596 / 618
第582話 全力で迎えに行く
しおりを挟む「・・ん?」
寝ていると違和感を感じた
洋介の子供体温が、心地よい重みが消えた
洋介が夜に何処か別の国に行くことは珍しいことじゃない
レアナー教や異世界、子どもたちのためにと苦を苦とも思わずに働く子だから
さすがうちの子と誇らしく思えるが少し寂しい気もする
・・・だけど、何かがおかしい
膨らみがあった場所にはまだぬくもりが残っている
いつもなら私を気遣って私が気づかないように布団から出ていくのに、布団にふっと風が入ったような気がした
あれかな、洋介も思春期?だし、私もベタベタ絡みすぎたか?それとも寝相の悪かった私への仕返しか?
「ゆーしゃは!!?」
「セー?いなくなったけど」
「全員集めて!今すぐ!!ゆーしゃが連れて行かれたっ!!俺達じゃ干渉できないっ!!」
「――――は?」
ゾッとして、考えたくもない『その時』が来たことを知った
洋介は笑い飛ばしていたけど死の予言、かも知れない
すぐに全員起こしてこの城にいる戦えるものを呼び出した
嫌だ、私達はこれから、これからでしょう?
緊急事態に集まったのは私にヨーコに黒葉にミルミミス、それに異世界から来たアブサンとミード、領地間の連絡も必要かも知れないし、命をかけることを了承した聖騎士部の皆、暗部の人達に徳田さん達、内田さんも来た
スライムに鎧達にタカくんもついてくる
「私達も行くわ」
「うん、兄貴、城のことは任せたぜ☆」
「気をつけてな」
栄介お義父さんと詩乃お義母さんも一緒だ
康介おじさんも当然のように送り出している
二人は慣れた手付きでゴーレムに乗ってきた、ドラゴンのようなゴーレムと姿を消せる人型ゴーレム
出てきて顔を見せてくれた
「息子のピンチだ、俺達がいかなきゃな」
「そーね、こう見えても私達強いのよ?貴方、マガジンを入れ忘れてるわ」
「すまんすまん、じゃあ行こうか」
「でも、危ないかも知れませんよっ!?」
引き籠もっていてばかりだったお義父さん達、本気?
「うん、知ってるよ、遥ちゃん、俺達の二度目の生をくれたのは洋介だ」
「うん、身体がばらばらになってもよう君頑張ってくれたしね・・家族のためなら私達だって頑張れるわ、貴方、ロケットランチャーと対物狙撃銃も持っていくわ」
なんか詩乃さんが物騒なことを言っている
私達が知らないうちに暗部の元スパイの人達になにか教わっていたのかもしれない
「わかりました・・洋介を連れて帰りましょう!」
「ふふっ、がんばりましょうね」
できるだけ面積をとらないように、詩乃お義母さんと栄介お義父さんのゴーレムに乗り込む
城と同じく詩乃お義母さんのドラゴン型ゴーレムai0139は見た目よりもかなり中が広い
セーの転移にも限界がある
世界的有名人でこちらで広報のできるボブや聖騎士候補達の中でも未熟なものにはこちらのことを任せる
「<気をつけていってきてください、くれぐれもあなた達も怪我しないようにするですぅ・・あなた達が怪我したら洋介は悲しむですぅ>」
「わかりました、レアナーさま、こちらをおねがいします・・セー」
「うん、行こう」
全員いつでも戦える状態で領地に【転移】してもらった
向こうの状況がわからないし、最悪既に戦場になっているかもしれない
「ダリアっ!」
「ハルネー!ヨウスケは?!」
「突然いなくなったの!」
「チィっ!!」
領地は無事であった、だが中央の広場でダリアが慌てていた
騒がしく、人を集めていた
「ヨウスケの気配を一瞬だが感じた」
「何処に?」
「ザウスキアの首都の方だ、ついさっきな、クソ!クソクソクソクソぉっ!!!??ありえねぇはずだ!ありえねぇはずだがっ・・・・・ハルネーが来たってことはそうなんだな!?」
「我らでは首都まですぐ行くことは出来ない、だから人を集めているところだ」
「それじゃあ間に合わねーよ!」
「落ち着いてください、元杉神官のもとに行く方法はあります」
「なんだと!クロバ・・だったな?嘘ついたら殴んぞ!!?」
「グルルルル」
ルールが唸ると同時にエゼルが奈美とダリアの間に剣を割っていれた
「落ち着きなさい、ダリア、彼女もヨウスケ殿の嫁御です、彼女も心配しているのはわかるでしょう?」
「・・すまねぇ」
「こちらには神器のドラゴンゴーレムとミルミミスがいます、今すぐに飛んでいくことが出来ます」
「・・わかった!クソチビ!!わかってると思うが今度裏切ったらぶっ殺すかんな!!!」
「わかってますわ!急いでくださいまし!」
「おう!」
聖騎士部の人達や地球の仲間には領地で入れ違いを防ぐためにいてもらう、他に遥亮の異変を察知した洋介の旅の仲間がこちらに向かってきたのなら状況を知らせてもらいたい
無線機が領の館にあるそうだしGに無線機を渡してルールと繋がるか確認してもらいに行く
アダバンタスやニロン、関羽にロム、狐の双子、タヌカもセーの前に膝をついてでてきたので連れて行く
今は時間が惜しい
すぐさま詩乃お義母さんのドラゴン型ゴーレムに乗り込む
「爆弾には触っちゃ駄目よ~、貴方、愛してるわ」
「俺もだ!さぁ!洋介を迎えに行こうか!!」
「はい!」
赤いドラゴンに見えるゴーレムの中は意外と広い、少しいつもの詩乃さんの天然が見え隠れしたが物騒だ
栄介お義父さんは人型ゴーレムに乗って・・ドラゴン型ゴーレムが肩の辺りで掴んで透明になった
「さぁいくよっ!」
「キュクルルル!!」
道を知っている・・連合軍による誤射を防ぐことのできるわかりやすい看板となるアダバンタスは生身でミルミミスの横に浮かせてついてきてもらう
弾丸のように空を飛んで一気に洋介のもとに行く
こんなところで終わらせない、待ってて、洋介っ
1
お気に入りに追加
123
あなたにおすすめの小説

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー
すもも太郎
ファンタジー
この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)
主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)
しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。
命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥
※1話1500文字くらいで書いております

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々
於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。
今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが……
(タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる