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第23話 本物の君が悩む
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絶対、さっきのユウの電話のせいだと思う。
スマホにはショウの名前が出てるけれど、どうしよう。なんて言えばいいんだと悶々として電話に出るのを躊躇する。
でも、ここで出なかったら家に押し掛けてくる可能性が0ではないことで、私は観念した。
「さっきの話なら終わったでしょ」
私のほうからラインの話はもうおしまいって態度をしてみる。
「終わってません!」
私の第一声をショウはぶった切る。
「今度は何?」
「好きになっちゃってたらどうしよう……」
はい、ユウでの電話でフォロー作戦しっかりと失敗してました。
「もう、そういうのは私じゃなくて彼女に言いなさいよ。めんどくさいなぁ」
「言えないからここで発散してる。余裕ないとか思われたくない、けどあんなのが職場にいるとか反則」
確かに、あのレベルが一緒の空間をうろうろしていたら確かにヤバイ。
「私にも余裕がないとか思われたくないショウの一面を見せてほしいんだけど」
「今さら過ぎてユウキにわざわざ取り繕う必要性が思いつかない」
私のお願いは、あっさりと却下される。
「男友達に相談すればいいじゃん」
「女の気持ちは女のほうがわかるかも知れないし……」
「なんで今日は女の枠に私をいれてくるのよ」
その後も心配だという話が長々と続く。こんなに余裕がないショウを見たことがなかった。
まぁ恋愛で浮かれてるところすら、ここ最近初めて見始めたんだけど……
これ、彼女さん実は私でしたってばれてしまったら本当にまずいぞと今さらながら震える。
どうにかこうにかなだめすかして電話を切った。
めんどいという気持ちは実のところない、ウソの私も私なわけで、私への嫉妬の話をきくのが恥ずかしいのが一番電話を切りたい理由なのに、ショウは私に結構赤裸々に語るものだから何とも言えない気持ちになる。
こういう時はリサ姉である。
『リサ姉~』
『はいはい、今日はどうした。バイトどうだった? 何か嫌なことあった?』
『バイトは絶好調でした、玲さんのこと先に言っておいてくださいよ。あれはヤバい』
『玲ヤバいっしょ。もう、ほんとあそこまで完璧に仕上がっちゃうと、なぜ女で産まれてしまってたのか惜しくなるよね~。玲からもユウちゃんは事情をしってるから気楽って来てたよ。できれば夏休み終わってからも忙しい土日だけでも出てくれると助かるって』
面白がってるスタンプがいくつも送られてくる。
そんなこんなでショウが気にしている中、ユウのバイトは続行。
そして、ユウキのほうについに、紹介されただろう男の子からラインが来たのだ。
正直なことを言おう、ユウのほうはおしゃれして女の子らしくしている。
モテる服とか男性受けのいい髪型とか意識してウィッグ買ってるし。
なぜ、ユウではなくユウキのほうにわざわざ紹介を望んだのかが気になる。
ショウが好きにならなかった私と話したいと言ってくれた人。
それが私が好きな男が私に紹介してきた男の子ハルトだった。
ハルトのことは知っている。ショウといつもつるんでるグループの一人である。顔は知っている、あんまり話したことはないけれど。
だから、間違いなくハルトはユウキの容姿を知っていて、その上で私に声をかけているのだ。からかっているのだろうか? とも思う。
実際紹介するにあたって、ショウもそれが心配でこじれたらとかの相談をユウのほうにしてきたのだと思う。
なんだか、ややこしくなってきたぞと自分のせいなのに思う。
最初に送られてきたのは簡単な自己紹介だった。そしてショウといつも一緒にいるし何回か話したことがあるけれどわかるか? ということだった。
もちろん知っている。
中学は違って、高校でショウが仲良くなった子である。帰宅部の私とショウとは違い運動部にはいってたはず……何かまでは知らないけれど。
度々、部活で呼び出されたりしてるのも知っているし、これは私案外相手のことを知ってるかもしれない。
ユウキとして返す、ジャンプの話やモンハンの話とか話題を振ってみる。ハルトもやっているようで割ともりあがって今度ショウも誘って3人で狩りに行こうということになった。
いい人そうである。
そして思う、この人の前ではショウの時と違って友達でいようと無理する必要はない。
少し化粧をしておしゃれした状態で会って、それで何か思っていたのと違うと拒絶されたら拒絶された時である。
これが、相手を好きか好きじゃないかの大きな違い。
ハルトのほうから、ショウに狩りについては言っておいてくれるらしくてその日はラインが終了した。
それからしばらくしてユウのほうにショウからラインが入った。
『幼馴染と紹介した友達が俺んちで一緒にゲームをすることになったんだけど……気まずそうだからユウちゃんも来ない?』
いや、私は一人しかいないから、ユウキで参加するならユウでは参加できない。でも、そう言って断るわけにはいかない。
これ幸いとバイトを理由に断ると、バイトのシフトがない日にと言われかねないから……
『会ったことない人だし、緊張しちゃうからできれば……遠慮したいな』
やんわりハッキリ言うに限る。
私がそう送ると返事はすぐに来た。
『そうだよね。気使っちゃうよね。突然こんなこといってごめん。ちょっとてんぱってて……』
『何かあったら話は聞くから言ってね。ごめんね断っちゃって』
そんな感じで終わった。
スマホにはショウの名前が出てるけれど、どうしよう。なんて言えばいいんだと悶々として電話に出るのを躊躇する。
でも、ここで出なかったら家に押し掛けてくる可能性が0ではないことで、私は観念した。
「さっきの話なら終わったでしょ」
私のほうからラインの話はもうおしまいって態度をしてみる。
「終わってません!」
私の第一声をショウはぶった切る。
「今度は何?」
「好きになっちゃってたらどうしよう……」
はい、ユウでの電話でフォロー作戦しっかりと失敗してました。
「もう、そういうのは私じゃなくて彼女に言いなさいよ。めんどくさいなぁ」
「言えないからここで発散してる。余裕ないとか思われたくない、けどあんなのが職場にいるとか反則」
確かに、あのレベルが一緒の空間をうろうろしていたら確かにヤバイ。
「私にも余裕がないとか思われたくないショウの一面を見せてほしいんだけど」
「今さら過ぎてユウキにわざわざ取り繕う必要性が思いつかない」
私のお願いは、あっさりと却下される。
「男友達に相談すればいいじゃん」
「女の気持ちは女のほうがわかるかも知れないし……」
「なんで今日は女の枠に私をいれてくるのよ」
その後も心配だという話が長々と続く。こんなに余裕がないショウを見たことがなかった。
まぁ恋愛で浮かれてるところすら、ここ最近初めて見始めたんだけど……
これ、彼女さん実は私でしたってばれてしまったら本当にまずいぞと今さらながら震える。
どうにかこうにかなだめすかして電話を切った。
めんどいという気持ちは実のところない、ウソの私も私なわけで、私への嫉妬の話をきくのが恥ずかしいのが一番電話を切りたい理由なのに、ショウは私に結構赤裸々に語るものだから何とも言えない気持ちになる。
こういう時はリサ姉である。
『リサ姉~』
『はいはい、今日はどうした。バイトどうだった? 何か嫌なことあった?』
『バイトは絶好調でした、玲さんのこと先に言っておいてくださいよ。あれはヤバい』
『玲ヤバいっしょ。もう、ほんとあそこまで完璧に仕上がっちゃうと、なぜ女で産まれてしまってたのか惜しくなるよね~。玲からもユウちゃんは事情をしってるから気楽って来てたよ。できれば夏休み終わってからも忙しい土日だけでも出てくれると助かるって』
面白がってるスタンプがいくつも送られてくる。
そんなこんなでショウが気にしている中、ユウのバイトは続行。
そして、ユウキのほうについに、紹介されただろう男の子からラインが来たのだ。
正直なことを言おう、ユウのほうはおしゃれして女の子らしくしている。
モテる服とか男性受けのいい髪型とか意識してウィッグ買ってるし。
なぜ、ユウではなくユウキのほうにわざわざ紹介を望んだのかが気になる。
ショウが好きにならなかった私と話したいと言ってくれた人。
それが私が好きな男が私に紹介してきた男の子ハルトだった。
ハルトのことは知っている。ショウといつもつるんでるグループの一人である。顔は知っている、あんまり話したことはないけれど。
だから、間違いなくハルトはユウキの容姿を知っていて、その上で私に声をかけているのだ。からかっているのだろうか? とも思う。
実際紹介するにあたって、ショウもそれが心配でこじれたらとかの相談をユウのほうにしてきたのだと思う。
なんだか、ややこしくなってきたぞと自分のせいなのに思う。
最初に送られてきたのは簡単な自己紹介だった。そしてショウといつも一緒にいるし何回か話したことがあるけれどわかるか? ということだった。
もちろん知っている。
中学は違って、高校でショウが仲良くなった子である。帰宅部の私とショウとは違い運動部にはいってたはず……何かまでは知らないけれど。
度々、部活で呼び出されたりしてるのも知っているし、これは私案外相手のことを知ってるかもしれない。
ユウキとして返す、ジャンプの話やモンハンの話とか話題を振ってみる。ハルトもやっているようで割ともりあがって今度ショウも誘って3人で狩りに行こうということになった。
いい人そうである。
そして思う、この人の前ではショウの時と違って友達でいようと無理する必要はない。
少し化粧をしておしゃれした状態で会って、それで何か思っていたのと違うと拒絶されたら拒絶された時である。
これが、相手を好きか好きじゃないかの大きな違い。
ハルトのほうから、ショウに狩りについては言っておいてくれるらしくてその日はラインが終了した。
それからしばらくしてユウのほうにショウからラインが入った。
『幼馴染と紹介した友達が俺んちで一緒にゲームをすることになったんだけど……気まずそうだからユウちゃんも来ない?』
いや、私は一人しかいないから、ユウキで参加するならユウでは参加できない。でも、そう言って断るわけにはいかない。
これ幸いとバイトを理由に断ると、バイトのシフトがない日にと言われかねないから……
『会ったことない人だし、緊張しちゃうからできれば……遠慮したいな』
やんわりハッキリ言うに限る。
私がそう送ると返事はすぐに来た。
『そうだよね。気使っちゃうよね。突然こんなこといってごめん。ちょっとてんぱってて……』
『何かあったら話は聞くから言ってね。ごめんね断っちゃって』
そんな感じで終わった。
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