55 / 171
人の恋路を応援している場合ではない
第4話 私を罰して
しおりを挟む
魔剣はとても貴重である、特に対人戦でその凄さは発揮される。
ほんの少しの傷でごっそりと相手の魔力を吸うことができるのだ、これ一本あるだけで戦況が覆せる場面が沢山あるに違いない。
リオンはテーブルに2本の魔剣を置いて、私のことをじっと見つめた。
私からの処分待ちなのだろう。
それにしてもだ。主人が特に何も言わないからあわよくば二本目の魔剣を手に入れようとは大胆なことするものだと逆に感心してしまう。
「リオン、イケないことをしている自覚はあったということでよろしいですか?」
「はい、申し訳ありませんでした。レーナ様」
リオンはとても素直に私に謝罪の言葉を述べた。
本当なら手厳しく罰を与えたほうがいいのだと思う。
だけど、それはそれでご褒美になるのではないかと思ってしまう。
盟約による、私の質問へ答えないことの制約はとけおそらくもう苦しさなどはないはずである。
だからなのだろうか。
私を見つめるリオンの瞳に期待が込められている気がするのだ。
「この魔剣は本来存在してはいけないものです。どうするか考えておくのでそれまではリオンが保管しなさい。二本目の魔剣は本来ならここにあってはいけないものです。使用を禁じます。そして私の要請があれば引き渡すように」
「はい、かしこまりました」
じゃぁ、そろそろ寮に戻ろう。
私は椅子から立ち上がる。
「あっ、念のために聞いておきますが、もう私に知られては困ることなどありませんよね?」
「……ございます」
まったく、いくつ私に知られたくない秘密をもってるのよ。魔剣をパクろうとしてましたを越えるような秘密などないだろうし、聞いておこう。
「それで、何?」
「それは……」
リオンは言い淀む。
「魔剣の話を越えることはないでしょうし、さっさと諦めて話しなさい」
リオンの隣に移動して、私はリオンの肩に手をのせて困った顔を除き混む。
「かし、かしこまりました」
うんうん、素直に話してこれで終わりにしよう。それで何かしら。
人の知られたくない秘密が聞けることでワクワクしてしまう。
「私は夏ごろからおかしいのです」
これは、お悩み相談みたいね。
「夏ごろからですね。続けて」
「はい、レーナ様を私の思い込みで拘束した事件の後、公爵令嬢を命の危険にさらしたこと。公爵家嫡男も巻き込んだことで沢山の抗議がありとあらゆる手段で届きました」
そうね、やはり沢山届いていたのね。
「私は精神的に追い込まれておりました。レーナ様の靴を私が舐めようとしたのを覚えていますか?」
「ちょっと待って」
話が変な方向になってきてない?
「結局は舐めることはなく、私から遠ざかろうとしたおみ足に頬を蹴られましたが……」
「まって、これ以上は」
「舐めさえすればと希望をみいだした私はまだ少女で本来ならたった一発すら私に打撃を与えることなど不可能な貴女の靴に顔を寄せているときに屈辱と同時に「もう結構です! ストーーーーープ」
なおも話を続けそうなリオンの口を私は両手でふさいだ。
「もうよいのです。秘密は秘密のままにしましょう。ねっ」
目力でねじ伏せようとして、リオンがとても期待に満ちた顔でこちらを見つめていることに気がつき口に押し当てた手を外した。
「わかりました」
私の手が放れるとリオンはそう言った。危ない話になるところだったわ。
「レーナ様、私はとても重要なことを秘密にしておりました。それに大事な白い手にお茶をかける粗相もいたしました。どうか、罰をお与えください」
折角咎めないでおこうとしたのに、自ら要求してきた!
「リオン、貴方のことは前回無茶をさせました。貴方も疲れていて冷静な判断ができなかったのでしょう。自ら罪を認め罰と向き合えたからこそ許しましょう」
リオンは椅子から降り地面に両ひざをつき私の前で最上礼の姿勢をとると、私の左手に自分の手を添え、そのままリオンと盟約した時傷をつけられた人差し指を親指の腹で撫でられる。
「恩赦に感謝いたします」
そういってリオンはあの時と同じように軽く私の人差し指に唇をあてた。
ヤバかった。いろんな意味でヤバかった。
リオン完全に扉が開いてない?
本は早めに作ってしまいたいからリオンに何回か会いたいけれど、あれはしばらく日を置かないとダメだ。
リオンがM なことはいい。
問題は知らず知らずのうちに女王様のように振る舞いつつある私の方だ。ますます婚期が遠のいてしまうじゃないの!!
ほんの少しの傷でごっそりと相手の魔力を吸うことができるのだ、これ一本あるだけで戦況が覆せる場面が沢山あるに違いない。
リオンはテーブルに2本の魔剣を置いて、私のことをじっと見つめた。
私からの処分待ちなのだろう。
それにしてもだ。主人が特に何も言わないからあわよくば二本目の魔剣を手に入れようとは大胆なことするものだと逆に感心してしまう。
「リオン、イケないことをしている自覚はあったということでよろしいですか?」
「はい、申し訳ありませんでした。レーナ様」
リオンはとても素直に私に謝罪の言葉を述べた。
本当なら手厳しく罰を与えたほうがいいのだと思う。
だけど、それはそれでご褒美になるのではないかと思ってしまう。
盟約による、私の質問へ答えないことの制約はとけおそらくもう苦しさなどはないはずである。
だからなのだろうか。
私を見つめるリオンの瞳に期待が込められている気がするのだ。
「この魔剣は本来存在してはいけないものです。どうするか考えておくのでそれまではリオンが保管しなさい。二本目の魔剣は本来ならここにあってはいけないものです。使用を禁じます。そして私の要請があれば引き渡すように」
「はい、かしこまりました」
じゃぁ、そろそろ寮に戻ろう。
私は椅子から立ち上がる。
「あっ、念のために聞いておきますが、もう私に知られては困ることなどありませんよね?」
「……ございます」
まったく、いくつ私に知られたくない秘密をもってるのよ。魔剣をパクろうとしてましたを越えるような秘密などないだろうし、聞いておこう。
「それで、何?」
「それは……」
リオンは言い淀む。
「魔剣の話を越えることはないでしょうし、さっさと諦めて話しなさい」
リオンの隣に移動して、私はリオンの肩に手をのせて困った顔を除き混む。
「かし、かしこまりました」
うんうん、素直に話してこれで終わりにしよう。それで何かしら。
人の知られたくない秘密が聞けることでワクワクしてしまう。
「私は夏ごろからおかしいのです」
これは、お悩み相談みたいね。
「夏ごろからですね。続けて」
「はい、レーナ様を私の思い込みで拘束した事件の後、公爵令嬢を命の危険にさらしたこと。公爵家嫡男も巻き込んだことで沢山の抗議がありとあらゆる手段で届きました」
そうね、やはり沢山届いていたのね。
「私は精神的に追い込まれておりました。レーナ様の靴を私が舐めようとしたのを覚えていますか?」
「ちょっと待って」
話が変な方向になってきてない?
「結局は舐めることはなく、私から遠ざかろうとしたおみ足に頬を蹴られましたが……」
「まって、これ以上は」
「舐めさえすればと希望をみいだした私はまだ少女で本来ならたった一発すら私に打撃を与えることなど不可能な貴女の靴に顔を寄せているときに屈辱と同時に「もう結構です! ストーーーーープ」
なおも話を続けそうなリオンの口を私は両手でふさいだ。
「もうよいのです。秘密は秘密のままにしましょう。ねっ」
目力でねじ伏せようとして、リオンがとても期待に満ちた顔でこちらを見つめていることに気がつき口に押し当てた手を外した。
「わかりました」
私の手が放れるとリオンはそう言った。危ない話になるところだったわ。
「レーナ様、私はとても重要なことを秘密にしておりました。それに大事な白い手にお茶をかける粗相もいたしました。どうか、罰をお与えください」
折角咎めないでおこうとしたのに、自ら要求してきた!
「リオン、貴方のことは前回無茶をさせました。貴方も疲れていて冷静な判断ができなかったのでしょう。自ら罪を認め罰と向き合えたからこそ許しましょう」
リオンは椅子から降り地面に両ひざをつき私の前で最上礼の姿勢をとると、私の左手に自分の手を添え、そのままリオンと盟約した時傷をつけられた人差し指を親指の腹で撫でられる。
「恩赦に感謝いたします」
そういってリオンはあの時と同じように軽く私の人差し指に唇をあてた。
ヤバかった。いろんな意味でヤバかった。
リオン完全に扉が開いてない?
本は早めに作ってしまいたいからリオンに何回か会いたいけれど、あれはしばらく日を置かないとダメだ。
リオンがM なことはいい。
問題は知らず知らずのうちに女王様のように振る舞いつつある私の方だ。ますます婚期が遠のいてしまうじゃないの!!
184
お気に入りに追加
13,594
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。