二つの世界を彷徨う銀の姫

碧猫 

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九の世界 知らされた真実

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 ジシェンから話を聞いていると、一の世界の夕方になった。

「そろそろ向こうに行った方が良い。テストがあるのだろう」
「はい。色々聞かせてくださり感謝します」
「婚約者なんだから当然だ。テスト頑張れよ」
「はい」

 そう。今日はテストがあり受けなければならない。一の世界でゆっくりとしている事などできないのだ。

 私は、急いで家に帰り二の世界へ行った。

      ******

 身支度を済ませて急いで家を出るといつものようにシェフィルが待っていた。

「今日はテスト終わったら帰って休みなよ」
「だが」
「また倒れられるかもって心配だからそこは言う事聞いて」
「そうではなくて、夕食が」
「作って持っていくよ。今日だってお昼ちゃんと用意してあるから」

 毎日のように届けてもらうのも悪い。何か良い方法でもないだろうか。

「合鍵渡しとくから、今度から勝手に入って良い。わざわざ待つのはめんどうだろう」
「そんな事ないけど。そもそも家なんて寝る以外は使ってないし」
「は?」
「あそこが嫌いだから、家に帰らないんだ」

 あの広い家で一人だからだろうか。理由は分からないが、放っておけない。

「なら、私の家で一緒に住めば良いだろう。婚約者だし、一人だと広いからな。家にいる事は少ないが、できるだけこっちに帰るようにする」
「でも、女の子の家に」
「結婚すれば住むようになるだろう」
「……分かった。そうさせてもらう」

 私が引かないから渋々という感じだな。こんなところまで可愛いと本当に女だと勘違いされそうだ。

「なら、お礼に一番知りたいだろう事を教えてあげる。先代の銀の姫は君の言う一の世界の生まれだけど、君はこの世界で生まれたんだよ」

 私の一番知りたかった事。だが、なぜそれをシェフィが知っているんだ。

「僕とジシェンは二つの世界を守っている大蛇が生み出したイレギュラーだから」
「大蛇?」
「あまり詳しくは言えないけど、違和感なかった?僕とジシェンだけは別の世界に存在しないって」

 それはあった。反対側の世界で二人を知らないだけなのかと思っていたが、やはりそうではなかったのか。

「銀の姫は大蛇が初めに生み出したイレギュラー。それによって世界は少しずつ変わっていった。でも、銀の姫を理解できる人はあまりに少ない。そこで、もう一度同じような存在を生み出そうとして生み出したのが僕とジシェン。僕とジシェンは銀の姫を理解して存在を消さないために生み出された」

 存在を消さないため?どういう事なんだ?

 生まれた世界が分かったのは良いが、謎は深まるばかりだな。
 もう少し二つの世界を行き来して生活しておいた方が良いかもしれない。

 まだ知りたい事があるからな。
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