イディーラ学園の秘密部

碧猫 

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対談

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 今日は朝から月華と一緒にお父様に会いに行くの。

「月華、理事長室ってどこだっけ?」
「ここ真っ直ぐ……真っ直ぐ?」

 もうそろそろ理事長室についてもいい頃なのに全然つかない。

 道間違えたのかな。ってそんなはずはないよね。

「つかない」

 どれだけ歩いても理事長室につかないなんておかしくない?

「どうなってんの」
「……」
「お父様との約束の時間絶対過ぎてるよ」
「何も見えない。普段ならこういう時でも抜け道が見えるのに」

 これって出られないって事なのかな。お父様忙しいのに時間作ってくれてるんだから早く行かないとなのに。

 そういえばさっきから景色が変わらない気がする。いくら学園の廊下といっても、掲示板とか色々と違いはあるのに。

 ずっと同じ場所を歩いているのかな。

「星音、外暗い」
「えっ?今朝だよ?」
「でも、窓」
「本当だ。どうしてだろう」

 窓から外を見ると真っ暗なの。でも、ここに来るまでは朝で明るかったんだよ。これっておかしいよね。

「連絡便利ツールが使えない」
「食料持ってくれば良かった」
「そこかよ」
「だって出れないなら食べ物持ってたら一日過ごせるから」

 一日ここにいるってつもりはないけど万が一の時のため。

 でも、何も持っていないから早くここから出ないと。お父様との約束もあるから。

「壁とか何かないかな」

 こういうのって壁に何かあるってパターンあるかもしれないかなって。

 触りまくったら何か起こったり……

「ポチ?」
「……」
「えっ⁉︎」

 あるあるにはあるあるネタだけどさ、ここ学園の廊下だよ。普通考える?

 学園の廊下で巨大な岩に追われるってある⁉︎

「巨大岩ってこういうのじゃないでしょ⁉︎」
「これ逃げ場なくない?」
「言ってないで走らないと」
「走っていても追いつかれそう。星音は」

 だって足早くないもん。クラスで最下位だもん。運動神経悪いもん!

 頑張って走んないと追いつかれるけど、頑張って走っていても追いつかれそう。

「もうむりー」
「頑張れ」
「はぁ、どっか、逃げ場ないの」

 疲れてきたけど、走らないと。これ持久走より大変かも。

「……星音、壁際でしゃがめ」

 それで回避できるの?

 でも、もう走るの疲れたし信じてやるしかない。

 本当に大丈夫かなと思いつついう通りにしてみた。

 そしたら巨大岩が通り過ぎた。

「さっき見た時に真ん中以外は浮いていたからもしかしたらって思ったけど」
「すごい。こんな回避方法があったんだ」

 避ける道みたいなのがあってそこに避けるんだと思ってた。こんな方法があったなんて驚き。

 でも、避けられたのは良くても理事長室に辿り着けてないんだよね。

 どうすれば辿り着けるんだろう。連絡便利ツールもまで使えないし。
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