失われた賢人島の宝

碧猫 

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後日談

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 何で行けるって思ったらいつもこうなるんだろう。

 また喧嘩し出した。

 もしかしてもしかしなくても別れた原因は喧嘩だったのかな。

「二人とも素直じゃない」
「えっ」
「二ギアもマークも復縁したいって言っているのに会うたびに喧嘩している」

 復縁したいのに会うたびに喧嘩って変なの。でも、喧嘩するほど仲が良いとかって言うしそういうのなのかな。

 だとしたらこれって余計なお世話なのかもしれない。

「アチェ、これで良いか?」

 って喧嘩しながら収穫物取ってきちゃった。

「良いよ」
「マーク、アチェがこの島の事もっと知りたいって言うからしばらく借りる。だから、アチェの代わりに二ギアと過ごしたら?その方が研究も捗るから」
「それは良いさ。あの甘ったれの研究にケチつけられるチャンスではないか」

 師匠ったら、言ってる事全然違うよ。

 あのね、昔私が色々と師匠から教わっていた時に良くマークルの研究を褒めていたんだ。あんなに素晴らしい研究はないって。

 なのに本人を目の前にしたらこんなふうに悪態をつくなんて。

 でも、しばらく二人で生活させれば流石に復縁もできると思う。だからしばらくは放置って事で。

      ******

 あれから十日間経った。今日は待ちに待った祭りの日。

 この祭りで十日間の成果を見せてもらわないと。

 といっても、私はノービィンにいろんな事を教わりながらデートするから会う事ができたらなんだけど。

「アチェ、久々だな」
「久々って十日間会わなかっただけだよ」
「そうだ。アチェにもこれを渡そう。島に再び活気が戻ったからか、あの水が出るようになった」

 あのいつもの水だ。

「これを今日も晩二人で飲むさ」
「うん。ありがとう」
「聖星の願いの星降る夜、その水を分かち合い飲むと結ばれる。太古の昔からある逸話」
「そうだ。それに頼ってみるのも一興ではないか?」

 そんな逸話があったんだ。まだまだ知らない事はいっぱいある。

 面白そうだからやってみるのも良いかもしれないね。

 ん?ちょっと待って、頼ってみるのもってもしかして

「二人も飲むの?」
「酒と一緒にな」
「これと酒が合うのさ。ノービィンは知らんだろうが」

 そういえば二人はお酒飲むけどノービィンは苦手なんだっけ。

「果物を混ぜるのも良いけどやっぱ酒だ」

 果物入れてみようかな。でも、やっぱり美味しそうだからそのまま飲んでみたい。

「二人は、お酒に混ぜないの?」
「混ぜたら味が薄まるだけさ」
「それに効能も少なそうだしな」

 うん。そのまま飲むに限ると思う。

 でも、何はともあれこれで復縁計画は成功だね。
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