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第509話 怪獣大戦争

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「おぉ、三つ巴」


ゲーガの使えそうな素材をとって残った部分を海にセーセルリーが撒いた

すぐさま海龍が現れて海龍同士でもゲーガの筋や肉を奪い合っている

この間の海龍は幼体で小さかったが今度の海龍は大きいし数もいる

海龍同士ではそこまで仲の良い訳では無いようで奪い合っていたがばらまくゲーガの肉の量が多いからか、20、30と増えてきた

一匹でも大変なことになるのに、それがわちゃわちゃと・・・


そして、遅れてクラーケンも来た

巨大な、巨大過ぎるタコ

足の数は多分十は超えているだろう、海龍一匹でも巨大なのに、それを遥かに上回る大きさ

それも三匹も

海龍とクラーケンは争い始めた

クラーケンに噛みつく海龍、海龍を巻き取ってへし折るクラーケン

更におこぼれを狙ってかどこからかゲーガが群れを成して現れ、双方に食いついた

大きなゲーガのはずなのに、おおきな海龍とクラーケンの前ではとても小さく見える

崖の上から見てるから海上しか見えてないけど、きっと海の中も凄いことになってるんだろうなぁ・・・

「行きますじゃよ?」

「<キュクルルル!>」

そこに雲を集めたセーセルリー、ミルミミスが雲まで飛んで、クラーケンの何倍も大きな雷を海に落とした


「「「ギャオオオオオオ・・・・・」」」


予め張った魔力障壁を超えて、衝撃波のように海龍の鳴き声が聞こえた

クラーケンは大きく水しぶきを上げて脚を動かし、ぐったりしている

だがクラーケンも、海龍も、まだぎりぎり生きているようだ

僕は巨大だった時のミルミミスの角を使って作られた雷の魔道具を、8本出して全力で魔力を込めた

雷の柱が雲から海面まで何本も立ち続けているが、僕も参加する

この魔道具は前面に向かって放つことは出来るが細やかな狙いを定めることもできない

旅の間は僕の前には仲間が常にいたし、魔物相手ではあんまり効かずにすぐ起き上がることもあったから使えなかった


魔力を込めてから一拍、放つまでに時間がかかるのも使いにくい


「いっけーー!!」


僕の視界全てが雷しか見えなくなった


わずか一分にも満たないだろう時間だが[カジンの捕縛布]の一本の魔力の通りが悪くなった気がする

壊れても嫌だしこの辺で止めておく

ミルミミスも雷をやめていたし後は回収しよう


「出番ですな!」

「あ、関羽は出番ないんで」

「そ、そうですか」


ちょっとしょんぼりしてしまった関羽

関羽は見かけ以上に重い

だから崖の端に来るのも、僕が持ってきた地球産の船に乗るのも危険だ

しかもドワーフだから泳げない、沈む

崖地を超えて海まで行くと結構水深もあるので関羽では危険だ

僕がこちらの世界に持っていくのに便利だと用意してもらった手漕ぎボートと普通の漁船が幾つかを海面に出して何人かで回収する

触れさえすれば僕の収納にいれることが出来るが、それまでに沈んでしまうかもしれない

泳ぎの得意な種族の人に手伝ってもらう

流されないように網を張ったり引き寄せてくれるだけでいい

無理なら浮かんでる魚をとったり周りの警戒をしてくれると助かる

ガレティレは泳げるようで、ねじり鉢巻をして手伝ってくれた


結界の中で撮った怪獣大戦争、ちゃんと撮れてるかな?後で見るのが楽しみだ


「「「ぎゃー?!!」」」
「「わー!!!??」」

「ご、ごめーん!」


クラーケンの回収は危険だった

収納に入るのは一瞬、巨大なクラーケンがいなくなった海にぽっかり穴があいて海が荒れてしまった

生き物のサイズではない、ビルのサイズだな

海面から崖の上まで何十メートルもあるのにそこまででてくるのだから海の王者というのも頷ける

そういえばあの頃はミルミミスもおっきかったなぁ


「キュクルルル!!」

「はいはい、後で美味しく出来るかやってみようね」


胸を張って尻尾で地面をタシタシ叩くミルミミス

美味しくできれば良いんだけど出来なかったらまた何か出すかな

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