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第2話 ウソの私はワッフルをむさぼる
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一分一秒でもショウの目の前から消えようと、ハンカチを鞄にしまうことをせず握りしめたまま走り出した私の頭の中は。
捕まったら終わるってことでいっぱいだった。
焦る気持ちが、このメイクにたどり着くまでのリサ姉とのやり取りを、まるで走馬灯のように思い出させる。
「お化粧をするときは、具体的なイメージが重要よ」
「イメージですか?」
「そうそう、モノマネメイクが一番わかりやすいかな。明確なお手本の顔があれば、寄せるためにどうすればいいか考えやすいじゃない。だからユウキちゃんの理想の女の子の顔をしっかりイメージしてからメイクするのが一番いいと思うわ」
理想と簡単に言われるけれど、学校ではちっとも女の子らしさを見せなかった私、いつか女の子らしいかっこをしたいと漠然と思っていたけど。
私の理想の女の子像は漠然とし過ぎていてどうしていいか余計にわからなくなる。
「あんまり難しく考えなくていいんだって、芸能人のあの子に似せようとか……あっ、ユウキちゃんの幼馴染のイケメン……ショウ君だっけ? その子と女の子のタイプについての話したことない?」
「えっ……」
そういえば、この長い付き合いでなんとなくこの芸能人可愛いとかくらいは何人か聞いたことがある。
そう思ったのが私の顔に出ていたのだとおもう、リサ姉が私を指さすとこう言った。
「なら、簡単じゃない。免許皆伝は幼馴染君の理想の女の子に変身すること!」
語尾に☆がキラッと飛ぶほどのテンションでリサ姉に軽く言われてしまった。
髪は長いほうがいいわよね、目は二重でぱっちりとしていて、まつ毛は長く。
鼻筋はスッとさせよう。
曖昧なイメージを少しずつメイクすることで反映していく。いつもの自分が全く違う自分になるこの瞬間がとても面白くて私は熱中した。
何回もやりなおして試行錯誤した、ショウの理想ぽい女の子になるために。
走りすぎて苦しい、でもできるだけ早くショウの近くから離れないと。
「ちょっと」
息が上がる中、私が絶対に聞き間違えないショウの声で呼びとめるかのように声がかけられたのだ。
嘘!? なんで私のこと追いかけてきてるの? 意味がわからない。
ハンカチは間違いなく今私が握りしめまくっている。
なのに追いかけてきている……ということは、もしかして私ってばれた?
いやいや、そんなことはない。自分で言うのもだけど、今の私は完全に別人だもん。
追いかけてくる理由はわからないけれど、とにかく捕まってボロが出たらまずい。
着替えも入ってるからリュックが重い、でも私は今絶対に捕まるわけにはいかない。
私はショウの呼びかけを聞こえなかったことにした。
不幸中の幸い、ここは家の近所で私のホームみたいなもんだ。
そして、彼と私では今守るべきものが、あるかないかという大きな違いがある。
男女で身体能力に差がある? そうですね、でもね私は今絶対に負けられない戦いの最中なの!
夏コミに向けて体力づくりしておいてよかった。
マップをいかに効率よく回るかのために、走ってはいけないけど早足での移動のために無駄にランニングとかしておいて本当によかった。
私はギアをトップスピードにぶっこんで、後ろを振り向かず一直線に走った。
私がこれほど早く走り出すとは想定していなかったためショウが動くのが遅れたようだった。
よっしゃいける!!!!!
私は袋小路とわかっている道にあえて向かった。
「おかしい、どっちにいった?」
計算通り私を見失ったようだ。同じく近所だからこそ、ショウはこの先は袋小路のはずだからと油断して走るスピードを緩めたのだろう。
甘いぜ、ちょろいぜ、ちょろあ……っておなじみのセリフがついつい心の中でこぼれる。
HAHAHA、正解は共働きの井上さん家の塀の内側でした。
ご近所さんの仕事のこと把握しててよかった。そして不法侵入ごめんなさい井上さん。
スニーカーでよかった、ほんとよかった。なれないヒールだったら確実に捕まるからの~私が誰か発覚のセットだったよコレ。
次は絶対家の近所では変装はしないし、変装中も念のため靴だけはスニーカーでいよう、絶対そうしよう! と強く決意した。
どうしよう、公園で着替える? 家のほうが近いし、まだ誰も帰ってきてないから家に戻ってから着替えたほうが安全かな。
そっと様子をうかがって、ショウが戻ってくる前に家にトンズラした。
鍵を開けて、自分の部屋に急いで引っ込む。マジでヤバかった。あっ、スカート吊っておかないとしわになるし、トップスもお母さんがいない間に手洗いして部屋干ししちゃおう。
とりあえず部屋着に着替えてメイクを落とす。ホント気をつけよう。危なかった。
ばれてないよね? 話したのも少なかったし、今日のアリバイを聞かれたらどうするか考えておこう。
なんてメイクして出歩くのを控えようってことも考えましたよ、うん。
ご近所でばったり遭遇事件があったからさ。でもね、食べたくなっちゃったのSNS映えするっていう盛りまくられたワッフルを。
駄目だとわかっていたけれど、一度こうなったら今の私は止まらない。
だって、甘いのってなんか女の子らしくて誕生日のときくらいしかケーキとか食べれなかったんだもん。私甘党だし。
この姿になってから私の我慢というタガが外れた。
より逃げれるようにランニングもいつもよりも頑張った。だからご褒美が欲しいの。
それに、ショウのほうは気がついてないに違いない。
私にラインは来てるけれど、近所で会ったのお前? とかではなく、今週のジャンプの話だしさ。
小さなトランクに今日の服とメイクポーチを詰め込む。いざ出陣である。
駅前のデパートのトイレにはいる。
ここっていつもメイクするところ綺麗だし椅子もあっていいんだよね。こんなこと考えるようになるだなんてリサ姉に出会う前は考えたこともなかったよ。
顔の作成もなれれば詐欺メイクでも早いもんだ、15分ほどでぱぱっと完成である。
あとは、トイレの中にストッキング変える台があるから、すいてるのを確認してからちゃちゃっと着替えちゃう。
見事ビフォーアフターの完成である。自分で言うのもだけど、化粧って怖い。すっぴんを見ないと信じられないという男性の気持ちが今はわかる、ウソの私とホンモノの私の差半端ないもん。
顔面詐欺罪とかあれば私は逮捕されてしまう。
よし、いざ出陣である。
お金は限られている。化粧品のこともあるから使える上限きまってるし、服も欲しいし。どれが一番いいやつなのかと意気込んでいたけれど、注文してから気がついた。
一人で来ている客が私くらいだということに、皆ここ単独でこない系の店だったの?
ヤラかした……次はリサ姉誘おう、でもリサ姉気前いいからこんなところ誘うと社会人だからって少し多めに払ってくれるから悪いんだよなぁ。
○○の絵でお礼はいいからっていつも言ってくるけど、わるいし。
せっかく高いお金出したのに、周りが気になった私は慌てて食べてしまった。
私のばかたれである。ワッフル1300円が私の頭の中をグルグルと回る、大奮発だったのに、1300円あったら、近所のケーキ屋さんの一番安いやつなら4個は食べれたのに。しょんぼりとした足取りになってしまう。
駅までトランクとりに行かないと、トランク預けるのもタダじゃないんだよなぁ……
ここ通学と関係がない路線だから、定期ないから電車代もかかるし。
今日は二駅分は歩いてお金を少しでも浮かせよう。
そんなことを考えながら歩いていると声をかけられたのだ。
今日は落し物なんかしてないと思うけれど? という私がそれがナンパであるということに気づくのには時間がかかった。
「あの、私もう帰るのでごめんなさい」
すぐに断らなかったためだろうか、断っても男が引かないのだ。
こんなときどうすればいいの? 想定してなかったというか、初めてでどうしていいかわからない。
「いいじゃん、お茶飲むだけさ」
男がついに私の手首を掴んだのだ。
あっ、ヤバいやつだ。
「いや、ほんとごめんなさい」
周りを見渡してみるけれど、案外困ってても皆助けてなんかくれないものであることを実感しただけだった。
「すみません、ツレなんでやめてもらえます?」
やっぱり怖くてちょっと泣きそうになっていたときだった。バッチリのタイミングで一番会いたくない人が、私を救ったのだ。
捕まったら終わるってことでいっぱいだった。
焦る気持ちが、このメイクにたどり着くまでのリサ姉とのやり取りを、まるで走馬灯のように思い出させる。
「お化粧をするときは、具体的なイメージが重要よ」
「イメージですか?」
「そうそう、モノマネメイクが一番わかりやすいかな。明確なお手本の顔があれば、寄せるためにどうすればいいか考えやすいじゃない。だからユウキちゃんの理想の女の子の顔をしっかりイメージしてからメイクするのが一番いいと思うわ」
理想と簡単に言われるけれど、学校ではちっとも女の子らしさを見せなかった私、いつか女の子らしいかっこをしたいと漠然と思っていたけど。
私の理想の女の子像は漠然とし過ぎていてどうしていいか余計にわからなくなる。
「あんまり難しく考えなくていいんだって、芸能人のあの子に似せようとか……あっ、ユウキちゃんの幼馴染のイケメン……ショウ君だっけ? その子と女の子のタイプについての話したことない?」
「えっ……」
そういえば、この長い付き合いでなんとなくこの芸能人可愛いとかくらいは何人か聞いたことがある。
そう思ったのが私の顔に出ていたのだとおもう、リサ姉が私を指さすとこう言った。
「なら、簡単じゃない。免許皆伝は幼馴染君の理想の女の子に変身すること!」
語尾に☆がキラッと飛ぶほどのテンションでリサ姉に軽く言われてしまった。
髪は長いほうがいいわよね、目は二重でぱっちりとしていて、まつ毛は長く。
鼻筋はスッとさせよう。
曖昧なイメージを少しずつメイクすることで反映していく。いつもの自分が全く違う自分になるこの瞬間がとても面白くて私は熱中した。
何回もやりなおして試行錯誤した、ショウの理想ぽい女の子になるために。
走りすぎて苦しい、でもできるだけ早くショウの近くから離れないと。
「ちょっと」
息が上がる中、私が絶対に聞き間違えないショウの声で呼びとめるかのように声がかけられたのだ。
嘘!? なんで私のこと追いかけてきてるの? 意味がわからない。
ハンカチは間違いなく今私が握りしめまくっている。
なのに追いかけてきている……ということは、もしかして私ってばれた?
いやいや、そんなことはない。自分で言うのもだけど、今の私は完全に別人だもん。
追いかけてくる理由はわからないけれど、とにかく捕まってボロが出たらまずい。
着替えも入ってるからリュックが重い、でも私は今絶対に捕まるわけにはいかない。
私はショウの呼びかけを聞こえなかったことにした。
不幸中の幸い、ここは家の近所で私のホームみたいなもんだ。
そして、彼と私では今守るべきものが、あるかないかという大きな違いがある。
男女で身体能力に差がある? そうですね、でもね私は今絶対に負けられない戦いの最中なの!
夏コミに向けて体力づくりしておいてよかった。
マップをいかに効率よく回るかのために、走ってはいけないけど早足での移動のために無駄にランニングとかしておいて本当によかった。
私はギアをトップスピードにぶっこんで、後ろを振り向かず一直線に走った。
私がこれほど早く走り出すとは想定していなかったためショウが動くのが遅れたようだった。
よっしゃいける!!!!!
私は袋小路とわかっている道にあえて向かった。
「おかしい、どっちにいった?」
計算通り私を見失ったようだ。同じく近所だからこそ、ショウはこの先は袋小路のはずだからと油断して走るスピードを緩めたのだろう。
甘いぜ、ちょろいぜ、ちょろあ……っておなじみのセリフがついつい心の中でこぼれる。
HAHAHA、正解は共働きの井上さん家の塀の内側でした。
ご近所さんの仕事のこと把握しててよかった。そして不法侵入ごめんなさい井上さん。
スニーカーでよかった、ほんとよかった。なれないヒールだったら確実に捕まるからの~私が誰か発覚のセットだったよコレ。
次は絶対家の近所では変装はしないし、変装中も念のため靴だけはスニーカーでいよう、絶対そうしよう! と強く決意した。
どうしよう、公園で着替える? 家のほうが近いし、まだ誰も帰ってきてないから家に戻ってから着替えたほうが安全かな。
そっと様子をうかがって、ショウが戻ってくる前に家にトンズラした。
鍵を開けて、自分の部屋に急いで引っ込む。マジでヤバかった。あっ、スカート吊っておかないとしわになるし、トップスもお母さんがいない間に手洗いして部屋干ししちゃおう。
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ばれてないよね? 話したのも少なかったし、今日のアリバイを聞かれたらどうするか考えておこう。
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ご近所でばったり遭遇事件があったからさ。でもね、食べたくなっちゃったのSNS映えするっていう盛りまくられたワッフルを。
駄目だとわかっていたけれど、一度こうなったら今の私は止まらない。
だって、甘いのってなんか女の子らしくて誕生日のときくらいしかケーキとか食べれなかったんだもん。私甘党だし。
この姿になってから私の我慢というタガが外れた。
より逃げれるようにランニングもいつもよりも頑張った。だからご褒美が欲しいの。
それに、ショウのほうは気がついてないに違いない。
私にラインは来てるけれど、近所で会ったのお前? とかではなく、今週のジャンプの話だしさ。
小さなトランクに今日の服とメイクポーチを詰め込む。いざ出陣である。
駅前のデパートのトイレにはいる。
ここっていつもメイクするところ綺麗だし椅子もあっていいんだよね。こんなこと考えるようになるだなんてリサ姉に出会う前は考えたこともなかったよ。
顔の作成もなれれば詐欺メイクでも早いもんだ、15分ほどでぱぱっと完成である。
あとは、トイレの中にストッキング変える台があるから、すいてるのを確認してからちゃちゃっと着替えちゃう。
見事ビフォーアフターの完成である。自分で言うのもだけど、化粧って怖い。すっぴんを見ないと信じられないという男性の気持ちが今はわかる、ウソの私とホンモノの私の差半端ないもん。
顔面詐欺罪とかあれば私は逮捕されてしまう。
よし、いざ出陣である。
お金は限られている。化粧品のこともあるから使える上限きまってるし、服も欲しいし。どれが一番いいやつなのかと意気込んでいたけれど、注文してから気がついた。
一人で来ている客が私くらいだということに、皆ここ単独でこない系の店だったの?
ヤラかした……次はリサ姉誘おう、でもリサ姉気前いいからこんなところ誘うと社会人だからって少し多めに払ってくれるから悪いんだよなぁ。
○○の絵でお礼はいいからっていつも言ってくるけど、わるいし。
せっかく高いお金出したのに、周りが気になった私は慌てて食べてしまった。
私のばかたれである。ワッフル1300円が私の頭の中をグルグルと回る、大奮発だったのに、1300円あったら、近所のケーキ屋さんの一番安いやつなら4個は食べれたのに。しょんぼりとした足取りになってしまう。
駅までトランクとりに行かないと、トランク預けるのもタダじゃないんだよなぁ……
ここ通学と関係がない路線だから、定期ないから電車代もかかるし。
今日は二駅分は歩いてお金を少しでも浮かせよう。
そんなことを考えながら歩いていると声をかけられたのだ。
今日は落し物なんかしてないと思うけれど? という私がそれがナンパであるということに気づくのには時間がかかった。
「あの、私もう帰るのでごめんなさい」
すぐに断らなかったためだろうか、断っても男が引かないのだ。
こんなときどうすればいいの? 想定してなかったというか、初めてでどうしていいかわからない。
「いいじゃん、お茶飲むだけさ」
男がついに私の手首を掴んだのだ。
あっ、ヤバいやつだ。
「いや、ほんとごめんなさい」
周りを見渡してみるけれど、案外困ってても皆助けてなんかくれないものであることを実感しただけだった。
「すみません、ツレなんでやめてもらえます?」
やっぱり怖くてちょっと泣きそうになっていたときだった。バッチリのタイミングで一番会いたくない人が、私を救ったのだ。
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