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第520話 遠い二人の勇者生活
しおりを挟む厳しい訓練が続く
正直こちらの世界の貴族たちが魔王倒せば良いんじゃないか?って思うがそうも行かない
加護や恩寵、祝福を得られるのは僅かな人でその僅かな人は強大な力を持つ
そしてそんな力を持った人と結婚したりすることでその相手にも力が行き来し、子供にも力は僅かながらに継承される
だから王や貴族は勇者や加護を授かった英雄の血を取り入れ、一般人よりもとても強い力を持つのだ
そして、魔王を倒す可能性を持つのは勇者だ
だから王や貴族では魔王討伐の旅にはついていけない・・・とのこと
・・・・・体の良い言い訳に聞こえる
だが祈りの時間や訓練の時間に僅かずつだが神様の声を聞いて力を使って、自分の体が変わっていくのがわかる
運命の神様は運命だけではなく魔力を大きく増やしてくれるし力の神様は力を蓄え、更に身体を大きく強く、傷つかないようにしてくれた
背丈はあった僕だけど細くて男らしくなかった
筋肉がついて背がぐんと伸びた
これで少しは■■■の役に立てる
・・・まぁ教官にはボコボコにされているが
■■■は幽霊との対話ができているようで、色んな情報を教えてくれると笑っている
僕も見えるようになったが僕に見えない幽霊でさえ彼女には見える
「わたくしと結婚しましょう?」
「僕には■■■がいるから」
女性に言い寄られるのは■■■■男として悪い気はしない
だがこんな異常な状況だ
僕はとにかく、彼女を守りたい
「種をつけてくれるだけでもよろしくてよ?」
「これ!もう!■■■■は私のだから!!」
魅惑的なお誘いではある
美姫と評される様々な人が僕たちの前に来る
多くの利点を述べてくるが、しかしそこには愛がない
■■■が嫉妬をしてくれていて、求婚相手を跳ね除ける姿に少し嬉しく思う
「これはこれは■■■様、御機嫌如何でしょう?」
「良くない!あなた達が来るから良くないわ!!」
紆余曲折はあったが僕も■■■も貞操を守って、旅に出た
流石に二人だけというわけではない、強い戦士や魔法使いに神官もついてきて、魔物を倒して前に進む
「勇者様!ありがとうございます!!」
「これでこの村は救われます!!」
「ささやかではありますが宴へどうぞ、綺麗どころが集まっておりますじゃ」
この異世界での生活、男女関係以外にも不満がある
訳の分からない使命もそうだがもっとムカつくのが食事だ
何をどうすればここまで食事を不味く出来るのか?
国が違えば文化や風習が違うのは当たり前だ
味の好みはあるし、調理法だって想像もつかないものだってある・・・だけど、そもそもがまずい
美食・・とまでは行かないまでも芋を茹でるだけよりもまずい料理がその辺に転がっている
貴族の料理でさえ見栄えは良いのにこれなのだ
稀によくわからん獣の肉は癖も強いがほんのり甘みも感じられるものもある
そんな良質な食材もあるというのに何をどうすればここまで不味く出来るのか
ソースの基本すらできていない、むしろ、更に仰々しく盛られた料理がこうも不味いと怒りさえ沸き立つ
しかも貴族と食べる料理は、僕らが食べる料理は作られてから6時間は経過したものだ
毒見役がいるらしいが、革靴のほうが美味いんじゃないか?と思えてしまう料理すらある
・・・・・■■■に美味しいものを食べさせてあげたい
しかし、素材全てが、違う
岩塩は素材の段階で毒が入っているものもある
肉は焼いても毒が残っているものもある
果実は、神の授けてくれたかと思う美味いものもあるが味気がないか癖が強すぎる雑草以下なんてものも多い
親方は「塩と肉さえあれば人間食っていける、あと酒」と言っていたがその基本の2つがまともに無い世界
旅の終わりに■■■はこの世界に残るのか、それとも向こうに帰るのか
分からないが選択肢を増やせられるように僕は頑張ろうと思う
勇者である僕が何もしなければこの世界は滅んでしまう、なら■■■のためにも魔王を倒さないと
・・滅んでいく世界で、■■■に不自由はさせたくないしね
■■■は僕がいればそれでいいと可愛いことを言うけど
「愛してるよ■■■、どんな世界でも、いつでも君のことを想い続けてる」
「■■■■、私も貴方が好きよ、いつだって愛してるわ」
■■■の体温を感じて今日も寝る
もしも明日世界が滅ぶとしても、君と一緒なら・・それも悪くないかもしれないな
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