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[ダニエル視点] 後②
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鋭く重い一音が空気を震わせ、鼓膜を揺さぶるのと同時に、ノエル嬢が切り裂くような声で詠唱する。
「火の妖精よ! その身に宿る厭悪をもって我が敵を塵と化せ! 爆散せよ!」
待ってくれ。あの子、初手からとんでもない魔法使ったぞ。
杖の先端に収束した火の魔力が球となり、真っ直ぐに打ち出される。
灼熱の魔球は対象を一メートル圏内に捉えると直ちに爆発し、無数に分かれた火球を前方へと弾き出す。障壁があるとはいえ対人に使用するには躊躇うだろう爆散魔法を、初めの一撃で放つとは。
「顔に似合わずえげつないことするのね、嫌いじゃないわ」
対するミミィは相手にとって不足なし、と言わんばかりに不敵な笑みを浮かべ、重心を低く構えると、地を蹴り前へと駆け出した。
射程圏内に入った火球が弾け飛ぶ。通常の戦闘であれば顔面を削り取り頭蓋骨を破壊し、上半身を穴だらけに焼き溶かし内部から爆破する魔力の塊。
襲い来る無数の球を、ミミィはコンヘラル鋼の長剣で薙ぎ払った。
「────なっ!? わ、私の魔法を弾くなんて! 一体どのような素材で出来てるんですその剣は!!」
「ダン! この無知な小娘に教えてやりなさい!」
あ、説明が面倒だからって投げたな。
ミミィの反撃に狼狽えつつも、見事炎の障壁により追撃を避けたノエル嬢に聞こえるように、声を張る。
「北の都ヒエムストの氷山から採れたコンヘラル鋼だ。あらゆる魔法の『発動』を凍りつかせ、無に帰す覇者の剣──と、鍛冶屋は言っていた」
「魔法剣! それも至上鋼とは、全く、驚かせてくれるものですね!」
俺としては、ノエル嬢の威勢に驚いているところだ。大抵、魔法師を目指す学生は魔法での攻撃手段を絶たれると戦意を喪失しがちである。
これまで磨いてきた技術が通用しない相手、となれば攻撃手段を変える他ない訳だが、切羽詰まった戦闘中に慣れない手段に頼るのは大分神経をすり減らす行為だ。
早々に諦め、負けを受け入れてしまった方が楽ではある。どうせ、学内の決闘であるのだし。
「優秀な剣術使いであることは認めましょう! ですが、あくまでも剣は使い手の力を発揮するための道具────貴方に相応の腕があるかどうか、試させて頂きます!」
ノエル嬢は自身の首を薙ぐように振るわれた一閃をまたも躱し、長杖を地へと突き立てた。ローブを翻し、懐から短剣を取り出したノエル嬢が、迷い無く自身の手の平を裂く。
「契約の女神エルミティアに捧ぐ! 我が血肉、我が命、我が魂を対価とし、異界の門より破邪顕正の王を顕現せよ!」
障壁無効の自傷ダメージによりゲージが極限まで削られ、握られた拳から滴る血が、赤く燃えるように輝く。
召喚魔法とは、これまた派手なものをぶちかましてくれたものだ。
確かにこれならば魔法を無効化するコンヘラル鋼にも物理的に干渉できる。
だが一体、彼女は何を喚び出したのか――――当初、冷やかし半分で見に来ていただろう観客達は、背後に広がる魔方陣の向こうから現れた『名も無き八首の竜王』を目にした瞬間、彼方此方で悲鳴を上げた。
召喚師にとって『絶対の六王』と呼ばれる最高位召喚魔の中でも特に召喚難度の高い竜王を、こうもたやすく召喚するとは。もはや〝特待生〟などと言う言葉では到底足りない、千年に一人の逸材である。
ノエル嬢を入学させた際、授業料免除どころか報奨金が出た、という噂もあながち間違いではなかったということか。
ノエル嬢がミミィの実力を侮っていたのと同じ程度には、此方もノエル嬢を侮っていたのかもしれない。
「あら! 古龍召喚なんて、随分と面白いことするわね」
弾むようにトーンを上げたミミィの声に、俺は何処か頭痛を覚えつつ空を見上げた。
あれは完全に、『お気に入り』を見つけた時の反応である。どうやら、ノエル嬢に相当興味を唆られてしまったようだ。
八首の竜王は、その首ごとに魔法属性が異なる。火/水/土/木/雷/毒/光/闇の八種の属性が高威力の息吹となって放たれる上、黒く艶やかな鱗は『物理攻撃』以外の全ての魔法を無効化し、地を揺らす巨体は爪を振るうだけで街を薙ぎ払うとまで言われている。
正直、一対一の決闘で召喚するような存在ではない。決して無い。
審判の教師は既に蒼白顔で、地に降り立つ古龍を見上げている。
俺もうこの仕事辞めようかな、と思っているのがありありと分かった。俺としては辞めないで貰えると有り難い。彼の授業は分かりやすくて好きだ。
闘技場に張り巡らされた三重防衛魔法が軋む音がする。空を破ろうかと言わんばかりに大気を震わせる古龍の咆哮に、観客席の数人が気絶した。
対するミミィの顔は涼しいものだ。口元に余裕たっぷりの、どころか、ひどく楽しげな笑みすら浮かべている。
「〝対価〟を払ったとはいえ、たった一人で古龍を召喚せしめるなんて面白い方ね。ただの愚か者かと思っていたのだけれど、どうやら度を越した愚か者のようだわ」
「貴方のような者に褒めて頂かなくとも結構!」
「いえ、特に褒めてはいないけれど。もう、貴方って、本当にお馬鹿さんなのね」
心底楽しんでいる声で笑ったミミィは、静かに左手を前方へ伸ばし、掌を地へと向けるや否や詠唱を開始した。
艶やかな声が静かに呪言を詠み上げる。
「《死は甘く 終焉は芳しく
腐敗と患苦 彼等こそが愛しき臣下
我が礎となり 玉座へと導き給え》
『腐朽の軍団』」
途端、ミミィが手を翳していた地を突き破るようにして、無数の腕が現れた。
守るべき『王』を中心に、半径十メートルの円の中で次々に現れた屍人の兵士達は、瞬く間に出現範囲を拡大し、統率の取れた軍隊となる。
目には目を、召喚魔法には召喚魔法、という訳だ。
「────グールの軍隊ですか! 竜王様! 光の息吹を!」
一糸乱れぬ連携で古龍の鱗を貫きにかかる腐朽の軍団を前に、ノエル嬢が指示を出すが、屍人の兵士は堪えた様子もなく巨躯へと群がる。
「な、なんて規格外な……!」
通常、グールと呼ばれる屍人たちは光魔法を忌避しているが、ミミィの臣下達には意味を為さない。彼等の属性は闇ではなく、『悪』である。
ちなみに彼等、普通に俺のことも襲ってくるので、それとなく、更に距離を取っておいた。五体くらいなら何とかするが、流石にあの量は困る。
今度こそ戦意喪失したように思えたノエル嬢だったが、軍団の群れが掲げた玉座に座り足を組むミミィを見上げる彼女の目には、未だ強い輝きがあった。
「此処までの実力者とは思いませんでした! もし違った形で出会えていたら、是非とも友人になりたかったものです……!」
「そう? 私は今でも大歓迎なのだけれど、どうかしら?」
「ご冗談を! 貴方は倒すべき悪であり、虐げられる一般生徒の為、そして男爵様とロザリーから受けた恩に報いる為、私は全力を尽くさねばならないのです!」
大歓迎、とまで来てしまった。相当お気に入りになってしまったようで、ノエル嬢の未来を、これまでとは別の意味で案じるしかない。
それにしても、いよいよ決闘ではなく戦争、しかも大戦争の様相を呈してきたな。
焚き付けた当の本人ですら、こんなことになるとは思っていなかったのか、観客席のロザリー嬢は少々引き攣った笑みを浮かべている。
そりゃそうだろう、『神話級の古龍』対『禁忌の軍隊』による全面戦争である。恐怖を覚えない方が難しい。
八色の息吹を吐き出し、時に焼き払い、時に凍り付かせ、無数の落雷を発生させながら暴れる古龍と、其の体にまとわりつく不死の軍団。
夢に出そうだな、と何処か遠くを見つめつつ溜息を吐いた其の時、ミミィが動いた。
「火の妖精よ! その身に宿る厭悪をもって我が敵を塵と化せ! 爆散せよ!」
待ってくれ。あの子、初手からとんでもない魔法使ったぞ。
杖の先端に収束した火の魔力が球となり、真っ直ぐに打ち出される。
灼熱の魔球は対象を一メートル圏内に捉えると直ちに爆発し、無数に分かれた火球を前方へと弾き出す。障壁があるとはいえ対人に使用するには躊躇うだろう爆散魔法を、初めの一撃で放つとは。
「顔に似合わずえげつないことするのね、嫌いじゃないわ」
対するミミィは相手にとって不足なし、と言わんばかりに不敵な笑みを浮かべ、重心を低く構えると、地を蹴り前へと駆け出した。
射程圏内に入った火球が弾け飛ぶ。通常の戦闘であれば顔面を削り取り頭蓋骨を破壊し、上半身を穴だらけに焼き溶かし内部から爆破する魔力の塊。
襲い来る無数の球を、ミミィはコンヘラル鋼の長剣で薙ぎ払った。
「────なっ!? わ、私の魔法を弾くなんて! 一体どのような素材で出来てるんですその剣は!!」
「ダン! この無知な小娘に教えてやりなさい!」
あ、説明が面倒だからって投げたな。
ミミィの反撃に狼狽えつつも、見事炎の障壁により追撃を避けたノエル嬢に聞こえるように、声を張る。
「北の都ヒエムストの氷山から採れたコンヘラル鋼だ。あらゆる魔法の『発動』を凍りつかせ、無に帰す覇者の剣──と、鍛冶屋は言っていた」
「魔法剣! それも至上鋼とは、全く、驚かせてくれるものですね!」
俺としては、ノエル嬢の威勢に驚いているところだ。大抵、魔法師を目指す学生は魔法での攻撃手段を絶たれると戦意を喪失しがちである。
これまで磨いてきた技術が通用しない相手、となれば攻撃手段を変える他ない訳だが、切羽詰まった戦闘中に慣れない手段に頼るのは大分神経をすり減らす行為だ。
早々に諦め、負けを受け入れてしまった方が楽ではある。どうせ、学内の決闘であるのだし。
「優秀な剣術使いであることは認めましょう! ですが、あくまでも剣は使い手の力を発揮するための道具────貴方に相応の腕があるかどうか、試させて頂きます!」
ノエル嬢は自身の首を薙ぐように振るわれた一閃をまたも躱し、長杖を地へと突き立てた。ローブを翻し、懐から短剣を取り出したノエル嬢が、迷い無く自身の手の平を裂く。
「契約の女神エルミティアに捧ぐ! 我が血肉、我が命、我が魂を対価とし、異界の門より破邪顕正の王を顕現せよ!」
障壁無効の自傷ダメージによりゲージが極限まで削られ、握られた拳から滴る血が、赤く燃えるように輝く。
召喚魔法とは、これまた派手なものをぶちかましてくれたものだ。
確かにこれならば魔法を無効化するコンヘラル鋼にも物理的に干渉できる。
だが一体、彼女は何を喚び出したのか――――当初、冷やかし半分で見に来ていただろう観客達は、背後に広がる魔方陣の向こうから現れた『名も無き八首の竜王』を目にした瞬間、彼方此方で悲鳴を上げた。
召喚師にとって『絶対の六王』と呼ばれる最高位召喚魔の中でも特に召喚難度の高い竜王を、こうもたやすく召喚するとは。もはや〝特待生〟などと言う言葉では到底足りない、千年に一人の逸材である。
ノエル嬢を入学させた際、授業料免除どころか報奨金が出た、という噂もあながち間違いではなかったということか。
ノエル嬢がミミィの実力を侮っていたのと同じ程度には、此方もノエル嬢を侮っていたのかもしれない。
「あら! 古龍召喚なんて、随分と面白いことするわね」
弾むようにトーンを上げたミミィの声に、俺は何処か頭痛を覚えつつ空を見上げた。
あれは完全に、『お気に入り』を見つけた時の反応である。どうやら、ノエル嬢に相当興味を唆られてしまったようだ。
八首の竜王は、その首ごとに魔法属性が異なる。火/水/土/木/雷/毒/光/闇の八種の属性が高威力の息吹となって放たれる上、黒く艶やかな鱗は『物理攻撃』以外の全ての魔法を無効化し、地を揺らす巨体は爪を振るうだけで街を薙ぎ払うとまで言われている。
正直、一対一の決闘で召喚するような存在ではない。決して無い。
審判の教師は既に蒼白顔で、地に降り立つ古龍を見上げている。
俺もうこの仕事辞めようかな、と思っているのがありありと分かった。俺としては辞めないで貰えると有り難い。彼の授業は分かりやすくて好きだ。
闘技場に張り巡らされた三重防衛魔法が軋む音がする。空を破ろうかと言わんばかりに大気を震わせる古龍の咆哮に、観客席の数人が気絶した。
対するミミィの顔は涼しいものだ。口元に余裕たっぷりの、どころか、ひどく楽しげな笑みすら浮かべている。
「〝対価〟を払ったとはいえ、たった一人で古龍を召喚せしめるなんて面白い方ね。ただの愚か者かと思っていたのだけれど、どうやら度を越した愚か者のようだわ」
「貴方のような者に褒めて頂かなくとも結構!」
「いえ、特に褒めてはいないけれど。もう、貴方って、本当にお馬鹿さんなのね」
心底楽しんでいる声で笑ったミミィは、静かに左手を前方へ伸ばし、掌を地へと向けるや否や詠唱を開始した。
艶やかな声が静かに呪言を詠み上げる。
「《死は甘く 終焉は芳しく
腐敗と患苦 彼等こそが愛しき臣下
我が礎となり 玉座へと導き給え》
『腐朽の軍団』」
途端、ミミィが手を翳していた地を突き破るようにして、無数の腕が現れた。
守るべき『王』を中心に、半径十メートルの円の中で次々に現れた屍人の兵士達は、瞬く間に出現範囲を拡大し、統率の取れた軍隊となる。
目には目を、召喚魔法には召喚魔法、という訳だ。
「────グールの軍隊ですか! 竜王様! 光の息吹を!」
一糸乱れぬ連携で古龍の鱗を貫きにかかる腐朽の軍団を前に、ノエル嬢が指示を出すが、屍人の兵士は堪えた様子もなく巨躯へと群がる。
「な、なんて規格外な……!」
通常、グールと呼ばれる屍人たちは光魔法を忌避しているが、ミミィの臣下達には意味を為さない。彼等の属性は闇ではなく、『悪』である。
ちなみに彼等、普通に俺のことも襲ってくるので、それとなく、更に距離を取っておいた。五体くらいなら何とかするが、流石にあの量は困る。
今度こそ戦意喪失したように思えたノエル嬢だったが、軍団の群れが掲げた玉座に座り足を組むミミィを見上げる彼女の目には、未だ強い輝きがあった。
「此処までの実力者とは思いませんでした! もし違った形で出会えていたら、是非とも友人になりたかったものです……!」
「そう? 私は今でも大歓迎なのだけれど、どうかしら?」
「ご冗談を! 貴方は倒すべき悪であり、虐げられる一般生徒の為、そして男爵様とロザリーから受けた恩に報いる為、私は全力を尽くさねばならないのです!」
大歓迎、とまで来てしまった。相当お気に入りになってしまったようで、ノエル嬢の未来を、これまでとは別の意味で案じるしかない。
それにしても、いよいよ決闘ではなく戦争、しかも大戦争の様相を呈してきたな。
焚き付けた当の本人ですら、こんなことになるとは思っていなかったのか、観客席のロザリー嬢は少々引き攣った笑みを浮かべている。
そりゃそうだろう、『神話級の古龍』対『禁忌の軍隊』による全面戦争である。恐怖を覚えない方が難しい。
八色の息吹を吐き出し、時に焼き払い、時に凍り付かせ、無数の落雷を発生させながら暴れる古龍と、其の体にまとわりつく不死の軍団。
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