上 下
414 / 618

第407話 二神の加護と裏切り者

しおりを挟む

結界と断絶と激情の神であるトケタ・メクタの加護

あの時、レアナー様によって結界の神に直接渡された姉はそのまま神に従属することになった

そして、結界の神は私にも加護を授けてくれた

俺は魔力が足りてないし、結界の神であれば邪魔にならないしいいだろうという雑な神様の判断

そして姉は加護を授けてくれた神から加護を授けた人物を見守り助けることを命じられたとか・・・・・

俺の神、武神ドゾン・メクタと結界の神トケタ・メクタは親子だ


武神が父親、結界は息子の親


二神の加護の相性が良いかと考えるとそれはない、むしろ悪い

武神であった親は息子たちも武の道を歩ませたかったそうだが息子の神は引きこもった

息子は戦いは嫌いな性分で、親から身を護るためにも障壁と結界を覚え、洞穴に安息の場を作りそこに引きこもった神だ

ドゾンが結界を破るたびにトケタが更に結界を強くしたという

なので里でも性質が違いすぎてどちらかの加護しか得られることはないとされていたが・・・今の魔王の問題と俺達を見ていたそうだ

故に和解して俺に加護をくれるのだとか・・・・あれ見られてたとか・・・・・少し複雑だ

祈っても滅多に話さない武神だったがそんな事情を教えてくれた

でも俺の中の武神は息子にいいところを見せようと張り切ってか、俺は更に攻撃的になったように自分で思う

息子は息子で父親譲りか一旦怒ると激情を止められない

父親と仲がいいのはいいが俺としてはそこまで暴力的なのは困る


「いつも通りだが?」
「いつも通りではないですか」

「は?ぜんぜん違うが?」


魔王が討伐され、ヨウスケは帰った

だがまだ俺たちの恩返しは終わってないし、戦いも終わってはいない

魔王自体は討伐されたが魔王軍幹部が数人行方がわからない

俺たちはヨウスケの影となってヨウスケがいつでも帰ってきても良い世界を作ろうとしている

仲間共も危険な魔王幹部を殺すことを決めた

魔王幹部その中でもベレンゲルはおかしい

やつの足取りはつかめないがおかしな点が多すぎる

瘴気によって建物が維持できずに崩れる、瘴気の渦巻く元魔王領地やその奥まで世界を見渡す神によって暴かれている

ダンジョンも調べ尽くしたがいない

やつは800年以上前から確認されているし3000年以上前の魔王の特長と一致している

そんな奴が世界のどこに隠れているのか

各国の禁書庫を連合軍の人間に漁ってもらい、その間に俺たちは奴を殺すべく10を超えるダンジョンを踏破した

ついに見つけた研究室を荒らしてわかったことがある


人類側に裏切り者がいる


奴は異常だ

魔王を殺すのに打ち倒されたヨウスケよりも前の16人の勇者達、彼らの召喚に関与していた形跡がある

召喚された勇者の数も国によって話に違いがある、ヨウスケが17番目の勇者というものもいれば14人目というものもいる

情報の伝達の違いや敵国で召喚された勇者などが認められないという事情があるのかもしれないが、連合軍で照らし合わせると23人いた

神々によれば16人目がヨウスケだ

残り7人は?更に多くいるのではないか?


きな臭い、火事場の臭いがプンプンする


ヨウスケの召喚に関与していた可能性もある

そもそも『勇者』は『魔王を倒しうる可能性の高いもの』が召喚される

なのに死にかけた状態の幼い子供が呼ばれ、更に適合する神が愛と治癒と略奪婚の神レアナーと言うのはおかしすぎる

普通、軍神や武神が選ばれる状況のはずなのに、戦いの神ですら無い

レアナー神の加護はたしかに治癒力に関して言えば群を抜いている

だが神殿の長ほどの高位でなければそう腕を生やすこともできない


仕方なしに神々が力を合わせてヨウスケに運命の神ユーレウラギスの呪いをかけた

神の加護で身体が崩れないようにするにはたしかに器を広げられるユーレウラギスの加護と愛の神レアナーの二神の加護があれば可能だろうが・・・そもそも加護を複数授かることも稀だ

身体への負担は見ていて酷いものだった


ヨウスケは砂のように崩れて血まみれになっていたときもあればスライムのように液状になったときもある

身体が3日ほど猫になった時は可愛かったが野生化して逃げ出し、魔物に咥えられて見つかった時は本当に焦った

まぁ「慣れた」とか言って加護を授かっていたのだから良いだろう

そうやって力を手に入れて魔王を倒したが・・・前提がおかしい、勇者はそもそも身体の強い、魔王を倒すのに相性がいい者となるようになるはずなのだ


ヨウスケはたまにレアナー教国近くの勇者領地に帰ってきていたそうだし気をつけるように伝えるべく向かったが・・・・予想外に聖王が馬鹿をやっていた

まぁおかげで俺は姉たちに先駆けてヨウスケと結婚できたがな

デカいドワーフ将軍の鍛冶場で見つけた素材の中にダークエルフの婚礼具があったのでそれは頂いてきた

しかし聖王、いくつもの神格を詰め込まれたセーが居る以上、今後心配は無いだろう

まだ生き残っている魔王幹部ベレンゲルや人類側の裏切り者がいることを伝えて心労をかけるのは本意ではない

こちらにはハルネーというヨウスケの姉も居る


「よっしっ!行くかおねーちゃん!」

<はいっ>


仲間にヨウスケの無事と安全を伝えて、ベレンゲルぶっ殺しに行こう
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。

味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。 十分以上に勝算がある。と思っていたが、 「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」 と完膚なきまでに振られた俺。 失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。 彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。 そして、 「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」 と、告白をされ、抱きしめられる。 突然の出来事に困惑する俺。 そんな俺を追撃するように、 「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」 「………………凛音、なんでここに」 その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。

RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya
ファンタジー
戦争・紛争の収まらぬ戦乱の世で 平和への夜明けを導く者は誰だ? 其々の正義が織り成す長編ファンタジー。 〜本編あらすじ〜 広く豊かな海に囲まれ、大陸に属さず 島国として永きに渡り歴史を紡いできた 独立国家《プレジア》 此の国が、世界に其の名を馳せる事となった 背景には、世界で只一国のみ、そう此の プレジアのみが執り行った政策がある。 其れは《鎖国政策》 外界との繋がりを遮断し自国を守るべく 百年も昔に制定された国家政策である。 そんな国もかつて繋がりを育んで来た 近隣国《バルモア》との戦争は回避出来ず。 百年の間戦争によって生まれた傷跡は 近年の自国内紛争を呼ぶ事態へと発展。 その紛争の中心となったのは紛れも無く 新しく掲げられた双つの旗と王家守護の 象徴ともされる一つの旗であった。 鎖国政策を打ち破り外界との繋がりを 再度育み、此の国の衰退を止めるべく 立ち上がった《独立師団革命軍》 異国との戦争で生まれた傷跡を活力に 革命軍の考えを異と唱え、自国の文化や 歴史を護ると決めた《護国師団反乱軍》 三百年の歴史を誇るケーニッヒ王家に仕え 毅然と正義を掲げ、自国最高の防衛戦力と 評され此れを迎え討つ《国王直下帝国軍》 乱立した隊旗を起点に止まらぬ紛争。 今プレジアは変革の時を期せずして迎える。 此の歴史の中で起こる大きな戦いは後に 《日の出戦争》と呼ばれるが此の物語は 此のどれにも属さず、己の運命に翻弄され 巻き込まれて行く一人の流浪人の物語ーー。 

異世界とは他の星系ですか

ゆみすけ
ファンタジー
 ニートである、名前はまあいいか。 仕事をしていたが、首になった。 足が不自由になりセールスができなくなり自ら退職した。 未練はない。 働いていたときは、とりあえず給料はもらえた。 だから会社に不満はない。 すこし蓄えがあった。 それで食いつないでいる。 体が不自由なヒトの気持ちがすこしわかった。 アパートも引っ越した。 家賃が安いところをさがした。 贅沢はいえない。 今までの生活からダウンするのはつらかった。 一度覚えた贅沢は、なかなか制限できないものだ。 しかし、無い袖は触れない。 今日、昼なに食べようか、朝は無い、近所の安いスーパーでオニギリの安いやつでも、コンビニは高いから、スーパーのほうが安いから。  金が余分に無い、1日500円までだ。 足を引きずり歩く、すこしなら歩けるから。 声がする、 え、なに誰、聞えたのではなく、響いたから当然とまどった。 「聞えましたか、やっと聞えましたね。言葉理解できますか。」 だれ、頭に直接聞える声はだれだ。と思考した。 「まあ、だれでもいいでしょう。のちほど会ってからでも、とりあえずアポだけでもと思いまして。」 どうしたら会えるんだ。と思考した。 「あなたの時間に合わせます、だれもいないところで。」 なら近くの川の土手で夜7時ころなら誰もいないから。 「わかりました、では今夜7時ころ、そこの川の土手で。」と頭に響いて、その声はやんだ。 

序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた

砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。 彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。 そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。 死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。 その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。 しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、 主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。 自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、 寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。 結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、 自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……? 更新は昼頃になります。

処理中です...