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オカルトボーイ 寺島 たくと
第7話 怪物による解決編
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パズルのピースは大体集まっている、後は足りないものをうめるだけ。
私は喫茶アジフライに、寺島たくとを通してあるお客さんを呼んでもらっていた。
そう、寺島たくとにこの先に行くなと警告をした小学5年生の男の子である。
寂びれた喫茶店にびくびくとした様子で彼は入ってきた。
年齢からすると小さいほうであろう彼は学校の帰りに寺島たくとに拉致されたようでランドセルに制服姿のまま喫茶アジフライの扉を初めてくぐった。
「いらっしゃいませ」
「姉ちゃん連れてきたぞ。これで本当に俺の呪いは解けるんだろうな」
「えぇ、これで寺島たくと君への呪いも、君の恐怖の日々も終わりがくるわ」
私はそういうと、今日はじめてきた男の子を指差した。
すでに葉山のじいさんはいつもの席でアイスブレンドを飲んでいた。
「もしもしおばさんって知ってる?」
男の子はビクッとして慌てて店から出ようとした。
「今逃げたら、あの幽霊に見つかるわよ」
そういうと男の子は、あの時の寺島たくと同様キョロキョロとあたりを見渡しながら一番奥の席に座ったのである。
寺島たくととともに、男の子は席に座った。
「名前は……名乗りたくないかな少年A」
私が名前を無理に聞き出そうとしないことがわかるとほっとしたのがわかる、素性がばれたくないのだろう。
「もう一度聞くわ、もしもしおばさんって知ってる?」
その問いに少年Aはうなずいた。
「最後のパズルがそろった。さぁ、この謎を解決して二人にかかった呪いをときましょう」
少年Aは呪いを解くという言葉にホッとしていたようだった。
もしもしおばさんの電話がこの街にかかりだしたのは、ちょうど少年Aが幽霊をみた次の日から起こった怪異だったそうだ。
すぐに、少年Aはもしもしおばさんが自分を探してるのではと思ったそうだ。
だから、なんで自分を探しているかはわからないけれどもうあの家の前は通れないと遠回りをして買えることにしていたそうだ。
「あの日何をみたか覚えてる?」
「喧嘩の声が聞こえただけ。女の人の声だったと思う。あの家の近くですごい形相の女の人と出くわしてビックリしてすぐに走って逃げたんだ。そしたら、それからしばらくして『もしもしおばさん』っていうこの街に住んでる子にしらみつぶしに電話をかけてるってことが学校の全校集会でわかって怖くなった」
何かその日にあったということか。
もう少しで事件が解けそうというときにそれは起こった。
「よし、もう大人に任せなさい。こういうことは覚えているとよくない忘れなさい。人に忘れ去られることでお化けの力は弱まるんだ」
葉山のじいさんはニッコリと笑うと、オレンジクリームを二人に振舞うように言った。
葉山のじいさんの一言は、子供を安心させるには十分だったそうだ。
それから3日後だった、「幽霊屋敷が解体されてるって!」と寺島たくとは喫茶アジフライに飛び込んできたのだ。
もしもしおばさんの電話ももう掛かってきてないし、呪いが本当に解けたと大喜びで寺島たくとは帰って行った。
私はカウンターにいつものように座る葉山のじいさんをちらりとみた。
「あの家で盛大な夫婦喧嘩があった日から、夫婦は喧嘩が絶えなかった。別れたい旦那さんと別れたくない奥さんの話は平行線だった。その日の話し合いは仕事を休んで平日行われていた。二人の生活の終わりの話。
その日浮気をした旦那さんは奥さんにめった刺しにされ殺された。人を殺して高ぶっていた彼女は声を聞いた目撃者がいないかと家から慌てて飛び出した。人を殺めてすぐの彼女はきっと少年Aには恐ろしい鬼のようなものに見えたのかもしれない。
庭があったし周りに家は建ってないから死体を庭に埋めることは出来たのはいいけれど、彼女の気がかりは事件を目撃したかもしれない学校の制服をきた少年のこと……。なぁんてね、これは一つの仮説、家が売りに出され解体された今はあそこに住んでいた奥さんがどこに行って、旦那さんがどこへ行ったかなんてわからないし、これから先知る機会はないだろうから、真相は闇の中だけどね」
そういって葉山のじいさんはアイスブレンドを飲む。
でも、私は知っている。
幽霊事件のために調べたのだ。
旦那さんは奥さんを捨て浮気相手のところに離婚届を置いて逃げたと近所で噂になっていること。
そして新興住宅のあたり一帯は、葉山のじいさんの土地だったそうだ。もしまだ売り切れてない土地で殺人事件が起きて、あまつさえ死体が庭に埋められていたとすれば誰が一番被害を被るのか……。
刺されて死んだではなく『めった刺し』と死体の状態を言い切った葉山のじいさん。
真相はあくまで闇の中でこれはあくまで私の推理にすぎない。
あの日、事件の真相へのピースがでそろったのはこの喫茶アジフライでこのすべてのピースを知っていたのは、オカルトボーイ寺島たくと少年と、喫茶アジフライの亭主である私、そしてたまたまあそこの土地の持ち主であった葉山の爺さんだけだったという話だ。
もちろん、その後解体したことで死体が出たという話も、家の中の状況の話も一つも出てない。
少しでも早くお金が欲しいっていうので更地にして元の持ち主に買い取られたという話しだけである。
その後少ししてから、元幽霊屋敷のあった場所は売り地となった。
あの幽霊屋敷で少年Aが見た幽霊の正体は、もしもしおばさんの目的は。その事件の真相すべては、暇だなぁなどという人の顔をして平気で一つの事件をなかったことにできる幽霊なんかよりももっと恐ろしい、生きている怪物に食われたのだ。
私は喫茶アジフライに、寺島たくとを通してあるお客さんを呼んでもらっていた。
そう、寺島たくとにこの先に行くなと警告をした小学5年生の男の子である。
寂びれた喫茶店にびくびくとした様子で彼は入ってきた。
年齢からすると小さいほうであろう彼は学校の帰りに寺島たくとに拉致されたようでランドセルに制服姿のまま喫茶アジフライの扉を初めてくぐった。
「いらっしゃいませ」
「姉ちゃん連れてきたぞ。これで本当に俺の呪いは解けるんだろうな」
「えぇ、これで寺島たくと君への呪いも、君の恐怖の日々も終わりがくるわ」
私はそういうと、今日はじめてきた男の子を指差した。
すでに葉山のじいさんはいつもの席でアイスブレンドを飲んでいた。
「もしもしおばさんって知ってる?」
男の子はビクッとして慌てて店から出ようとした。
「今逃げたら、あの幽霊に見つかるわよ」
そういうと男の子は、あの時の寺島たくと同様キョロキョロとあたりを見渡しながら一番奥の席に座ったのである。
寺島たくととともに、男の子は席に座った。
「名前は……名乗りたくないかな少年A」
私が名前を無理に聞き出そうとしないことがわかるとほっとしたのがわかる、素性がばれたくないのだろう。
「もう一度聞くわ、もしもしおばさんって知ってる?」
その問いに少年Aはうなずいた。
「最後のパズルがそろった。さぁ、この謎を解決して二人にかかった呪いをときましょう」
少年Aは呪いを解くという言葉にホッとしていたようだった。
もしもしおばさんの電話がこの街にかかりだしたのは、ちょうど少年Aが幽霊をみた次の日から起こった怪異だったそうだ。
すぐに、少年Aはもしもしおばさんが自分を探してるのではと思ったそうだ。
だから、なんで自分を探しているかはわからないけれどもうあの家の前は通れないと遠回りをして買えることにしていたそうだ。
「あの日何をみたか覚えてる?」
「喧嘩の声が聞こえただけ。女の人の声だったと思う。あの家の近くですごい形相の女の人と出くわしてビックリしてすぐに走って逃げたんだ。そしたら、それからしばらくして『もしもしおばさん』っていうこの街に住んでる子にしらみつぶしに電話をかけてるってことが学校の全校集会でわかって怖くなった」
何かその日にあったということか。
もう少しで事件が解けそうというときにそれは起こった。
「よし、もう大人に任せなさい。こういうことは覚えているとよくない忘れなさい。人に忘れ去られることでお化けの力は弱まるんだ」
葉山のじいさんはニッコリと笑うと、オレンジクリームを二人に振舞うように言った。
葉山のじいさんの一言は、子供を安心させるには十分だったそうだ。
それから3日後だった、「幽霊屋敷が解体されてるって!」と寺島たくとは喫茶アジフライに飛び込んできたのだ。
もしもしおばさんの電話ももう掛かってきてないし、呪いが本当に解けたと大喜びで寺島たくとは帰って行った。
私はカウンターにいつものように座る葉山のじいさんをちらりとみた。
「あの家で盛大な夫婦喧嘩があった日から、夫婦は喧嘩が絶えなかった。別れたい旦那さんと別れたくない奥さんの話は平行線だった。その日の話し合いは仕事を休んで平日行われていた。二人の生活の終わりの話。
その日浮気をした旦那さんは奥さんにめった刺しにされ殺された。人を殺して高ぶっていた彼女は声を聞いた目撃者がいないかと家から慌てて飛び出した。人を殺めてすぐの彼女はきっと少年Aには恐ろしい鬼のようなものに見えたのかもしれない。
庭があったし周りに家は建ってないから死体を庭に埋めることは出来たのはいいけれど、彼女の気がかりは事件を目撃したかもしれない学校の制服をきた少年のこと……。なぁんてね、これは一つの仮説、家が売りに出され解体された今はあそこに住んでいた奥さんがどこに行って、旦那さんがどこへ行ったかなんてわからないし、これから先知る機会はないだろうから、真相は闇の中だけどね」
そういって葉山のじいさんはアイスブレンドを飲む。
でも、私は知っている。
幽霊事件のために調べたのだ。
旦那さんは奥さんを捨て浮気相手のところに離婚届を置いて逃げたと近所で噂になっていること。
そして新興住宅のあたり一帯は、葉山のじいさんの土地だったそうだ。もしまだ売り切れてない土地で殺人事件が起きて、あまつさえ死体が庭に埋められていたとすれば誰が一番被害を被るのか……。
刺されて死んだではなく『めった刺し』と死体の状態を言い切った葉山のじいさん。
真相はあくまで闇の中でこれはあくまで私の推理にすぎない。
あの日、事件の真相へのピースがでそろったのはこの喫茶アジフライでこのすべてのピースを知っていたのは、オカルトボーイ寺島たくと少年と、喫茶アジフライの亭主である私、そしてたまたまあそこの土地の持ち主であった葉山の爺さんだけだったという話だ。
もちろん、その後解体したことで死体が出たという話も、家の中の状況の話も一つも出てない。
少しでも早くお金が欲しいっていうので更地にして元の持ち主に買い取られたという話しだけである。
その後少ししてから、元幽霊屋敷のあった場所は売り地となった。
あの幽霊屋敷で少年Aが見た幽霊の正体は、もしもしおばさんの目的は。その事件の真相すべては、暇だなぁなどという人の顔をして平気で一つの事件をなかったことにできる幽霊なんかよりももっと恐ろしい、生きている怪物に食われたのだ。
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