのさぁ、魔剣の主であるリオンに思いつかなかったと思う?」
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『私にとってうまく終わらせるにはどうしたらいいかをリオン。あなたに任せましたよ』的なことをいって確かリオンに丸投げしたのだ。
「先に謝罪しておきます。フォルト様が勝つことを考えたときに、すぐに私の中に眠る魔剣を譲ることを思いつきました。ですが、リスクが大きすぎると判断し、レーナ様にお話をする前にシオンに相談いたしました」
「なんでそこでシオンに相談?」
血の盟約は重い契約とかいう割に私が従えた二人自由過ぎない?
「シオンは盟約者ですから、彼以上にレーナ様の安全を考慮したうえで相談できる相手はいませんから」
「私のことを考えて二人で相談をしたことはわかりました。ただ、リスクって……」
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