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第500話 ランディとデート
しおりを挟むパーティは何故か「支援をさせてくれ」という人が多くきてびっくりした
なんだか運命と器の神ユーレウラギス神の加護を感じる
僕の加護を増やしてくれる神様で代わりに色んな運命と出会わせてくれる神様
ケイシーを見ると黒葉を思い出してしまった
黒葉はいろんなことで僕の手助けをしてくれる
治療であれば一緒に治療したり、言葉の分からない人に対応してくれたり
「どうかした?」
「うーん・・女の子に機嫌をなおしてもらうってどうしたら良いかな?」
真っ赤な黒葉を思い出し、また会いたいと思うけど次にどんな顔をして会えば良いのかがわからない
「それは、好きな子の話?」
「う、うん」
好きな、と言われると照れくさい
「うーん、喧嘩した?」
「そうでもないんだけど、顔をあわしにくくって」
「誠実に、素直に話してみるのは?」
「いや、ここはプレゼントだ兄弟!」
「あ、ランディ居たんだ」
「荷物郵送してきた」
「良いわねプレゼント、何もなしよりは勇気を出せるきっかけになるかもね」
ふむ、プレゼント
というわけでお忍びでデートすることになった
ケイシーとランディで230マイルほど離れたニューヨークに
「230マイルって何キロなの?」
「えぇっと、た、たしか300から400キロほど・・・?」
「そんなもんだな」
「なるほど」
ワシントンから電車で3時間以内にはニューヨークまでいけるそうなので電車に乗ってみることにした
空を飛んでいこうとしたら「こういう経験も女性との付き合いで大事だからな!」と言われてそういうものかと着いていく
ケイシーもランディもアメリカには詳しいので助かる
新幹線に乗って・・具体的には別物らしいが速い鉄道に乗っている
今のところ他の人にはバレていない
女性モードで移動してるからだ
服ははるねーちゃんのお下がりのパーカーと、短パン
レアナー教の神官服では目立つから駄目であった
電車では頼りになる恋愛マスターランディの独壇場で色んな話を聞けて楽しかった
「異世界での結婚とかってのはどんなものなんだ?」
「うーん、恋愛結婚を推奨してるレアナー教だけど他はやっぱりそうじゃないね」
「お見合いとか?」
「加護持ちは何処の国でも引っ張りだこだったよ・・・挨拶に行ったらそのまま結婚式開かれたり、寝てたら壁や床、天井から人が出てくるなんてよくあったよ」
「「うわぁ」」
電車に乗る時間は2時間とちょっとのはずだったんだけど、気付けばあっという間にニューヨークに着いた
そこはまるで別の世界だった
「ほぁー」
<おー>
祭りのように多い人、建物に大きなテレビが流れ、街自体がとても色彩鮮やかでカラフル
歩いてる人も日本のように清潔感のある人ばかりではない
スーツの人もいれば虹色の髪の人もいるし、竹村みたいにトゲトゲな服を着てる人もいる
僕には理解できないなにかのふぁっしょんな人も居て、まだ寒いのに水着みたいな人もいる
僕もパーカーに合うのがこの短パンしかなかったのに・・水着みたいな人とかスカートの短い人すごいな、おしゃれのためなんだろうか?
車のクラクションに、人がざわめく音が常にして・・・すごい世界だ
「どうだ?アメリカは?」
「・・・・すごいね、魔法みたいだ」
「でしょー!」
なぜか2人は少し誇らしげだ
アメリカの中でも栄えていて、誇れる場所なのだろう
きっと聖地みたいなものかもしれない
ランディはとても高級そうなお店に僕らを連れて行った
宝石やネックレス、いっぱいある
「いらっしゃいませ」
「よう・・ちゃん、ここはどうだい?良いものが揃ってるぜ?」
「すごく高いみたいだね」
「それが良いんじゃないか!」
「値段が高ければいいってものじゃないと思うわよ?」
「いやいや、ちゃんと理由がある」
やれやれと肩をすくめたランディ
「高いってことは、それだけ相手を大切にしてるってことでもあるし、結婚相手に対して周りにそれだけ大切にしてるってアピールできる!更に自分に何かあった時には売るなり出来るってしっかりした理由がある!!」
両手を広げて熱弁したランディ
なるほど、金銭的価値がそのまま相手を大切に思っていると周りに見せることが出来るわけだ
それに僕になにかあった時にはるねーちゃんたちになにか残るように残すことも出来る
でもこれだけのお金があればもっと人を助けられるんじゃないかとも思うが、黒葉達の喜ぶ顔を考えるとありな気もする
<ありありのありですぅ!>
神様が言うのならありなのだろう
幾つか良さげなものを選んで、僕の結婚相手の中でも僕と一緒に居たいと言ってくれた人たちの分を考えていく
「これとこれとこれと・・一緒に見せてくれる?」
「申し訳ありませんお客様、こちらの商品は子供の玩具ではないのですが」
「司教様、ここには変な人が居ないから変身を解いても良いんじゃない?」
「え?わかった」
杖を取り出して変身を解いた
「マジカル・・・どうぞ、お好きに見てくださいませ!!」
好きに見ていき、値段ではなく似合いそうか、喜びそうかで良さそうなものを探していった
レアナー教の『子供』や『結婚』は日本の結婚とは別物だ
日本の結婚は生涯の伴侶を選ぶためのもので、レアナー教の『子供』は難民を貴族から奪い取るための建前で『結婚』は加護を薄めるための魔法的契約が近い
貴族に「うちの領民を返せ」と言われることは多い
瘴気にさらされ、後は死ぬだけの状態の領民であっても、治したら連れ戻そうとする貴族はかなり多い
だから「『子供』だから、うちの『結婚』相手だから無理」というのはレアナー教的にはありの方法なのだ
レアナー教では人の命や愛はとても大切なものである
そこまで深い関係の相手ならと引き下がる貴族も多い、なにせ彼らを強引に奪おうとしたらレアナー教の信徒や神官が集まってきて標準装備の棘付き棍棒で一心不乱に殴りかかりに行くからだ
・・だからこそ強引に連れ去るレアナー教は国によっては邪教とされる
うちの子供達はうちの領民だ、僕の結婚相手は僕の寿命のためにと心から了承して結婚してくれている
人数がいれば僕の短命か長命かはわからない寿命も分けられるし、僕の魔力と加護の力が流れて行くからうぃんうぃんの関係である
日本の結婚のように僕と恋愛して寄り添ってくれると言ってくれているはるねーちゃん、黒葉、ヨーコ、それにダリアにせーちゃんにロム・・・・・それと他にも旅の仲間や子供の中にも同じように言ってくれている、その分を買っていく
いや・・・まずは神様の分を買っておこう、うむ、隣で期待してるみたいだし
マラ寝てキラキラと光る高そうな装飾品は魔法の道具ではなく、単にキラキラしていて価値があるだけのもの
だけどこちらの世界で、こちらの価値観で、はるねーちゃんたちを大事にしていますと示すことが出来る物だ
ヨーコは僕の髪の色のマフラーと言って一緒に買い物をしたけどこういうのも愛を示すのに大事なものであると思う
喜んでくれると・・・黒葉も許してくれるといいなぁ
買い物でアタッシュケースごと渡してお釣りをもらった
最後に屋台のホットドッグも忘れずにお土産に買って帰り、ダートにも渡す
「準備できてるからあるだけ持っていって欲しい」
「わかった」
ダートに頼んでいた食料や雑貨もどんどん収納に入れていく
他にもいれるものもあるがダートは超大量に、かつ英語と数字でコンテナでわかりやすく準備してくれていた
なにせいれる時に間違えてしまうと戻すのが大変なのだ
収納を入れるのは簡単だ、一瞬で済む
だけど出すときには大きなものはかなり気を使わないといけない
頑丈なコンテナでも投げ出せば壊れるし、中身がぐちゃぐちゃになってしまう
間違ったものをいれるとそれを出すのに空を飛んで、コンテナも地面も割らないようにゆっくりゆっくりおろさないといけない
「来てくれてありがとう、このままアメリカに住んでも良いんだよ?」
「んー、銃で信徒が危ないのは嫌かな」
「確かに!・・・本当にありがとう」
「またね!」
「また!よろしく頼む!!」
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