23 / 41
私と恋
第8話 恋愛の仕方
しおりを挟む
だって、そうだもん。
私が男でどっちかに声をかけるとしたら、どう考えても私じゃなくて古屋さんにダメもとで行くもん。
慰められ待ちをしたいわけじゃないけれど、面倒な人の顔してると思う。
そんなんことないよ~とか口先だけのことを言わせてしまうんだろうなと思う私とは正反対のことが起こったのだ。
「石井ちゃんは、恋愛の仕方を知らないだけ」
ぽんっと私の肩に手を置く古屋さんの目はこれまでにないほどキラキラに光り輝いていた。
「え?」
励ます顔ではなくて、どう考えても面白い物をみつけたような、子供がおもちゃ手に入れちゃったみたいなそういうキラッキラの今まで見たことない表情だった。
ヨッシー先輩と思わぬ再開をした衝撃ですっかりと忘れてしまっていたけれど。
私は恋愛をするために自分磨きをする予定だった。
本来の目的なんかすっかりと忘れてしまっていて、そういえば買った化粧品はまだ袋に入ったままだ。
というか、古屋さんに相談したかったけれど。
流石に私にどうやったら彼氏ができると思うか……なんてことは聞けなくて、自分でやろうとしていただけで。
結果として古屋さんがもしアドバイスをしてくれるならば、それに越したことはないわけで。
結果オーライだわ。
「恋愛ってやり方を知っているかどうかで全然違うの」
ちょっと小悪魔な顔で古屋さんが笑った。
「やり方を知っているかどうか?」
ゴクリと私は唾を飲み込んだ。
そうそうこれである。
私はいつもと違ってちょっと小悪魔的で得意げな古屋さんに、ドキドキしてしまう。
「石井さんとはお互いの交遊関係がかぶっているわけでもないから、教えてもライバルにならないからね」
個人的に私とあまり差がないと思う朋ちゃんに彼氏が高校生の間にできて、私にできない理由は。
この私の知らなかった恋愛のやり方ってのがあるのだと思う。
彼氏がいる人は周りにいたし、私自身彼氏ほしいってことは友達にいったり、恋愛相談をしてきたけれど。
今までなんていうか、これすれば彼氏できるみたいな具体的な攻略法みたいなのを教えてもらったことは一度すらなかった。
でも古屋さんといたことで私は気が付いていた。
周りは普通教えてくれないけれど、自分がより楽しくなるようにとか、生きやすくなるようにする行動ってのがあるってことを!
例えばさっきまで悩んでいたヨッシー先輩とリリコちゃんのようにバイト先がよくないぞってなったときに、いまいちなバイト先でずるずると頑張らずに。
それらしい理由を周りにいって、さっさと見切ってやめて。
別の楽しいバイトを探して働いたほうがずっといいこととか。
一緒にいたらつまらないな、こういうところがよくないなって友達とは、やんわりうまいこと疎遠にするとか。
見切りをつけて、うまいこと別のグループに移動するとか……ね。
教えてくれないけれど、絶対やったほうが生きやすくなることがたぶん沢山あって。
気が付く人は、それを使って楽をするけれど。
小さい子には皆仲良くしましょうという手前、大人になったら付き合う人は選びましょうって大々的にいうわけにいかないし。
おかしいところはとっとと見切りをつけましょうとかあまり大々的に言うべきことじゃないから、気が付かない子は前の私みたいに気が付かないままずっと我慢して生きていくはめになる。
恋愛だってもし有利にことを勧められる攻略法を私が知っていたとして。
それをもし広めてしまえば最後、今まで攻略法を使ってないからうまくいかなかった子たちがライバルになるに決まっている
幸い私と古屋さんは、元バイト先を通じて知り合ってたまにご飯を一緒に食べに行ったり、今みたくたまに話をするだけで。
交友関係が全くかぶっていない。
古屋さんとこうして遊んだり相談できることがイレギュラーであり、本来私は古屋さんみたいなタイプと友達になる子じゃないもん。
でもそれがよかった。
私はどうやら、まったく予想もつかなかった恋愛のやり方を学べるのだから。
「もし、もしだよ。私がそのやり方を知ったら、ヨッシー先輩と付き合えたり?」
「うーん、それは流石に格上だから微妙だけど。恋愛のやり方を知っていると、告白するタイミングを間違えることはなくなるかな」
「告白するタイミングって……相手に彼女がいるとき、資格の試験とか勉強のことで忙しい時をさけるとかじゃないの?」
「えっとね。どっちの告白が成功しそう? ①二人で何度か遊びにいった子 ②彼を遊びに誘ったけれどいつも断られてしまう子」
「それは①番」
「正解。一緒に遊ぶことも断ってくる相手なんだから②番の子は告白しなくても、デートすらしてくれないんだから、告白してうまくいくわけないってわかるでしょう」
古屋さんは大事な話と言わんばかりに口元に人差し指を当てて声を潜めて話を続けてた。
「告白は基本1回だけ。しかも振られちゃったらそれでおしまい。だからより成功率が高い時に告白するってことが大事なの。だから一緒に遊んでいたのに個別の連絡先の交換すらできてない石井さんが、今いきなりヨッシー先輩の前にあらわれて告白するとどうなるでしょうか!」
「連絡先の交換すらしてない相手なんだから。相手は付き合おうと思っているはずないし、ふられ……る?」
「大正解」
私が男でどっちかに声をかけるとしたら、どう考えても私じゃなくて古屋さんにダメもとで行くもん。
慰められ待ちをしたいわけじゃないけれど、面倒な人の顔してると思う。
そんなんことないよ~とか口先だけのことを言わせてしまうんだろうなと思う私とは正反対のことが起こったのだ。
「石井ちゃんは、恋愛の仕方を知らないだけ」
ぽんっと私の肩に手を置く古屋さんの目はこれまでにないほどキラキラに光り輝いていた。
「え?」
励ます顔ではなくて、どう考えても面白い物をみつけたような、子供がおもちゃ手に入れちゃったみたいなそういうキラッキラの今まで見たことない表情だった。
ヨッシー先輩と思わぬ再開をした衝撃ですっかりと忘れてしまっていたけれど。
私は恋愛をするために自分磨きをする予定だった。
本来の目的なんかすっかりと忘れてしまっていて、そういえば買った化粧品はまだ袋に入ったままだ。
というか、古屋さんに相談したかったけれど。
流石に私にどうやったら彼氏ができると思うか……なんてことは聞けなくて、自分でやろうとしていただけで。
結果として古屋さんがもしアドバイスをしてくれるならば、それに越したことはないわけで。
結果オーライだわ。
「恋愛ってやり方を知っているかどうかで全然違うの」
ちょっと小悪魔な顔で古屋さんが笑った。
「やり方を知っているかどうか?」
ゴクリと私は唾を飲み込んだ。
そうそうこれである。
私はいつもと違ってちょっと小悪魔的で得意げな古屋さんに、ドキドキしてしまう。
「石井さんとはお互いの交遊関係がかぶっているわけでもないから、教えてもライバルにならないからね」
個人的に私とあまり差がないと思う朋ちゃんに彼氏が高校生の間にできて、私にできない理由は。
この私の知らなかった恋愛のやり方ってのがあるのだと思う。
彼氏がいる人は周りにいたし、私自身彼氏ほしいってことは友達にいったり、恋愛相談をしてきたけれど。
今までなんていうか、これすれば彼氏できるみたいな具体的な攻略法みたいなのを教えてもらったことは一度すらなかった。
でも古屋さんといたことで私は気が付いていた。
周りは普通教えてくれないけれど、自分がより楽しくなるようにとか、生きやすくなるようにする行動ってのがあるってことを!
例えばさっきまで悩んでいたヨッシー先輩とリリコちゃんのようにバイト先がよくないぞってなったときに、いまいちなバイト先でずるずると頑張らずに。
それらしい理由を周りにいって、さっさと見切ってやめて。
別の楽しいバイトを探して働いたほうがずっといいこととか。
一緒にいたらつまらないな、こういうところがよくないなって友達とは、やんわりうまいこと疎遠にするとか。
見切りをつけて、うまいこと別のグループに移動するとか……ね。
教えてくれないけれど、絶対やったほうが生きやすくなることがたぶん沢山あって。
気が付く人は、それを使って楽をするけれど。
小さい子には皆仲良くしましょうという手前、大人になったら付き合う人は選びましょうって大々的にいうわけにいかないし。
おかしいところはとっとと見切りをつけましょうとかあまり大々的に言うべきことじゃないから、気が付かない子は前の私みたいに気が付かないままずっと我慢して生きていくはめになる。
恋愛だってもし有利にことを勧められる攻略法を私が知っていたとして。
それをもし広めてしまえば最後、今まで攻略法を使ってないからうまくいかなかった子たちがライバルになるに決まっている
幸い私と古屋さんは、元バイト先を通じて知り合ってたまにご飯を一緒に食べに行ったり、今みたくたまに話をするだけで。
交友関係が全くかぶっていない。
古屋さんとこうして遊んだり相談できることがイレギュラーであり、本来私は古屋さんみたいなタイプと友達になる子じゃないもん。
でもそれがよかった。
私はどうやら、まったく予想もつかなかった恋愛のやり方を学べるのだから。
「もし、もしだよ。私がそのやり方を知ったら、ヨッシー先輩と付き合えたり?」
「うーん、それは流石に格上だから微妙だけど。恋愛のやり方を知っていると、告白するタイミングを間違えることはなくなるかな」
「告白するタイミングって……相手に彼女がいるとき、資格の試験とか勉強のことで忙しい時をさけるとかじゃないの?」
「えっとね。どっちの告白が成功しそう? ①二人で何度か遊びにいった子 ②彼を遊びに誘ったけれどいつも断られてしまう子」
「それは①番」
「正解。一緒に遊ぶことも断ってくる相手なんだから②番の子は告白しなくても、デートすらしてくれないんだから、告白してうまくいくわけないってわかるでしょう」
古屋さんは大事な話と言わんばかりに口元に人差し指を当てて声を潜めて話を続けてた。
「告白は基本1回だけ。しかも振られちゃったらそれでおしまい。だからより成功率が高い時に告白するってことが大事なの。だから一緒に遊んでいたのに個別の連絡先の交換すらできてない石井さんが、今いきなりヨッシー先輩の前にあらわれて告白するとどうなるでしょうか!」
「連絡先の交換すらしてない相手なんだから。相手は付き合おうと思っているはずないし、ふられ……る?」
「大正解」
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる