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第582話 全力で迎えに行く
しおりを挟む「・・ん?」
寝ていると違和感を感じた
洋介の子供体温が、心地よい重みが消えた
洋介が夜に何処か別の国に行くことは珍しいことじゃない
レアナー教や異世界、子どもたちのためにと苦を苦とも思わずに働く子だから
さすがうちの子と誇らしく思えるが少し寂しい気もする
・・・だけど、何かがおかしい
膨らみがあった場所にはまだぬくもりが残っている
いつもなら私を気遣って私が気づかないように布団から出ていくのに、布団にふっと風が入ったような気がした
あれかな、洋介も思春期?だし、私もベタベタ絡みすぎたか?それとも寝相の悪かった私への仕返しか?
「ゆーしゃは!!?」
「セー?いなくなったけど」
「全員集めて!今すぐ!!ゆーしゃが連れて行かれたっ!!俺達じゃ干渉できないっ!!」
「――――は?」
ゾッとして、考えたくもない『その時』が来たことを知った
洋介は笑い飛ばしていたけど死の予言、かも知れない
すぐに全員起こしてこの城にいる戦えるものを呼び出した
嫌だ、私達はこれから、これからでしょう?
緊急事態に集まったのは私にヨーコに黒葉にミルミミス、それに異世界から来たアブサンとミード、領地間の連絡も必要かも知れないし、命をかけることを了承した聖騎士部の皆、暗部の人達に徳田さん達、内田さんも来た
スライムに鎧達にタカくんもついてくる
「私達も行くわ」
「うん、兄貴、城のことは任せたぜ☆」
「気をつけてな」
栄介お義父さんと詩乃お義母さんも一緒だ
康介おじさんも当然のように送り出している
二人は慣れた手付きでゴーレムに乗ってきた、ドラゴンのようなゴーレムと姿を消せる人型ゴーレム
出てきて顔を見せてくれた
「息子のピンチだ、俺達がいかなきゃな」
「そーね、こう見えても私達強いのよ?貴方、マガジンを入れ忘れてるわ」
「すまんすまん、じゃあ行こうか」
「でも、危ないかも知れませんよっ!?」
引き籠もっていてばかりだったお義父さん達、本気?
「うん、知ってるよ、遥ちゃん、俺達の二度目の生をくれたのは洋介だ」
「うん、身体がばらばらになってもよう君頑張ってくれたしね・・家族のためなら私達だって頑張れるわ、貴方、ロケットランチャーと対物狙撃銃も持っていくわ」
なんか詩乃さんが物騒なことを言っている
私達が知らないうちに暗部の元スパイの人達になにか教わっていたのかもしれない
「わかりました・・洋介を連れて帰りましょう!」
「ふふっ、がんばりましょうね」
できるだけ面積をとらないように、詩乃お義母さんと栄介お義父さんのゴーレムに乗り込む
城と同じく詩乃お義母さんのドラゴン型ゴーレムai0139は見た目よりもかなり中が広い
セーの転移にも限界がある
世界的有名人でこちらで広報のできるボブや聖騎士候補達の中でも未熟なものにはこちらのことを任せる
「<気をつけていってきてください、くれぐれもあなた達も怪我しないようにするですぅ・・あなた達が怪我したら洋介は悲しむですぅ>」
「わかりました、レアナーさま、こちらをおねがいします・・セー」
「うん、行こう」
全員いつでも戦える状態で領地に【転移】してもらった
向こうの状況がわからないし、最悪既に戦場になっているかもしれない
「ダリアっ!」
「ハルネー!ヨウスケは?!」
「突然いなくなったの!」
「チィっ!!」
領地は無事であった、だが中央の広場でダリアが慌てていた
騒がしく、人を集めていた
「ヨウスケの気配を一瞬だが感じた」
「何処に?」
「ザウスキアの首都の方だ、ついさっきな、クソ!クソクソクソクソぉっ!!!??ありえねぇはずだ!ありえねぇはずだがっ・・・・・ハルネーが来たってことはそうなんだな!?」
「我らでは首都まですぐ行くことは出来ない、だから人を集めているところだ」
「それじゃあ間に合わねーよ!」
「落ち着いてください、元杉神官のもとに行く方法はあります」
「なんだと!クロバ・・だったな?嘘ついたら殴んぞ!!?」
「グルルルル」
ルールが唸ると同時にエゼルが奈美とダリアの間に剣を割っていれた
「落ち着きなさい、ダリア、彼女もヨウスケ殿の嫁御です、彼女も心配しているのはわかるでしょう?」
「・・すまねぇ」
「こちらには神器のドラゴンゴーレムとミルミミスがいます、今すぐに飛んでいくことが出来ます」
「・・わかった!クソチビ!!わかってると思うが今度裏切ったらぶっ殺すかんな!!!」
「わかってますわ!急いでくださいまし!」
「おう!」
聖騎士部の人達や地球の仲間には領地で入れ違いを防ぐためにいてもらう、他に遥亮の異変を察知した洋介の旅の仲間がこちらに向かってきたのなら状況を知らせてもらいたい
無線機が領の館にあるそうだしGに無線機を渡してルールと繋がるか確認してもらいに行く
アダバンタスやニロン、関羽にロム、狐の双子、タヌカもセーの前に膝をついてでてきたので連れて行く
今は時間が惜しい
すぐさま詩乃お義母さんのドラゴン型ゴーレムに乗り込む
「爆弾には触っちゃ駄目よ~、貴方、愛してるわ」
「俺もだ!さぁ!洋介を迎えに行こうか!!」
「はい!」
赤いドラゴンに見えるゴーレムの中は意外と広い、少しいつもの詩乃さんの天然が見え隠れしたが物騒だ
栄介お義父さんは人型ゴーレムに乗って・・ドラゴン型ゴーレムが肩の辺りで掴んで透明になった
「さぁいくよっ!」
「キュクルルル!!」
道を知っている・・連合軍による誤射を防ぐことのできるわかりやすい看板となるアダバンタスは生身でミルミミスの横に浮かせてついてきてもらう
弾丸のように空を飛んで一気に洋介のもとに行く
こんなところで終わらせない、待ってて、洋介っ
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