14 / 31
十四の世界 約束
しおりを挟む
まあ、何はともあれ無事に騎士への引き渡しもできたのだから良いとしよう。
「他の人に頼めないのか?」
「プシェは僕の婚約者なんです。他の誰かに頼んだら何かあるかもしれないと心配になって、朝の訓練でそのうち教官の事を瞬殺するかもしれません」
ん?なんか、脅してないかこれ。悲しそうな顔であたかも不安なんだと主張しているようだが、明らかに脅しているよな?
シェフィって外ではこんな事言っていたのだな。
私の前では可愛くてなんでもこなせる嫁みたいな感じなのに。
「……まあ、シェフィルは早朝訓練を毎回免除できているからな。良いだろう」
「ありがとうございます」
そういえば今は何時なのだろうか。もうそろそろ普通科の方も時間がやばいかもしれない。まぁ、こんな状況だから遅刻して何か言われる事もないと思うが。
「プシェ、一緒に行こ」
「あ、ああ」
「それでは、後の事お願いします」
一応必要な事は言っておいたからこれで良いのだろうけど、良いのだろうかと思ってしまう。
だが、このままでは授業が始まってしまうからな。真面目に受けると決めた矢先、大遅刻で授業の内容が分からなくなるというのは避けたい。
もしそうなったとしてもシェフィに教われば良い気もしなくもないのだが。
「プシェ、昔の記憶本当に何もないの?僕の事を貰ってあげるとか言ってた記憶も」
「ない。というか、昔からそういう感じだったのだな」
「プシェ、毎回僕をお嫁さんに貰ってジシェをお婿さんにするって言ってた」
そんな記憶はないのだが、昔からそこは変わっていないという事だな。
それにしても、昔の記憶が戻る事はあるのだろうか。
戻ってくれれば、銀の姫の事ももっと分かるかもしれないというのに。
「プシェの記憶がない原因は僕には分からないけど、戻るように協力するよ」
「助かる。だが、どうすれば元に戻るかすら分かってない状態なのだが、それでも良いか?」
「うん。その方法を探すのも協力する。だから、一人で悩んじゃだめだよ。何かあったら僕とジシェに相談する事」
それが目的か。以前の事をまだ根に持っているんだろうな。
あの時、珍しく怒っていたからな。仕方がないといえば仕方がないのだろう。
「分かってる。今度からはちゃんと相談する」
「絶対だよ」
「ああ」
「もしまた一人で悩んで無理したら、プシェが嫌って言っても側から離れずに無理しないか監視しておくから」
「もうしない。そんなに疑うなら、そうなる前に側で監視していれば良いだろう」
どうせ一緒に住んでいるんだからな。学園では一緒に過ごす時間は少ないが、それ以外はほぼずっと一緒にいる事になるだろう。
「他の人に頼めないのか?」
「プシェは僕の婚約者なんです。他の誰かに頼んだら何かあるかもしれないと心配になって、朝の訓練でそのうち教官の事を瞬殺するかもしれません」
ん?なんか、脅してないかこれ。悲しそうな顔であたかも不安なんだと主張しているようだが、明らかに脅しているよな?
シェフィって外ではこんな事言っていたのだな。
私の前では可愛くてなんでもこなせる嫁みたいな感じなのに。
「……まあ、シェフィルは早朝訓練を毎回免除できているからな。良いだろう」
「ありがとうございます」
そういえば今は何時なのだろうか。もうそろそろ普通科の方も時間がやばいかもしれない。まぁ、こんな状況だから遅刻して何か言われる事もないと思うが。
「プシェ、一緒に行こ」
「あ、ああ」
「それでは、後の事お願いします」
一応必要な事は言っておいたからこれで良いのだろうけど、良いのだろうかと思ってしまう。
だが、このままでは授業が始まってしまうからな。真面目に受けると決めた矢先、大遅刻で授業の内容が分からなくなるというのは避けたい。
もしそうなったとしてもシェフィに教われば良い気もしなくもないのだが。
「プシェ、昔の記憶本当に何もないの?僕の事を貰ってあげるとか言ってた記憶も」
「ない。というか、昔からそういう感じだったのだな」
「プシェ、毎回僕をお嫁さんに貰ってジシェをお婿さんにするって言ってた」
そんな記憶はないのだが、昔からそこは変わっていないという事だな。
それにしても、昔の記憶が戻る事はあるのだろうか。
戻ってくれれば、銀の姫の事ももっと分かるかもしれないというのに。
「プシェの記憶がない原因は僕には分からないけど、戻るように協力するよ」
「助かる。だが、どうすれば元に戻るかすら分かってない状態なのだが、それでも良いか?」
「うん。その方法を探すのも協力する。だから、一人で悩んじゃだめだよ。何かあったら僕とジシェに相談する事」
それが目的か。以前の事をまだ根に持っているんだろうな。
あの時、珍しく怒っていたからな。仕方がないといえば仕方がないのだろう。
「分かってる。今度からはちゃんと相談する」
「絶対だよ」
「ああ」
「もしまた一人で悩んで無理したら、プシェが嫌って言っても側から離れずに無理しないか監視しておくから」
「もうしない。そんなに疑うなら、そうなる前に側で監視していれば良いだろう」
どうせ一緒に住んでいるんだからな。学園では一緒に過ごす時間は少ないが、それ以外はほぼずっと一緒にいる事になるだろう。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる