571 / 618
第557話 クラーケン料理と異世界料理
しおりを挟むクラーケンの解体を大まかに終わってご飯を食べることにした
この作業、どこかで終わらせないと何日も終わらないしね
道具や人を準備するとやっぱり早い、準備無しで蝿のたかる中で一人で魔獣を解体してる人もいるがあぁいうのは肉も痛むし良くない
「これ・・食べれるのですか?」
「食べれるようですね」
「基本はイカやタコの仲間でしょう・・・と言うと!そう!タコヤキの出番ですわ!!」
大きさからしてもイカやタコの仲間には見えないが、こちらの世界でも10メートルのイカはいるそうだし、向こうは魔力が豊富だからかな?
「あの、洋介さん・・」
「おぉ!動いた!動いたぞ!!?」
「口開けて見せてくださーい!!!」
「足の指の毛取った!毛ぇ取った!!DNA検査しようぜ!!!」
「「「おぉ~~」」」
科学者も『アダバンタスの大きさは生物的にありえない』となんか盛り上がっている
巨人族の大きさは人間からかけ離れている
アダバンタスは純人族から産まれて先祖返りを起こしただけあってかなり大きい方だが、真の巨人族はもっと大きいし、大きさに限度がない
古代巨人種、または巨神種は神だ
山を踏み潰せるサイズだけあって世界を作っては別の世界に行くか、神域に行くか、巨神族の世界に行く
だからそもそも巨人族自体が珍しい・・・毛で何する気なんだろう?
科学者たちを蹴散らしてご飯にする
タコっぽいと言えばタコっぽいがクラーケンはクラーケンだ
一応しっかり加熱して食べることにした
細かく刻んで茹でてからタコヤキにしているヨーコ
直子お義母さん達のチームはオリーブオイルとにんにくでアヒージョを作ってるようだ
なるほど、油で茹でれば問題はないのかもしれない
はるねーちゃんは肉料理に取り掛かっている
「エゼル、フィル、お肉色々あるけどどんなのが食べたい?」
「肉が選べるだけあるのか?無理はしてないか?」
「私たちはゲーガの肉でも大丈夫ですよ?」
「こっちの世界ではいっぱいお金稼いでて、美味しいお肉もいっぱいあるんだ・・・勿論ニロンも」
「キャンキャ・・・んんっ、楽しみにしている・・料理人のおすすめが食べてみたいな」
ニロンは落ち着いて一人になった、それでも獣人だけあって鼻が利いているのだろう
尻尾をふってフリフリキョロキョロしている
格好つけてるけど、尻尾は正直である
「三上、なにかおすすめある?」
「むしろ何が食べられないかわかりませんので・・・」
ちらりとエゼルとフィルを見た三上
そういえばエルフや犬科の動物って食べられないものがいっぱいあるんだったけかな?
「えっとね、皆には失礼かもしれないんだけどこっちの世界にはエルフとか居ないし、食べられるものと食べられないものがいっぱい言われてて・・食べれないものは食べれないってちゃんと言ってね!信徒いっぱいいるから確実に消費できるから!!」
「わかりました」
「うむ」
「はい」
「じゃあ三上、手早く作れるもの・・・いや、クラーケンの試食と作ってもらってる料理食べよう」
解体中もアダバンタス達に味の好みを聞いてた料理人がいたし既に色々と作られているはずだ
はるねーちゃんもそれがわかってるからかお肉出して焼き始めてる
「皆ベタベタだし、早く食べてお風呂入って今日はもう寝よう」
クラーケンは大きいし、ベトベトして疲れた
拭ったけど気持ち悪いし先にお風呂に入ろうかと思ったけど普通の信徒たちが入るのを待った、身体は洗ってからはいるけどそれでもこのベトベトした汚れは勝手に綺麗になる風呂でも残りそうだし
「かしこまりました、では料理を並べますので食べれるものを言ってください、どれでもお取りします」
「どうせならヨウスケが選んでくれぬか?全員の好みも知ってるだろう?」
「わかった」
アダバンタスにはポテトサラダ、エゼルにはうな重、フィルには天ぷら、セーセルリーにはさばの味噌煮、ダリアの分ははるねーちゃんが作ってる
「皆冷めないうちに食べて」
「<うまっ?!! 何 だ こ の 味 は !!!! う ま す ぎ る !!!!!>」
「アダバンタスうるさいぞ、でもたしかにこれは美味だな、たまごと野菜のやつが特に良い」
「このこってりした魚も美味しいです」
「魚を何かで煮たものでしょうかのぉ?はて?食べたことがあるような無いような?」
「それはさばの味噌煮、味噌に近いのは向こうにもあるけど癖があって味ぜんぜん違うよね」
ニロンにはドッグフー・・いや、うーん「女の子の食べ物なら毒だろうと食べきるのが男ってものさ」って言ってたし、はるねーちゃんの料理を食べさせたい気もするけど信徒が用意してくれてるしな・・・焼き鳥あげよう
「こ、これはっ!!ハルネーを口説いたことに対しての嫉妬で粗末な肉を出したのかと思いきや!それぞれが香ばしく、肉の旨味が強いっ!!白いのは極上の塩を使った肉、茶色いのは甘辛いタレが肉の旨味をっ!!これはもはや料理ではない、芸術品っ!そうっ!芸術品だ!!!おぉ、神よ!この芸術作品に出会わせてくれた神よっ!」
「<よんだですぅ?>」
「おぉ!レアナー様、心よりお礼申し上げたいです!!」
「<えっへん!>」
「料理だからね、それ、拝んでないで食べて」
舌にも定評のあるニロンが肉の串を崇めて、ここまで褒めているのだからと皆焼き鳥を食べ始めた
肉の串焼きは向こうでよく売ってるし、皆食べ慣れてるから安心なのかな?
「でしたら鳥だけではなく豚や牛、マグロなんかもどうでしょうか?」
「三上に任せるよ!」
「それとお酒はどうしましょう?」
皆ピクリと僕がどう答えるかで注目したけどそんな答えはわかりきっている
「NO、駄目、城が壊れる」
「そんな殺生な・・この老い先短い老体にだけでも・・・」
基本的に大人とお酒を組み合わせると危険なのだ
向こうの世界の人間は力も強いし酔った勢いで何を仕出かすかわからない
しかもこちらの世界では酒はどこにでも売っていて、有り余っている
あまりにも危険すぎる
「だめ、この後大浴場でお風呂はいるし今日は美味しいもの好きなだけ食べていいからね」
「仕方ないですのぉ」
「こっちの人間は魔力とかもまだ使えない人ばかりだから凄く脆いんだよ、だから駄目、お土産には上げるからね」
タコヤキとアヒージョ、それとガルシア風というアヒージョの別物のようなものを食べてみる
少し弾力のあるタコだ、それでいてタコよりも強いタコの風味がする
タコヤキにもあっているし、オリーブオイルとにんにくで味付けされたアヒージョもガルシア風というのもいける
小さく刻んだからあげもいいね、ちょっとかたいけど包丁いれたものなら食べやすいし、カリッとしてて良い
「美味しいなぁ・・」
「褒めてくださいまし!」
「よく出来た!いよっ!クラーケンタコ焼き日本一のヨーコ!!」
「そんな褒めすぎですわぁ」
相手を褒めるのは大事なので褒めてみた、初めての食材なのにおいしい
クラーケンの使える部分だけ使って、残りを食べるとして何食分だろうか?僕らだけだと一生食べても食べきれないんじゃないかな?
身体をくねらせて嬉しそうにしているヨーコだがフィルが冷静な言葉を浴びせかけた
「こちらにクラーケンが居ない以上、クラーケンのタコヤキとやらを作った辞典でガムボルト殿が日本一になるのは当然ではないか?」
「そうでしたわ・・・!」
「チビが!ははは!調子に乗ったな!!はははははは!!」
「なにをー!」
酒も入ってないのにヨーコを笑ったダリアが喧嘩を始めてしまった
相変わらず仲がいいな
「このガルシアというのも美味ですね、」
「<かたいですけどおいしいですぅ>」
「おいしいですねレアナー様」
ガルシア風というのはよく茹でたタコにオリーブオイルやにんにく、岩塩をかけて串に刺したもので、アヒージョと使う素材がほとんど同じだからか味が似ている
ただスパイスの使い方が違うのか、オリーブオイルも岩塩もにんにくも同じなのに別のものの気がする
よく加熱したオリーブオイルとそこまで加熱していないオリーブオイルの違いなのかな?どちらもとても美味しい
クラーケンはおいしいにはおいしいけど、牛串や、豚串の方が美味しいように感じる
エゼルたちもこちらの肉料理には満足したようだ
0
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。
味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。
十分以上に勝算がある。と思っていたが、
「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」
と完膚なきまでに振られた俺。
失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。
彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。
そして、
「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」
と、告白をされ、抱きしめられる。
突然の出来事に困惑する俺。
そんな俺を追撃するように、
「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」
「………………凛音、なんでここに」
その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。
よくある悪役令嬢ものの性悪ヒロインのポジにTS転生してしまったので、前世で培った知識を活用して、破滅フラグを回避しようと思います!
アンジェロ岩井
恋愛
グレース・ベンフォールはふとした事から、前世の記憶を思い出す。
それは、前世の自分がオタクであり、尚且つ、世界史に傾向し、ある特定の時代だけを専門に学んでいたいわゆる“世界史界枠”の人間であったという事を。
そして、同時にこの世界が“悪役令嬢ものの”作品であり、自分が悪役令嬢ものの作品に登場する、天性性悪ヒロイン(主人公)である事も思い出す。
このままでは、断罪場面で、逆に断罪されて、公金を横領していた、父親ともども捕まえられて処刑されてしまう。
男爵令嬢、グレース・ベンフォールは自身に降りかかる、破滅フラグを回避するために世界史知識と前世の世界史の師匠である幼馴染みと共に奔走していく。
追放されて老女になった男爵令嬢は、呪われて子どもになったイケメン魔術師と暮らしはじめました~ちょっと噛み合わないふたりが、家族になるまで~
石河 翠
ファンタジー
婚約者のいる男性に手を出したとして、娼館送りにされた男爵令嬢リリス。実際のところそれは冤罪で、結婚相手を探していたリリスは不誠実な男性の火遊びに利用されていただけだった。
馬車が襲撃を受けた際に逃げ出したリリスだが、気がつけば老婆の姿に変化していた。リリスは逃げ出した先で出会った同じく訳ありの美少年ダミアンの世話役として雇われることになり……。
人生を諦めていて早くおばあさんになって静かに暮らしたいと思っていた少女と、ひとの気持ちがわからないがゆえに勉強のために子どもの姿にされていた天才魔術師とが家族になるまで。ハッピーエンドです。
この作品は、エブリスタ及び小説家になろうにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりアディさんの作品をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる