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第516話 はるねーちゃんの誕生日
しおりを挟むあまりに危険、すでに亮二お義父さんも何かを吐き出して倒れていた
一応双子と一緒に治癒魔法をかけたが効果がない、毒ではないということだろう
「はるねーちゃん、亮二お義父さんになに食べさせたの?」
「ん、内緒」
スコーンッ!!!
「あんたいい加減にしなっ!!?」
「いたっ!母さん!フライパンは人を!叩くもんじゃ、ないって!かあさ!!んが!!いたたた!!?」
「このバカ娘ぇっ!!!」
フライパンで直子お義母さんにしばかれているはるねーちゃん
何度も失敗するのに言いつけを守らないはるねーちゃんが悪い
隠し味が隠れてもないし、これ入れたら美味しいんじゃない?という発想が壊滅的なのだ
一応なにかを試すのにまずはお義父さんや家族からにして次に他人様としているがそもそも直子お義母さんに教わったとおりに作ろうとしないのが悪い・・肉料理だと成功するのに不思議である
ベルスとオルジュは僕みたいな子供の見かけをしているし以前に僕が救急車で運ばれたときのことを思い出したのだろう、直子お義母さんはすごく怒っている
それにしてももうそんな季節か・・・
はるねーちゃんの誕生日は2月14日だ
バレンタインデー、チョコを女性が男性に贈り、男性はホワイトデーである3月14日にお返しをする風習がある・・・・がうちではそうではない
うちでは『はるねーちゃんの誕生日』として扱われる
年に一度、最も喜ばしい地獄の日だ
あまりにも酷いチョコを作るのでいつからか亮二お義父さんによって僕がチョコを学校で贈る日として成立した日である
僕の作ったチョコを皆の前で渡していた日、はるねーちゃんのチョコを食べるよりも良い
いのちにはかえられない
・・・・僕のいない間に、はるねーちゃんがチョコを作る習慣が復活していたのかもしれない
こっそり聞き込みを開始するとはるねーちゃんは領地のダンジョンで見つけてきた光る石で何かをしていたようだ
魔晶石かな?
あ、わかった・・・ダンジョン産の純度が高いものだったら、よく砕いてすりつぶせば薬としても使える
魔力不足を補うのに噛み砕いて飲み込む人だっている
はるねーちゃんの思考を考えると、そうだな
魔晶石はよくなにかに使われる、魔導具であったり武具であったり装飾品であったり日常品であったり・・・それできっと何かを作ろうとして加工時に出た余ったカケラがもったいないと魔力豊富で健康にも良いことを知ってお菓子に使おうとしたのだ
細かく砕くと魔力が早く抜けてしまう
チョコであれば味が濃いし、混ぜてもきっと美味しい
と、行動したのだと思う
あんな、全身の骨の全てに金槌を振り下ろされるような酷い味のもの、チョコに混ぜるなんて・・・・
ベルスも口を痙攣させながら気絶している、尻尾が膨らんでいて可哀想に
狐の獣人だけあってチョコも良くないかもしれない
黒葉に伝えると3人は現代医療的な措置をすることになった
現代医療において、痛んでしまったものや毒物を食べてしまった場合の対処法がある
まず、危険なそれを吐く
そして煎茶に塩や砂糖を混ぜて飲ませて、また吐かせる
病院であれば胃洗浄などもさせて、脱水症状対策や点滴もするだろう
しかしそんな施設はないし、無理やり数回飲んでは吐かせを繰り返し、なんとか亮二お義父さんは意識を取り戻した
「・・・昔の、直子の料理を、思い出すよ・・・・・・」
「直子お義母さんは昔料理苦手だったの?」
「・・・・・・失言、だった、忘れて・・・・・・・・くれ」
直子お義母さんのご飯は美味しい、お店もやってたしすごく美味しい部類に入ると思う
亮二お義父さんは吐いたチョコが服についていたから脱がせたけど・・・ふらついている
髭にまだ残っていてなんか口周りだけ光っている
「えっと、怒った直子お義母さんがフライパンではるねーちゃん叱ってたから止めてください」
「・・・・・・ふっ・・・・・・・わかった」
亮二お義父さんは白い顔のままふらふらと出ていってしまった、きっとこれから2人の争いを止めに行くのだろう
僕が行くと直子お義母さんが更に怒るからいない方がいい
「なんで遥はチョコなんて作ろうとしてるんですかね?買えばいいのに」
「バレンタインデーがはるねーちゃんの誕生日だからじゃないかな」
「え、そうなんですか!?やだ準備しないと!」
僕も花の準備をしよう
それとプレゼントはいっぱい準備しているけど・・・何か、考えてみる
ふむ、そういえばボブと色々話していた時になにか良いヒントがあったような気がする
「ちょっと向こう行ってくる」
「患者さん見てからにしてください」
「わかった」
「後で何するのか教えて下さいね」
「うん」
ボブとついでにダートにも確認するとやはりプレゼントにも良い、名誉ある素晴らしいことらしい
うむ、決定だ
今年のお誕生日会は海の側の領地でやろう
「いやぁ、それって、うーん・・・・良いのかな?」
「黒葉のももう考えてるよ?」
「ソレハヤメテクダサイ」
「えー」
黒葉には別のが良いのかもしれない
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