イディーラ学園の秘密部

碧猫 

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わんわん光線を調べよう

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 それにしても本当になんなんだろうこの光。

 調べても何も分からない。

 早く元に戻したいのに、全然何も分かんないってもどかしい。

「わんわんわん」
「星音、手がかりあった」
「わん⁉︎」

 どこどこどこ?そんなの見た感じなかったんだけど。
 やっぱり月華すごい。こんな何もなさそうなところから手がかりになりそうなものを見つけるなんて。

「……星音、これ字読めてる?」
「わん?わんわん?」

 外国語苦手だよ。外国語なんて読めないよ。

 ここ書いてあるの半分以上外国語だから。

 読めるわけないから。

「犬犬光線。みんな犬にしてやるぞ。犬になればわんとしか言えまい。そうすれば、誰もオレ様の聖地にいる恋人を奪おうと思うまい。もう二度とろくでなしから恋人を奪われてたまるもんか」
「……わん?」

 何この良く分かんない話。もしかしてこれがこの光線を作った動機なのかな。

「……いみんわうせろ?これ本当にただわんわん言うだけの光線なのかな?」
「わん?」

 いみんわうせろ?これどこからきたんだろう。

 いみん?

「一旦戻ろっか」
「わんわんわんわんわんわん‼︎」

 紀蝶ちゃんの事が心配だから、早く元に戻るようにしないと!

「そろそろお昼だから戻らないとお弁当なんて持ってきてないよ」
「わんわん」
「要らないじゃなくて、いいから戻るよ」

 そう言って無理やり調査はお開きにされた。

      ******

 寮に帰るとやっぱりまだ紀蝶ちゃんは見つかっていないみたい。
 他にもわんちゃん化した達がいなくなって見つかっていないみたい。

 やっぱり早く治す方法を見つけないと。

「わんわん」
「月零、叔父さんに報告しといてくれるか?」
「うん」
「俺と月零は一度家に帰るが、みんなはどうする?」
「ぼくも帰ります」
「私も帰るよ」
「僕は寮に残る。星音を一人にする事はできないから」
「わんわんわん」

 みんなが家に帰るって言う理由は分からないけど、あそこの書斎なら何か分かるかもしれないから私も帰る。

「……」
「わんわん」

 なんか蝶華家に帰りたくなさそうだから、調べる人でも必要だし誘ってみる。

「僕、星音の家で泊まる」

 一人よりは二人の方が調べるのも捗ると思う。それに、調べながらちゃんと話聞かせてもらうんだ。

 私だけ何が起きているのかって知らない状態だから。

「わんわんわん」
「ごめんね。あそこで話せなかったから。寮から出て星音の家に着いたら必ず話すよ」
「わんわん」

 約束だからね。

 調査の中止は少しもやもやするけど、でも今はそういう事は言わないでおく。

 きっと、何かあってそうしないとだったんだと思うから。
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