19 / 31
十九の世界 喫茶店
しおりを挟む
次は喫茶店だ。これは何も正していない。
「プシェってコーヒーとか紅茶飲める?」
「喫茶店はそれ以外もあるからな」
「喫茶店ってきつく苦いお茶の店ってジシェが」
どれだけ嘘をつけば良いんだ。
「もう行ってみれば良いか」
******
うん。案の定がっかりしている。
「シェフィ、このジュース好きだっただろ」
「うん」
シェフィは甘いもの好きだからな。だから、甘いものを勧めれば機嫌も良くなるだろう。
そう思って勧めてシェフィはそれを頼んだのだが、機嫌はあまり直っていないな。
「そのジュースはどんな味なんだ?」
シェフィが好きと知っているが、一度も飲んだ事がないからどんな味か知らないんだ。
「砂糖舐めてるような味」
「そんなに甘いのか?」
「一口飲んでみる?プシェ甘いの苦手だからおすすめできないけど」
「やめておく」
「いやそうな顔するプシェもかわいいね」
良く分からないところで機嫌が直っている。何が機嫌を直すきっかけとなっていたんだろうか。
まあ、とりあえず
「ジシェン、今度からシェフィには変な嘘をつくな」
「そうする。まさかここまで信じるとは思ってなかった」
全部すぐに嘘と分かるような内容だったからな。遊び感覚で言っていたんだろう。
それを長い間信じ続けるなど考えてもいなかったはずだ。
「ありがとう。せっかくの休みを僕のために使ってくれて」
「ジシェンが嘘を教えたのを正そうとしただけだ」
「そうだ。俺が面白がってシェフィルに嘘ついたから、ちゃんとした知識をつけさせようとしただけだ」
「でも、楽しかったから。またこうやって三人で遊びに行きたい。家でゆっくりするのも良いけど……あっ⁉︎」
何かあったのだろうか。シェフィが突然自分のカバンの中を身始めた。
「ごめん。今日の夕食の食材買わないとなの忘れてた」
そう言ってメモ帳を見せる。数日分を三人分買うからかなりの量だ。
「多いな。それに何箇所か書かれてる」
「ここを出てから買いに行けば良いだろ。荷物持ちなら任せてくれ」
「僕も持てるよ」
ジシェン>私>シェフィだろうか。
見た目的に重いものを持てそうなのは。
「シェフィルは食材選びがあるだろう」
「そうだな。私じゃ分からないものもある」
「俺もだ」
「だから、そっちは頼んだ。適材適所というものだ」
「うん。そういう事なら」
シェフィが納得した。
『プシェも重いもの持てるんでしゅ!』
『持てないでしょ。それに隣に置いて置けば良いんだよ。持っていたらジュース飲めないよ』
『ふふふ、持ちながらジュース飲もうとしてる』
子供の頃の記憶の一部だろう。そうか、昔来た事があるのだな。
「プシェってコーヒーとか紅茶飲める?」
「喫茶店はそれ以外もあるからな」
「喫茶店ってきつく苦いお茶の店ってジシェが」
どれだけ嘘をつけば良いんだ。
「もう行ってみれば良いか」
******
うん。案の定がっかりしている。
「シェフィ、このジュース好きだっただろ」
「うん」
シェフィは甘いもの好きだからな。だから、甘いものを勧めれば機嫌も良くなるだろう。
そう思って勧めてシェフィはそれを頼んだのだが、機嫌はあまり直っていないな。
「そのジュースはどんな味なんだ?」
シェフィが好きと知っているが、一度も飲んだ事がないからどんな味か知らないんだ。
「砂糖舐めてるような味」
「そんなに甘いのか?」
「一口飲んでみる?プシェ甘いの苦手だからおすすめできないけど」
「やめておく」
「いやそうな顔するプシェもかわいいね」
良く分からないところで機嫌が直っている。何が機嫌を直すきっかけとなっていたんだろうか。
まあ、とりあえず
「ジシェン、今度からシェフィには変な嘘をつくな」
「そうする。まさかここまで信じるとは思ってなかった」
全部すぐに嘘と分かるような内容だったからな。遊び感覚で言っていたんだろう。
それを長い間信じ続けるなど考えてもいなかったはずだ。
「ありがとう。せっかくの休みを僕のために使ってくれて」
「ジシェンが嘘を教えたのを正そうとしただけだ」
「そうだ。俺が面白がってシェフィルに嘘ついたから、ちゃんとした知識をつけさせようとしただけだ」
「でも、楽しかったから。またこうやって三人で遊びに行きたい。家でゆっくりするのも良いけど……あっ⁉︎」
何かあったのだろうか。シェフィが突然自分のカバンの中を身始めた。
「ごめん。今日の夕食の食材買わないとなの忘れてた」
そう言ってメモ帳を見せる。数日分を三人分買うからかなりの量だ。
「多いな。それに何箇所か書かれてる」
「ここを出てから買いに行けば良いだろ。荷物持ちなら任せてくれ」
「僕も持てるよ」
ジシェン>私>シェフィだろうか。
見た目的に重いものを持てそうなのは。
「シェフィルは食材選びがあるだろう」
「そうだな。私じゃ分からないものもある」
「俺もだ」
「だから、そっちは頼んだ。適材適所というものだ」
「うん。そういう事なら」
シェフィが納得した。
『プシェも重いもの持てるんでしゅ!』
『持てないでしょ。それに隣に置いて置けば良いんだよ。持っていたらジュース飲めないよ』
『ふふふ、持ちながらジュース飲もうとしてる』
子供の頃の記憶の一部だろう。そうか、昔来た事があるのだな。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
MAN in MAID 〜メイド服を着た男〜
三石成
ファンタジー
ゴブリンに支配された世界で、唯一人間が住むことのできる土地にある、聖エリーゼ王国。
ユレイトという土地を治める領主エヴァンは、人道的な優れた統治力で知られる。
エヴァンは遠征から帰ってきたその日、領主邸の庭園にいる見知らぬメイドの存在に気づく。その者は、どう見ても男であった。
個性的な登場人物に囲まれながら、エヴァンはユレイトをより良い領地にするため、ある一つのアイディアを形にしていく。
ポーション必要ですか?作るので10時間待てますか?
chocopoppo
ファンタジー
松本(35)は会社でうたた寝をした瞬間に異世界転移してしまった。
特別な才能を持っているわけでも、与えられたわけでもない彼は当然戦うことなど出来ないが、彼には持ち前の『単調作業適性』と『社会人適性』のスキル(?)があった。
第二の『社会人』人生を送るため、超資格重視社会で手に職付けようと奮闘する、自称『どこにでもいる』社会人のお話。(Image generation AI : DALL-E3 / Operator & Finisher : chocopoppo)
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。


【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
月の箱庭
善奈美
ファンタジー
一つの過ちが全てを呑み込んでいく……時を越えた先に待つものとは………。
約千年前に封印された邪悪な意識が目覚めようとしていた。全ての封印は解け始め、仮初めの平和が少しずつ狂い始める……。
※表紙イラスト、挿し絵は他サイトの絵師、大神紅葉様に描いていただいたものです。
※エブリスタ(公開中)、ポケクリ(非公開)、メクる(閉鎖)で公開していました。
※章によって文字数が異なります。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる