洗濯日和!!!

松本カナエ

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【おまけ】卒業旅行は温泉に!! 後編 ☆

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「ずっと運転させちゃってごめんね」
 高大は、横峯を労って荷物を全部一人で持とうとしたので思わず微笑んでしまう。出迎えのスタッフに荷物とワインを任せて「このワイン夕食の時に出してください」とお願いすると「かしこまりました」と頭を下げられて、高大は慌てて頭を下げる。
 部屋に案内されて入るなり、横峯は高大に抱きついた。
「運転お疲れ様」
 高大が声をかけると、「どうする?」と高大に抱きついたまま横峯は問う。
「何が?」
「客室露天すぐ行く? 暗くなる前なら多分富士山見えるよ」
 横峯の言葉に高大はピッと背筋を伸ばしてテンションを上げる。
「富士山!!」
その場で服を脱ぎ始めそうな勢いの高大に待て待てと、露天を確認しに行く。眺めがいい。穴場の温泉みたいな雰囲気で、露天付きの部屋にして良かったと横峯は後ろを向くと、既にバスタオル姿になって、高大が待機していた。
「早いって」
 ワクワクが隠せない高大に「どうぞ」と露天に出るドアを開けてやる。高大は露天に入るところで、巻いていたバスタオルを丁寧に畳むから横峯はそれを見てニコニコしてしまう。
 客室からの眺めが最高だな、と横峯は思った。
露天に入った高大はしばらく富士山を見た後、ドアの方をチラチラと見てくる。
 呼ばれてるのかなと横峯は思ったが、思ったより運転疲れをしていて、服を脱ぐのが面倒くさく思えてしまった。このまま高大を眺めながら寛ごう。
 しばらく露天につかりながらソワソワしていた高大は、とうとう身体を拭いて、バスタオルを巻きつけて、部屋の中に入ってきた。
「もー、大輔は温泉入らないの?」
 ぼんやりと高大のバスタオル姿を眺める。
「おいで」
 高大のバスタオルを引っぱる。スルッとバスタオルは横峯の膝の上に落ちて、高大の腕を引いてその膝の上に座らせる。
「富士山見えた?」
 高大はバスタオルを取られると静かになった。
「俺も、いい眺めだった」
 横峯は窓の方を指さす。露天が丸見えだったことに高大は気づいて声にならない声を上げた。
「うそぉぉ……」
「今も、だいぶいい眺めで、温泉入る前から疲れとれるわ」
 横峯の手が、高大の尻を持ち上げる。指がすっと後孔を撫でた。
「ちょ、今……」
「うん。温泉に入ったからかな? 肌ももちもちして柔らかいよ」
 言いながら横峯の指が中に入った。
「んっ……」
 くちゅくちゅと指が高大の中をかき混ぜる。
「まだ、夕飯とか……」
 高大が言うが「夕食の時間までまだ二時間くらいあるよ」と横峯は続ける。
 チュッとキスをして横峯が高大の温泉でもちもちになった肌を堪能すると、高大はもじもじと動いた。
「このまま、大輔のほしい……」
 聞き間違えたのかと思った。横峯はスラックスをゆるめて、自分のものを出した。そのつもりだったからポケットに入れていたコンドームを素早く着ける。
「このまま、腰落として……」
 高大は素直に横峯のものを自分で腰を落として受け入れる。
「そのまま、ゆっくり下まで自分で下ろして」
「んっ……ふかぁい……あっ、無理……」
 ずんと横峯のものは高大の中におさまった。下から横峯は奥を突いた。
「はぁんっ……ちょ……ふかぁ……あっ……」
 高大は震えながら横峯にしがみついたのでキスをして、頭を撫でた。
「ふぁ……」
 キスが終わると高大の吐息が漏れる。
(かわいいかわいいかわいい……)
 高大の乱れる姿を見て横峯は頭が沸騰するような感覚になった。自分は温泉に入っていないのに温泉に入った高大の体温が自分の方に伝わって自分の体温が高くなっているような感覚。
 一旦落ち着きたくて横峯は動きを止めたが、横峯が動きを止めても、高大の動きは止まらなかった。
「待っ、て!」
 横峯は高大の腰をつかんで止めようとしたが、その時一層高大が深くまで横峯を飲み込んだので、こらえきれず出してしまった。
「うー……もう、高大。ストップ、ストップ」
 コンドームが外れそうで高大の動きを止めると、高大が熱のこもった目で横峯を見つめる。
「おねがい、もうちょっと……」
 おねだりされて、横峯はぐっと詰まって、それから、一気に自分のものを引き抜くと、一気にコンドームを外し、新しいコンドームをつけた。
「姿勢変えるよ」
 そう言ってゆっくり高大の身体を横峯が倒すと、また横峯のものは高大の中に入った。
「ふぁっ……ああっ……だいすけぇ……」
 高大が横峯の方にその両の手を伸ばしてきたので、横峯はその手を取った。
「ああ、そうだ」
 高大の手を取って思い出したように横峯は左手だけを離して、自分の服のポケットを探る。
「思い出したから、今渡すね」
 そう言って、横峯は右手で取った高大の左手に指輪をはめる。
「えっ……」
「大好きだよ。結婚してください」
 横峯はそのままグッと腰を押しつけて、高大を抱きしめた。
「ふぁぁぁ……あっ……うそぉ……」
 高大は抱きしめられながら震えた。


「ほんっとうに、これは、ない!!」
 高大は指輪のはまった左手をかかげながら、横峯をにらんだ。
「渡すタイミング!! ひどい本当にひどい!!」
 洗濯物を見つけた時の比ではないくらい怒っている高大を、横峯は部屋の座椅子に座って抱きしめている。
「うん……何か色々考えてたんだけど、どうしても今渡したいってなっちゃって」
「ありえない! だって、エッ……」
「それで、最低だから返事はノー?」
 高大があまりにも怒っているから、さっきから横峯は返事を聞きそびれていた。横峯が言うと、ムッと高大が黙るので、横峯は無理矢理その顔を覗き込んだ。
「……ばか。ハイって言うに決まってる」
 その顔はピンクに染まっていたので、横峯は高大をきつく抱きしめてキスを降らせた。


 部屋での夕食で、今日買ったワインを開ける。
 二人で乾杯しようとして、「何に?」と横峯が高大に問う。
「俺たちの未来に、とか恥ずかしいからやめてよ?」
 高大がキュッと顔をしかめるので、笑いながら横峯はグラスを上げた。
「就職してすぐ自分の結婚式だね、おめでとう!」
 顔を見合わせると、高大はこらえきれず笑ってしまう。
「乾杯!」
 飲んだワインの味を、忘れることはないだろう。
 そう思いながら、二人はグラスを傾けた。
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みんなの感想(5件)

穂祥 舞
2023.11.30 穂祥 舞

表紙絵が素敵で気になっていたのですが、先程一気読みしてしまいました。可愛らしいカップルに何だかとても癒されました……。
洗濯物を巡る2人の攻防(?)が、さりげなくオメガバースという設定に嵌っているのも素敵でした!

松本カナエ
2023.11.30 松本カナエ

一気読みしてくださり、ありがとうございます!!
pomeさんが表紙を描いてくださって、二人の解像度がめちゃめちゃ上がりました。
洗濯物の攻防楽しんでいただけたらとても嬉しいです!!

解除
朝倉真琴
2023.11.30 朝倉真琴

いろんな出逢いがどこにあるかわかりませんね❤これ!という仕事に出逢うのも運命的ですよね☺明るい未来が待っていますね✨自分も沢山幸せになって!沢山の幸せなカップルを世に送り出して欲しいです\(^o^)/❤

松本カナエ
2023.11.30 松本カナエ

ありがとうございます!
色んな運命にいつの間にか出逢っているんですね。
たくさんの幸せなカップルを送り出す話もいつか書きたいですね……

解除
深山恐竜
2023.11.29 深山恐竜

横峯くんがとっても一途でかわいくて…!
洗濯物をためこむのも、それを容赦なく洗われてしまうのも、どっちもかわいいっ!
そして横峯くんの心を思ってくすりと笑いました。
結婚式も楽しみにしています!

松本カナエ
2023.11.30 松本カナエ

お読みくださりありがとうございます!
洗濯物意図的にためる男横峯です。
表面上はだいぶ取り繕ってますが、皆さんに心の中想像していただき、実はめちゃめちゃかわいい男なのでは……と私も思っております。
ありがとうございます!!

解除

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