イディーラ学園の秘密部

碧猫 

文字の大きさ
上 下
41 / 51

寮帰り

しおりを挟む
 学園に帰ると誰もいなかった。もうみんな帰っているかも知れないって事で三人で寮に帰った。

「それにしても本当に良かったよ。星音が無事で」
「そうだな。無事で良かった」
「うん。ふぁぁぁぁ」

 安心したら疲れが出て眠くなってきた。まだ寮まで十分くらい歩かないといけないのに。それに宿題だって全部は終わっていないから帰ってやらないと。

 でも、ちょっと寝たい。

「眠い?」
「眠い」
「帰ったら少し寝る?」
「寝たら起きれそうにない」

 宿題もそうだけど夕食や入浴の時間に起きれなくて気づけば朝になっていたなんて事になりたくないから。

 夕食はまぁ仕方ないかなで済ませられるけど、入浴は絶対にしたい。仕方ないで済ませられないよ。

「星音、言い忘れてたけど部屋にあるお風呂直ったからいつでも入れるよ」
「直った?部屋にお風呂あるの?」
「うん。だからいつでも入る事できるよ」

 いつでも入れるんなら帰ってから寝ようかな。

「でも、宿題」
「明日祝日だぞ」
「祝日?……祝日⁉︎」

 眠すぎて祝日って言葉を忘れかけてた。
 そういえば明日は祝日なんだよね。

「月華、明日は星音の寝顔を見ながら勉強しよ」
「そうだな。じゃあ、勉強道具持って部屋に行く」
「うん」
「星音は寝てて良いからな」
「それ聞いて寝ているって言えないよ!」

 あっ、もうすぐ寮着く。ついでにもうすぐ日が暮れる。

「星音、もうすぐ寮に着くからがんばれー」
「がんばれー」
「頑張っているもん」

 あともう少し歩けば寮に着く。眠くてもう寝ちゃいそうだけどもう少しだけ頑張る。

「やっとついたー」
「星音、部屋までいける?」
「いけない」
「がんばれ」
「うん」

 あともう少し。寮にはついたから、部屋まで行くだけ。

 もい一踏ん張り頑張らないと。

「ベッドー」

 部屋について早々ベッドにダイブした。そのまま寝たら気持ちがいいだろうなぁ。でも、せめて制服だけは着替えないとシワがついて後が大変になっちゃうよ。

「蝶華、着替えたい」
「うん。これで良い?」
「ありがとう」

 初めはここで着替える事に躊躇いがあったけど、今ではなんの躊躇いもなく堂々と着替えている。

 蝶華がいる前で着替えるのは何も思わなくなったんだよね。慣れなのかな。

「これで寝れる」
「星音、制服ちゃんとしておかないと」
「あとでー」
「洗濯しておくから」
「お願いー」

 蝶華に制服洗濯してもらって、ベッドにまたダイブした。別にダイブしないといけないわけではないんだけど。

 でも、なんかベッドダイブって楽しいから。

 それにしてもすごい疲れているのかな。すぐに眠る事ができた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

声優召喚!

白川ちさと
児童書・童話
 星崎夢乃はいま売り出し中の、女性声優。  仕事があるって言うのに、妖精のエルメラによって精霊たちが暴れる異世界に召喚されてしまった。しかも十二歳の姿に若返っている。  ユメノは精霊使いの巫女として、暴れる精霊を鎮めることに。――それには声に魂を込めることが重要。声優である彼女には精霊使いの素質が十二分にあった。次々に精霊たちを使役していくユメノ。しかし、彼女にとっては仕事が一番。アニメもない異世界にいるわけにはいかない。  ユメノは元の世界に帰るため、精霊の四人の王ウンディーネ、シルフ、サラマンダー、ノームに会いに妖精エルメラと旅に出る。

キミに贈る星空ブレスレット

望月くらげ
児童書・童話
美琴はアクセサリーデザイナーを目指す中学一年生。 おじさんがやっているアクセサリーショップ「レインボー」で放課後の時間を過ごしている。 学校での生活が上手くいっていない美琴にとって「レインボー」で過ごす時間は唯一自分らしくいられる時間だった。 けれど、そんな「レインボー」に年上のバイトの男の子、瞬が入ってくる。 態度も口も悪い瞬の登場で、美琴は自分の大切な空間が壊されたように感じる。 そんな中、美琴はひょんなことから瞬が年をごまかしてバイトをしていることを知ってしまう。 高校一年生だと言っていた瞬は中学三年生だった。 嘘をついていることを黙っていろと言う瞬の気迫に押され了承してしまう美琴。 瞬のついた嘘が気になりながらも二人は少しずつ距離を縮めていき――。

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜アソコ編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとエッチなショートショートつめあわせ♡

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

宇宙人は恋をする!

山碕田鶴
児童書・童話
私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。 全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの? 中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉ (表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろう」様に感謝) 【第2回きずな児童書大賞】奨励賞を受賞しました。ありがとうございます。

黒帯ちゃんは、幼稚園の先生

未来教育花恋堂
児童書・童話
保育者はエプロン姿が常識です。でも、もし、エプロンを着けない保育者がいたら・・・。この物語の発想は、背が小さく、卵のようなとてもかわいい女子保育学生に出会い、しかも、黒帯の有段者とのこと。有段者になるには、資質や能力に加えて努力が必要です。現代の幼児教育における諸問題解決に一石を投じられる機会になるように、物語を作成していきます。この物語はフィクションです。登場する人物、団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。

takemot
児童書・童話
 薬草を採りに入った森で、魔獣に襲われた僕。そんな僕を助けてくれたのは、一人の女性。胸のあたりまである長い白銀色の髪。ルビーのように綺麗な赤い瞳。身にまとうのは、真っ黒なローブ。彼女は、僕にいきなりこう尋ねました。 「シチュー作れる?」  …………へ?  彼女の正体は、『森の魔女』。  誰もが崇拝したくなるような魔女。とんでもない力を持っている魔女。魔獣がわんさか生息する森を牛耳っている魔女。  そんな噂を聞いて、目を輝かせていた時代が僕にもありました。  どういうわけか、僕は彼女の弟子になったのですが……。 「うう。早くして。お腹がすいて死にそうなんだよ」 「あ、さっきよりミルク多めで!」 「今日はダラダラするって決めてたから!」  はあ……。師匠、もっとしっかりしてくださいよ。  子供っぽい師匠。そんな師匠に、今日も僕は振り回されっぱなし。  でも時折、大人っぽい師匠がそこにいて……。  師匠と弟子がおりなす不思議な物語。師匠が子供っぽい理由とは。そして、大人っぽい師匠の壮絶な過去とは。  表紙のイラストは大崎あむさん(https://twitter.com/oosakiamu)からいただきました。

美少女仮面とその愉快な仲間たち(一般作)

ヒロイン小説研究所
児童書・童話
未来からやってきた高校生の白鳥希望は、変身して美少女仮面エスポワールとなり、3人の子ども達と事件を解決していく。未来からきて現代感覚が分からない望みにいたずらっ子の3人組が絡んで、ややコミカルな一面をもった年齢指定のない作品です。

処理中です...