二つの世界を彷徨う銀の姫

碧猫 

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二十八の世界 プシェの部屋掃除

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 帰ってきてからまた掃除だ。

 今日は私の部屋を掃除する。何か出てくるかもしれないというのもあるのだが、それよりもよく使う部屋を優先してやっていくためだ。

 シェフィとジシェンは自分で掃除をしているから、時間がかかりそうな私の部屋からという事になった。

「散らかってはないね。掃除はしていなさそうだけど」
「これでも一応しているんだ」
「……とりあえず、埃とかとろっか」

 なんだ今の間は。だが、まあ確かに埃は少し溜まっているな。

「プシェ、可愛い縫いぐるみあった。昔プシェが使っていた縫いぐるみかな?」
「それはシェフィが昔くれた縫いぐるみだ。今も大事に置いているんだ」

 クマの縫いぐるみ。高等部に入学する少し前にシェフィに貰ったんだ。

「こっちは記憶にないけど」
「それは……なんだろうな?」

 隣に鼠の縫いぐるみが置かれていた。これは記憶にない。一体どこで貰ったんだ?いや、自分で買った可能性もあるのか。

「プシェ、なんか入ってる。手紙?」

 鼠の縫いぐるみの中に手紙らしき封筒が入っていた。

 その封筒を開けると、一枚の写真が入っていた。

 それはずっと探していた写真だ。家族が写った写真。

 だが、暗くて顔は見えない。夜に撮ったのだろうか。

「この写真……プシェ、今日明日あたりは外に出ないで」
「何かあるのか?」
「うん。はっきりとは分からないけど呪いの類じゃないかな。だから、今日明日は家の中で僕とジシェと一緒にいて」
「分かった。というかジシェンどこいった?」

 さっきから見当たらない。部屋はそんなに広くないのだが。

「あ、ジシェは」
「シェフィル、風呂掃除終わった」
「ありがとう」
「風呂掃除?あっ」
「プシェ、忘れてたでしょ」

 他の掃除ですっかり忘れてた。ここ数日、そういえば風呂掃除をしていない。

「ありがとう」
「……お風呂どうしよう。外で待っとけば良いかな?でも、いくらプシェだからって」
「何かあったのか?」
「うん。これに呪いだと思うんだけどかけられてる」
「とりあえず家の中にいれば安全にするように、結界でもかけておけば良いんじゃないのか?」
「その手があった。ジシェ、プシェと一緒にいて」

 結界か。実際に見るのは初めてだな。かけるところを見学したいが邪魔になるからやめておこう。

「掃除しておくか」
「机じゃなくてベッドが先だろう」
「……ここに服置いておいた方が楽なんだ」
「楽って、明らかに着た服捨ててるだけだよな?」
「片付けます」

 いつもベッドの上に服を脱ぎ散らかしているから、かなりの量溜まってる。制服だけはちゃんと洗っているが、他の服はそんなに頻繁に洗わず溜まったら洗うってやっていたからな。

 この際、全部まとめて洗うか。時間がかかりそうだが。
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