18 / 38
18話 お前を殺す理由、言わなくても分かるよな?
しおりを挟む
「まずい、急がなければ!」
俺は急いでいた。
街の中を駆け、ただただ走り続けた。
「このままじゃ.....間に合わない。」
『神速』
スキルを使い加速するが....
ダメだ。
地上を走っていたのでは間に合わない。
諦めるしかないのか?
いや、まだだ。
俺は建物の屋根から屋根へと飛び移る。
ここは人ごみを避けて一気に進むしかない。
「頼む、間に合ってくれ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・
時は十数分前に遡る。
「ねえ聞いた?街の端にあるクェーキ屋の話。」
「ああ、私も知っている。味が美味しくて評判らしいな。」
「わたくしも気になっていたのですが、行く時間がなくてなかなか....。」
んん?クェーキ?
そういやあ、最近食べてないなあ。
ちょっと食いたい気はするが.....。
「なんでも今、期間限定でロウルンクェーキっていう、新しいタイプのクェーキを売っているらしいわ。」
ほう、期間限定か。それは気になるな。
「私も食べてみたいが、今から行っても売り切れで間に合わないだろうしな。」
まあ、明日朝一で行けば.....。
「確か今日まででしたよね。」
え?マジ?
ロウルンクェーキ今日までなの?
行くしかねえよなあ!?
お金良し、ブーヴィー良し。
「すまない、急用ができた。すぐ戻る。」
俺は期間限定の新作クェーキを買いに出かけた。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁ、あいつ、絶対にクェーキを買いに行ったわよね。」
「期間限定とは言っていますが、確かよく売れるから常備することになったんですよね。」
「あの感じだと知らないで出て行ったといったところか。」
「あいつは本当にバカなんだか、賢いのかわからないわ。」
「その謎に包まれている感じがアレスさんらしいですよね。」
「まあ、まだわからないさ。もしかしたら彼は組織から呼び出されただけかもしれないしな。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
急げ俺!
「うぉぉぉぉ!クェーキィィ!」
スッ タッタッタ
何かが俺に並走してくる。
「情報通りだな、本当にこの街にいるとは。【紅】のアレス。」
誰だよこいつ、今急いでんだよ。
話しかけんな。
「俺は四天王ミラヴォーネ様の配下が一人、ロクルゥン。悪いが貴様にはここで死んでもらう。俺はこう見えて速度が自慢でな。どちらが速いか勝負だ!」
俺はこいつを無視して駆ける。
「見えた!」
「おい、貴様!俺を無視するな!」
あーもう、うるせえな。
こっちは取り込み中なんだよ。
「お前うるせえんだよ!見てわかるだろ!?急いでんのこっちは!用があるなら後にしてくれ!」
「えっ、あ、ああ、すまない。」
「おーい、ロクルゥンクェーキ1つくれ!」
「ロクルゥン?何だそりゃあ?」
やべえ、さっき話しかけてきたやつの名前が似てたから素で間違えた。
「すまない、間違えた、ロウルンクェーキをくれ。」
「ロウルンクェーキね、生憎今日は売り切れてもうないんだよ。」
ちくしょう!
間に合わなかった!
俺が落ち込んでいると.....。
「おい、もう用は済んだのか?ていうかお前、そんな食い物のために俺を待たせたのか?このロクルゥンもなめられたものだな。」
は?そんな食い物だと?
ていうかこいつが話しかけてこなければワンチャン買えたんじゃね?
え、こいつのせいじゃね?
「なあ、お前、ロウルンって言ったっけ?」
「俺の名前はロクルゥンだ!さっきからなめやがって!」
「うるせえな!ロウルンでもロクルゥンでもどっちでもいいんだよ!」
「いや、なんかお前、なんでそんなに怒ってんの?俺まだ人一人殺してないし、この街も破壊してないよ?」
「よく聞け、お前はここで死ぬ。理由は言わなくても分かるよな?」
「いや、全くわからないんだが......ま、まあいいだろう。ようやく戦う気になったか。さあ勝負といこうじゃ.....。」
『月華一閃』
「ぐふぉっ、な、なんで、どうして.....。」
バタァン
へっ、人様が急いでるときに話しかけんなってんだよ。
んん?よく見るとこいつ魔族じゃん。
そいや、なんか四天王の配下の~みたいなこと言ってたっけ。
まあ、いいや。クェーキ買えなかったし帰るか。
すると店主から声をかけられる。
「あ、あんた、魔族を一撃で....なっ、よく見るとあんたは【紅】の!?」
「ああ、【紅】のアレスだが。」
ん?いや待てよ?
良いこと考えたぞ。
「しかしまいったなあ。組織のボスがロウルンクェーキ楽しみにしてたんだが.....。どうしたものか。(チラッ)」
「!?わ、わかった。すぐに作ってくる。待っててくれ。」
使えるコネは使う、前に学んだことだ。
社会を生きていくためには必須だぜ。
「私がいつお前にロウルンクェーキを買って来いといった?」
「ボス!?なんでここに!?」
「魔族が出たという情報を聞いてな。まあ既にお前によって倒されているみたいだが。」
えええ!?
どうしよう、ここは何とか誤魔化して....
「いや、どうしてもボスとここのロウルンクェーキを食べたくてな。名前を借りさせてもらったんだ。」
どうだ?流石に厳しいか?
「お前、そういう(優しい)ところだぞ。」
まあ、そうなるよなあ。
俺のそういう(見苦しい)ところが難ありだよな。
「お待たせしました!こちらロウルンクェーキです!」
店主が戻ってきて、箱を渡してくる。
「とりあえずボス、アジトに戻ろう。」
「そうだな、せっかくだしロウルンクェーキをいただくとしよう。」
・・・・・・・・・・・・・・・
「ねえ、アレスのやつ遅くない?」
「やはり組織の仕事でしょうか?」
「案外今頃ロウルンクェーキを食べていたりしてな。」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「これ、美味しい。」
「ああ、なかなかに美味いな。」
どうしてこうなった?
「あんのお、ボス?」
「なんだ?」
「なんでここにレイがいるのでしょうか?」
「偶然そこであってな、アレスとロウルンクェーキを食べると言ったら私もというものだから連れてきた。」
『連れてきた』じゃねえよ!
そこはボスの威厳で断ろうよ!
てかレイ、お前確信犯だろ?
「はぁ、まあロウルンクェーキ食えたからいいか。」
「アレス、一太刀で魔族倒すのかっこよかった。」
「ほう、流石アレスといったところか。」
「いやレイ、お前まさか俺が屋敷から出て、ロウルンクェーキ買いに行く件までずっとついてきてたわけじゃないよな?」
「当たり前、ずっと見てた。」
いや、見てたじゃねえよ!?
せめて声かけろよ!?
それもうストーカーだよ?
俺達はそんな会話をしながらロウルンクェーキを食べた。
ミラヴォーネ『アレス.....なかなかやってくれる。』
俺は急いでいた。
街の中を駆け、ただただ走り続けた。
「このままじゃ.....間に合わない。」
『神速』
スキルを使い加速するが....
ダメだ。
地上を走っていたのでは間に合わない。
諦めるしかないのか?
いや、まだだ。
俺は建物の屋根から屋根へと飛び移る。
ここは人ごみを避けて一気に進むしかない。
「頼む、間に合ってくれ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・
時は十数分前に遡る。
「ねえ聞いた?街の端にあるクェーキ屋の話。」
「ああ、私も知っている。味が美味しくて評判らしいな。」
「わたくしも気になっていたのですが、行く時間がなくてなかなか....。」
んん?クェーキ?
そういやあ、最近食べてないなあ。
ちょっと食いたい気はするが.....。
「なんでも今、期間限定でロウルンクェーキっていう、新しいタイプのクェーキを売っているらしいわ。」
ほう、期間限定か。それは気になるな。
「私も食べてみたいが、今から行っても売り切れで間に合わないだろうしな。」
まあ、明日朝一で行けば.....。
「確か今日まででしたよね。」
え?マジ?
ロウルンクェーキ今日までなの?
行くしかねえよなあ!?
お金良し、ブーヴィー良し。
「すまない、急用ができた。すぐ戻る。」
俺は期間限定の新作クェーキを買いに出かけた。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁ、あいつ、絶対にクェーキを買いに行ったわよね。」
「期間限定とは言っていますが、確かよく売れるから常備することになったんですよね。」
「あの感じだと知らないで出て行ったといったところか。」
「あいつは本当にバカなんだか、賢いのかわからないわ。」
「その謎に包まれている感じがアレスさんらしいですよね。」
「まあ、まだわからないさ。もしかしたら彼は組織から呼び出されただけかもしれないしな。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
急げ俺!
「うぉぉぉぉ!クェーキィィ!」
スッ タッタッタ
何かが俺に並走してくる。
「情報通りだな、本当にこの街にいるとは。【紅】のアレス。」
誰だよこいつ、今急いでんだよ。
話しかけんな。
「俺は四天王ミラヴォーネ様の配下が一人、ロクルゥン。悪いが貴様にはここで死んでもらう。俺はこう見えて速度が自慢でな。どちらが速いか勝負だ!」
俺はこいつを無視して駆ける。
「見えた!」
「おい、貴様!俺を無視するな!」
あーもう、うるせえな。
こっちは取り込み中なんだよ。
「お前うるせえんだよ!見てわかるだろ!?急いでんのこっちは!用があるなら後にしてくれ!」
「えっ、あ、ああ、すまない。」
「おーい、ロクルゥンクェーキ1つくれ!」
「ロクルゥン?何だそりゃあ?」
やべえ、さっき話しかけてきたやつの名前が似てたから素で間違えた。
「すまない、間違えた、ロウルンクェーキをくれ。」
「ロウルンクェーキね、生憎今日は売り切れてもうないんだよ。」
ちくしょう!
間に合わなかった!
俺が落ち込んでいると.....。
「おい、もう用は済んだのか?ていうかお前、そんな食い物のために俺を待たせたのか?このロクルゥンもなめられたものだな。」
は?そんな食い物だと?
ていうかこいつが話しかけてこなければワンチャン買えたんじゃね?
え、こいつのせいじゃね?
「なあ、お前、ロウルンって言ったっけ?」
「俺の名前はロクルゥンだ!さっきからなめやがって!」
「うるせえな!ロウルンでもロクルゥンでもどっちでもいいんだよ!」
「いや、なんかお前、なんでそんなに怒ってんの?俺まだ人一人殺してないし、この街も破壊してないよ?」
「よく聞け、お前はここで死ぬ。理由は言わなくても分かるよな?」
「いや、全くわからないんだが......ま、まあいいだろう。ようやく戦う気になったか。さあ勝負といこうじゃ.....。」
『月華一閃』
「ぐふぉっ、な、なんで、どうして.....。」
バタァン
へっ、人様が急いでるときに話しかけんなってんだよ。
んん?よく見るとこいつ魔族じゃん。
そいや、なんか四天王の配下の~みたいなこと言ってたっけ。
まあ、いいや。クェーキ買えなかったし帰るか。
すると店主から声をかけられる。
「あ、あんた、魔族を一撃で....なっ、よく見るとあんたは【紅】の!?」
「ああ、【紅】のアレスだが。」
ん?いや待てよ?
良いこと考えたぞ。
「しかしまいったなあ。組織のボスがロウルンクェーキ楽しみにしてたんだが.....。どうしたものか。(チラッ)」
「!?わ、わかった。すぐに作ってくる。待っててくれ。」
使えるコネは使う、前に学んだことだ。
社会を生きていくためには必須だぜ。
「私がいつお前にロウルンクェーキを買って来いといった?」
「ボス!?なんでここに!?」
「魔族が出たという情報を聞いてな。まあ既にお前によって倒されているみたいだが。」
えええ!?
どうしよう、ここは何とか誤魔化して....
「いや、どうしてもボスとここのロウルンクェーキを食べたくてな。名前を借りさせてもらったんだ。」
どうだ?流石に厳しいか?
「お前、そういう(優しい)ところだぞ。」
まあ、そうなるよなあ。
俺のそういう(見苦しい)ところが難ありだよな。
「お待たせしました!こちらロウルンクェーキです!」
店主が戻ってきて、箱を渡してくる。
「とりあえずボス、アジトに戻ろう。」
「そうだな、せっかくだしロウルンクェーキをいただくとしよう。」
・・・・・・・・・・・・・・・
「ねえ、アレスのやつ遅くない?」
「やはり組織の仕事でしょうか?」
「案外今頃ロウルンクェーキを食べていたりしてな。」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「これ、美味しい。」
「ああ、なかなかに美味いな。」
どうしてこうなった?
「あんのお、ボス?」
「なんだ?」
「なんでここにレイがいるのでしょうか?」
「偶然そこであってな、アレスとロウルンクェーキを食べると言ったら私もというものだから連れてきた。」
『連れてきた』じゃねえよ!
そこはボスの威厳で断ろうよ!
てかレイ、お前確信犯だろ?
「はぁ、まあロウルンクェーキ食えたからいいか。」
「アレス、一太刀で魔族倒すのかっこよかった。」
「ほう、流石アレスといったところか。」
「いやレイ、お前まさか俺が屋敷から出て、ロウルンクェーキ買いに行く件までずっとついてきてたわけじゃないよな?」
「当たり前、ずっと見てた。」
いや、見てたじゃねえよ!?
せめて声かけろよ!?
それもうストーカーだよ?
俺達はそんな会話をしながらロウルンクェーキを食べた。
ミラヴォーネ『アレス.....なかなかやってくれる。』
0
お気に入りに追加
134
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~
ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。
城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。
速人は気づく。
この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ!
この世界の攻略法を俺は知っている!
そして自分のステータスを見て気づく。
そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ!
こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。
一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。
そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。
順調に強くなっていく中速人は気づく。
俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。
更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。
強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
カクヨムとアルファポリス同時掲載。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう
サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」
万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。
地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。
これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。
彼女なしの独身に平凡な年収。
これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。
2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。
「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」
誕生日を迎えた夜。
突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。
「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」
女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。
しかし、降り立って彼はすぐに気づく。
女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。
これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。
女男の世界
キョウキョウ
ライト文芸
仕事の帰りに通るいつもの道、いつもと同じ時間に歩いてると背後から何かの気配。気づいた時には脇腹を刺されて生涯を閉じてしまった佐藤優。
再び目を開いたとき、彼の身体は何故か若返っていた。学生時代に戻っていた。しかも、記憶にある世界とは違う、極端に男性が少なく女性が多い歪な世界。
男女比が異なる世界で違った常識、全く別の知識に四苦八苦する優。
彼は、この価値観の違うこの世界でどう生きていくだろうか。
※過去に小説家になろう等で公開していたものと同じ内容です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる