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5. 回る、回す ☆?
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ぬくもりを求めて、手をパタパタと動かすが、それがないことに気づき、横峯はハッと目を覚ました。
ベッドには高大の姿はなく、横峯はギュッと心臓が抉られるような気持ちになって、もそもそと起き上がった。
(こんな俺とは、一緒にいられないって……)
自嘲気味に横峯は思って、居間に出ると、ふとした違和感をおぼえた。
慌てて洗面所を覗くと、洗濯機を回してその脇にちょこんと座っている高大がいた。
「えっ?」
思わず横峯が間抜けな声を出すと、今気づいたというように高大が顔を上げ、横峯と目が合うと、真っ赤になってうつむく。
(あれ? 怒ってない……)
横峯は瞬きをして、もう一度高大を見る。うつむいて見える首筋がほんのり赤く染まっている。
(噛みたい……じゃなくて……)
「昨日はごめん。バッグの中にアフターピル入ってたから、勝手に飲ませちゃったけど、良かった?」
高大はビクリと肩を震わせる。
「怖がらせるつもりはなかったんだけど……ごめん」
横峯が謝ると、もう一度高大は顔を上げて首を振る。
「……俺こそ、何も考えられなくなっちゃって……い、い、入れてとか、言っちゃって、ごめんっ!」
カアッと真っ赤になりながら高大は言いつのると、勢い良く頭を下げる。横峯は目を擦った。都合のいい夢を見ているようで。
「その上、そのまま寝ちゃって……俺が急にヒートになっちゃって、横峯くんに余計な手間かけさせちゃったから……それで、その……多分なんだけど、な、中に出してもらったからだと思うんだけど、今ちょっとスッキリしてるから、今のうちに洗濯しちゃおうと思って……」
真っ赤になりながら、状況を説明してくれる高大に、また襲いかかりたい思いを打ち消しながら、横峯はボソリと言った。
「洗濯なんて後でいいのに……」
「いやいや、だって横峯くん、しないでしょ」
今までモジモジしていたのに、そこは間髪入れずに返してくる高大がおかしくて、横峯は幸せってこういうことなのかなとしみじみ噛みしめて、首筋を噛みたい気持ちを追いやった。
それにしても、高大の中では横峯は全く洗濯しない人間認定されている。それはちょっと落ち込む。
「浴室乾燥いいね」
ボソッとそんなことを言う高大に、「じゃあ一緒に住む?」と言いそうになり、横峯は慌てて首を振る。
「あ、やっぱり」
何がやっぱりなのか、高大は一人で納得すると、ハンガーにかけた洗濯物を浴室から移動しようとする。浴室乾燥で乾かそうとしてくれていたらしいその洗濯物を腕いっぱいに抱えた高大に、横峯は慌てる。
「え、どうしたの? どうするのこれ」
ひょいと取り返すと、高大は、「いや、外に干そうかなって」と言い出す。
「??」
「横峯くん、今からシャワー浴びるでしょ? それに浴室乾燥あんまり好きじゃないのかなって……」
さっきの曖昧な態度を浴室乾燥が好きではないと受け取った高大に、横峯は驚く。
「横峯くん、お日様みたいな匂いするから、やっぱりなぁって。外干しするのかなって」
高大はふわあっと笑う。
「じゃあ、外に干して、一緒にシャワー浴びよっか?」
ベランダに続くガラス戸を開けると、外の風がスーッと入り込んできて、熱くなった頬を撫でる。
「俺はもう浴びたからいいよ……」
途端にまた真っ赤になり、高大は目を伏せた。
「横峯くん、いっぱい中に出してくれたから、今ちょっと調子いいし、洗濯しちゃいたい」
危なく洗濯物を落としそうになって、横峯は慌てて物干しスペースに洗濯物をかけた。
もう、何回も中に出したとか言わないで欲しいと横峯はぐぅと唸りながら思案する。
「洗濯してたらシャワー浴びにくいし、洗濯機回してる間にやっぱり一緒にシャワー浴びよう?」
横峯はガラス戸を素早く閉めて、高大の手を取って浴室に向かう。
「ちょっ……」
困ったような高大の声を無視して、洗濯機をチラと見ると、数字が14と光っている。
「ほら、まだ14分ある」
数字を指差すと高大は「う」と小さな声をもらして、おずおずと頷く。
頷いた途端に高大は裸にむかれて、浴室に押し込まれた。
「えっ?」
あまりの手際に驚く高大に構わず、自分も服を脱いで横峯は浴室に飛び込んだ。
「14分しかないから、急ごう」
しれっと言う横峯に目をパチパチさせて、高大は落ち着いている今、裸で向き合っているのがとても恥ずかしくて、横峯から身体を背けた。
残念なことに背けた側に鏡があって、逆に見えていることに気づいて慌てている姿も愛らしく思えて、横峯は高大をぎゅうっと抱きしめた。
「ちゃんと中も洗えた?」
高大の耳もとに囁く横峯の声に、発情期の波がまた来そうで、高大は勢いよく頷いた。
「確認してもいい?」
スルッと横峯の手が尻を撫で、指が穴の周りをなぞる。
「確認しなくて大丈夫だか……っっ!!」
高大の返事を待たず、横峯の指は高大の穴の中に侵入する。
「ひぅっ……」
ぐりぐりと指で中を確認され、全部かき出したはずなのに、中がじんわり濡れて、ぐちゅぐちゅと音が響き始める。
「んっ……はぁっ」
高大は横峯にすがる。横峯は中をかき混ぜるように指を回すと、小さな声で「濡れてきちゃったね」と言った。
「……んふぅ……ま……まってぇ……」
ふと、不意に横峯は高大が待っては言うけどやめてとは言っていないことに気づいた。
ピタリと横峯が指を動かす手をとめる。そのままでいると、逆にピクピクと内側がうごめいているのを感じて、横峯はぞくぞくした。
動かない指に焦れて、高大が震えるようにピクピク動き出すと、横峯は高大のいいところを掠める。
「ひゃぁう!! ……ああっ……! え? あっあっ……っ!!」
高大がビクリと跳ねて、痙攣するように身体を震わせた時、空気を壊すように、洗面所の方からピーッピーッと洗濯が終わったことを知らせる音が鳴った。
ベッドには高大の姿はなく、横峯はギュッと心臓が抉られるような気持ちになって、もそもそと起き上がった。
(こんな俺とは、一緒にいられないって……)
自嘲気味に横峯は思って、居間に出ると、ふとした違和感をおぼえた。
慌てて洗面所を覗くと、洗濯機を回してその脇にちょこんと座っている高大がいた。
「えっ?」
思わず横峯が間抜けな声を出すと、今気づいたというように高大が顔を上げ、横峯と目が合うと、真っ赤になってうつむく。
(あれ? 怒ってない……)
横峯は瞬きをして、もう一度高大を見る。うつむいて見える首筋がほんのり赤く染まっている。
(噛みたい……じゃなくて……)
「昨日はごめん。バッグの中にアフターピル入ってたから、勝手に飲ませちゃったけど、良かった?」
高大はビクリと肩を震わせる。
「怖がらせるつもりはなかったんだけど……ごめん」
横峯が謝ると、もう一度高大は顔を上げて首を振る。
「……俺こそ、何も考えられなくなっちゃって……い、い、入れてとか、言っちゃって、ごめんっ!」
カアッと真っ赤になりながら高大は言いつのると、勢い良く頭を下げる。横峯は目を擦った。都合のいい夢を見ているようで。
「その上、そのまま寝ちゃって……俺が急にヒートになっちゃって、横峯くんに余計な手間かけさせちゃったから……それで、その……多分なんだけど、な、中に出してもらったからだと思うんだけど、今ちょっとスッキリしてるから、今のうちに洗濯しちゃおうと思って……」
真っ赤になりながら、状況を説明してくれる高大に、また襲いかかりたい思いを打ち消しながら、横峯はボソリと言った。
「洗濯なんて後でいいのに……」
「いやいや、だって横峯くん、しないでしょ」
今までモジモジしていたのに、そこは間髪入れずに返してくる高大がおかしくて、横峯は幸せってこういうことなのかなとしみじみ噛みしめて、首筋を噛みたい気持ちを追いやった。
それにしても、高大の中では横峯は全く洗濯しない人間認定されている。それはちょっと落ち込む。
「浴室乾燥いいね」
ボソッとそんなことを言う高大に、「じゃあ一緒に住む?」と言いそうになり、横峯は慌てて首を振る。
「あ、やっぱり」
何がやっぱりなのか、高大は一人で納得すると、ハンガーにかけた洗濯物を浴室から移動しようとする。浴室乾燥で乾かそうとしてくれていたらしいその洗濯物を腕いっぱいに抱えた高大に、横峯は慌てる。
「え、どうしたの? どうするのこれ」
ひょいと取り返すと、高大は、「いや、外に干そうかなって」と言い出す。
「??」
「横峯くん、今からシャワー浴びるでしょ? それに浴室乾燥あんまり好きじゃないのかなって……」
さっきの曖昧な態度を浴室乾燥が好きではないと受け取った高大に、横峯は驚く。
「横峯くん、お日様みたいな匂いするから、やっぱりなぁって。外干しするのかなって」
高大はふわあっと笑う。
「じゃあ、外に干して、一緒にシャワー浴びよっか?」
ベランダに続くガラス戸を開けると、外の風がスーッと入り込んできて、熱くなった頬を撫でる。
「俺はもう浴びたからいいよ……」
途端にまた真っ赤になり、高大は目を伏せた。
「横峯くん、いっぱい中に出してくれたから、今ちょっと調子いいし、洗濯しちゃいたい」
危なく洗濯物を落としそうになって、横峯は慌てて物干しスペースに洗濯物をかけた。
もう、何回も中に出したとか言わないで欲しいと横峯はぐぅと唸りながら思案する。
「洗濯してたらシャワー浴びにくいし、洗濯機回してる間にやっぱり一緒にシャワー浴びよう?」
横峯はガラス戸を素早く閉めて、高大の手を取って浴室に向かう。
「ちょっ……」
困ったような高大の声を無視して、洗濯機をチラと見ると、数字が14と光っている。
「ほら、まだ14分ある」
数字を指差すと高大は「う」と小さな声をもらして、おずおずと頷く。
頷いた途端に高大は裸にむかれて、浴室に押し込まれた。
「えっ?」
あまりの手際に驚く高大に構わず、自分も服を脱いで横峯は浴室に飛び込んだ。
「14分しかないから、急ごう」
しれっと言う横峯に目をパチパチさせて、高大は落ち着いている今、裸で向き合っているのがとても恥ずかしくて、横峯から身体を背けた。
残念なことに背けた側に鏡があって、逆に見えていることに気づいて慌てている姿も愛らしく思えて、横峯は高大をぎゅうっと抱きしめた。
「ちゃんと中も洗えた?」
高大の耳もとに囁く横峯の声に、発情期の波がまた来そうで、高大は勢いよく頷いた。
「確認してもいい?」
スルッと横峯の手が尻を撫で、指が穴の周りをなぞる。
「確認しなくて大丈夫だか……っっ!!」
高大の返事を待たず、横峯の指は高大の穴の中に侵入する。
「ひぅっ……」
ぐりぐりと指で中を確認され、全部かき出したはずなのに、中がじんわり濡れて、ぐちゅぐちゅと音が響き始める。
「んっ……はぁっ」
高大は横峯にすがる。横峯は中をかき混ぜるように指を回すと、小さな声で「濡れてきちゃったね」と言った。
「……んふぅ……ま……まってぇ……」
ふと、不意に横峯は高大が待っては言うけどやめてとは言っていないことに気づいた。
ピタリと横峯が指を動かす手をとめる。そのままでいると、逆にピクピクと内側がうごめいているのを感じて、横峯はぞくぞくした。
動かない指に焦れて、高大が震えるようにピクピク動き出すと、横峯は高大のいいところを掠める。
「ひゃぁう!! ……ああっ……! え? あっあっ……っ!!」
高大がビクリと跳ねて、痙攣するように身体を震わせた時、空気を壊すように、洗面所の方からピーッピーッと洗濯が終わったことを知らせる音が鳴った。
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