上 下
535 / 618

第521話 準備には手間と暇をかける

しおりを挟む

平和と楽しみのために、やれるだけ準備をしていく

ガキのことを調べつくし・・・絶対に殺せるように


「ここまでやる意味があるのか?俺一人で充分だろうに」

「それが、そうともいえんかもしれんのじゃよ」


ガキの情報も調べ直しているがわけのわからん情報も多い

倒れた弱者を助けたり、英雄にかわって貴族の拷問を受ける、ミルミミスにぐちゃぐちゃにされてからミルミミスが仲間になる、魔族の師の元に学ぶなど・・・意味がわからん

英雄は勇者を助けるために存在するのだろうに、何故その英雄を勇者が助ける?

ミルミミスも何故自らの手で破壊したガキと共にあるのか?

魔族の師というのは半端者だということがわかっている

魔族は魔族の親から生まれるものもいるが魔族の血をひいて生まれるものや瘴気にさらされて産まれるものもいる

弱者を助けるのは最も意味がわからん

弱者など同族であっても、いや、同族であればこそ殺してしまったほうが救いであるはずだ


足手まといのゴミになど価値はないだろう


とにかく確実に殺すことにだけ集中するべきだ


情報も、僅かだが使えるかもしれない

魔族の師がいるのならそいつに毒を盛らせてもいいやも知れない

手はいくらでも考えられる

やつの領地を襲撃してあぶり出すもよしのはず・・だが考えられる最も最悪の場合が・・・・・ミルミミスが出てきた場合だ

ミルミミスは真なる竜である

かつて神話の時代に生まれたとされ、神も、竜も、魔王も、勇者も―――全てを打倒した災厄の竜

目標であるガキも中身は死んでいてその器をミルミミスが使っていることだって考えられる


普通の勇者のガキであれば殺せるだけの手段はあるが、もしもあのガキの中身がミルミミス・ラージャであれば、木偶の坊とは言え魔王様がやられたこともガキを乗せるミルミミスの姿にも説明がつく

そうであれば話が変わってくる、準備は進めておくべきだ

たとえミルミミスが相手でも殺せるだけの準備を


「なにかわかったのか?」

「10を超える加護をもらってるそーよ、化け物じゃないかしら?」

「なんだそれ?噂じゃなかったのか・・・・それは人間か?」

「さぁ?」


嘘かとも思っていた情報であっても一つずつ調べさせていく

段々と化け物具合が知れてきた

魔王を壊すのには大規模な投石を使ったような形跡があったとか・・ただ、あの範囲と濃度の瘴気をどうやって通り抜けたのか?

本当に無茶苦茶なガキだ


少し退屈ではあるが戦争だ、やれるだけの準備をしていく

奴を殺すには首都でやるのが一番良いだろうが俺らが居ないうちに先に国が滅ぼされる可能性だってあるが・・まぁ人間どもはこれ以上攻められない

幸いにして時間はある

こちらは好きに攻められるが、人間どもはうまく動けない

ただの軍程度、俺達の敵ではない


一つ潰すごとに怯えが見て取れて俺も楽しい

勇者を殺すためにも贄はいればいるだけ良い



――――勇者を殺し、レアナー教国を滅ぼせば、俺達の勝ちだ


もう二度と魔族が襲われることも無い

世界が平和になる


「やめて、やめてくれぇぇええええええ!!!」
「いやだ!いやだいやだ!!死にたくない!死にたくない!?」
「ぎゃあああああああ!!!!」


まぁ平和だというのもこういう悲鳴が聞こえなくなるのかも知れないのは少し残念に思う


どんどん神に捧げて準備する

血は俺が使い、じわりじわりと殺した死体はフレン老がアンデッドに活用する

集めたアンデッドはガルーシャが回収し、また一つの軍を潰した


一つ一つ潰していくのは愉快ではあるがなかなかに焦れてきた


星の巡りがなんだかわからんが準備に時間がかかりすぎる

さっさと皆殺しにしたいのに、こそこそする必要がある

軍にいるという名付きの自称強者を何人殺しても雑魚にしか感じない

貴族のゴミどもは自分を強く見せるが手応えがなさすぎて面白みがない

ガキもガキで魔法でせっかく地上までアンデッドが生まれやすい環境にしていっているのにあっさりチャラにしやがる

空を飛ぶガキと一緒にいるのはミルミミスらしい

昇華したのか、身体を分けたのかは分からないがなかなか手を出せない


敵がいる、それがわかっているのに手が出せないのは苛立って仕方ない


「―――・・・誰か来たわ」

「なに?」


わざわざ辺境まできて、準備してるカスどもを殺しているというのに、こんなところに?


「これは・・不味くない?」


結界に入ってきたのは、魔族軍とも戦ってきた・・ガキの仲間共だった
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

月白色の叙情詩~銀礫の魔女が綴るもの~

羽月明香
ファンタジー
魔女は災いを呼ぶ。 魔女は澱みから生まれし魔物を操り、更なる混沌を招く。そうして、魔物等の王が生まれる。 魔物の王が現れし時、勇者は選ばれ、勇者は魔物の王を打ち倒す事で世界から混沌を浄化し、救世へと導く。 それがこの世界で繰り返されてきた摂理だった。 そして、またも魔物の王は生まれ、勇者は魔物の王へと挑む。 勇者を選びし聖女と聖女の侍従、剣の達人である剣聖、そして、一人の魔女を仲間に迎えて。 これは、勇者が魔物の王を倒すまでの苦難と波乱に満ちた物語・・・ではなく、魔物の王を倒した後、勇者にパーティから外された魔女の物語です。 ※衝動発射の為、着地点未定。一応完結させるつもりはありますが、不定期気紛れ更新なうえ、展開に悩めば強制終了もありえます。ご了承下さい。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。

味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。 十分以上に勝算がある。と思っていたが、 「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」 と完膚なきまでに振られた俺。 失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。 彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。 そして、 「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」 と、告白をされ、抱きしめられる。 突然の出来事に困惑する俺。 そんな俺を追撃するように、 「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」 「………………凛音、なんでここに」 その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya
ファンタジー
戦争・紛争の収まらぬ戦乱の世で 平和への夜明けを導く者は誰だ? 其々の正義が織り成す長編ファンタジー。 〜本編あらすじ〜 広く豊かな海に囲まれ、大陸に属さず 島国として永きに渡り歴史を紡いできた 独立国家《プレジア》 此の国が、世界に其の名を馳せる事となった 背景には、世界で只一国のみ、そう此の プレジアのみが執り行った政策がある。 其れは《鎖国政策》 外界との繋がりを遮断し自国を守るべく 百年も昔に制定された国家政策である。 そんな国もかつて繋がりを育んで来た 近隣国《バルモア》との戦争は回避出来ず。 百年の間戦争によって生まれた傷跡は 近年の自国内紛争を呼ぶ事態へと発展。 その紛争の中心となったのは紛れも無く 新しく掲げられた双つの旗と王家守護の 象徴ともされる一つの旗であった。 鎖国政策を打ち破り外界との繋がりを 再度育み、此の国の衰退を止めるべく 立ち上がった《独立師団革命軍》 異国との戦争で生まれた傷跡を活力に 革命軍の考えを異と唱え、自国の文化や 歴史を護ると決めた《護国師団反乱軍》 三百年の歴史を誇るケーニッヒ王家に仕え 毅然と正義を掲げ、自国最高の防衛戦力と 評され此れを迎え討つ《国王直下帝国軍》 乱立した隊旗を起点に止まらぬ紛争。 今プレジアは変革の時を期せずして迎える。 此の歴史の中で起こる大きな戦いは後に 《日の出戦争》と呼ばれるが此の物語は 此のどれにも属さず、己の運命に翻弄され 巻き込まれて行く一人の流浪人の物語ーー。 

処理中です...