少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo

文字の大きさ
上 下
373 / 618

第366話 異世界の戦意

しおりを挟む
カメラを幾つも持ってレアナー教国の、勇者領地についた


結婚式の時にほぼ全ての住民が出てきて街を埋め尽くした

それ以上だ

テントが幾つも設置され、軍事訓練をあちこちでしている

100万の兵なんて交渉のためのブラフではないかとも考えたけどより酷い

何らかの方法で集まった軍隊、元杉神官への恩義もあるのだろうけど建前だ


「<サシル様どうしてこんなに人が集まっているのですか?>」

<ザウスキアは危険ですので、それと神達が酒や食べ物を気に入ったのです>

「<それとなんの関係が?>」

<もしも日本の占領をしたのなら国土の防衛のためにも駐留することになるでしょう、そうでなくともこの地には異世界の珍品が出回っていますから後の交易ともなります>


なるほど、パイの奪い合いというところかな?もしも勇者領地とザウスキアが戦争をした場合勇者領地だけでザウスキアを容易く切り取るんじゃないかな?

無限のように湧き出てくる元杉神官からの魔力を皆持っていて日本に居るというのに以前と違って魔力のつながりが全く途切れることがない

日本の聖騎士候補も超人だがこちらの人間は更に上だ

遥は建物の上まで壁をけって逃げたらしいけど子供もそれについてきたそうだ

元難民であった彼らはザウスキアにとても深い恨みを持っている

こちらの世界でも、そんなとんでもない人間は少ない

他国から見れば12万人の領民、問よりも12万人の超兵だ

他国からすれば少領の勇者領地の住民はザウスキアを単独でもきりとってしまうかもしれない


しかもその次の矛先は諸外国となる可能性もある


今こうやって集まっている国も難民問題では受け入れはしていなかったはずだ

仲良くはできるかはわからないけど『難民を虐げていた国』と『共通の敵に立ち向かった仲間』では全然違うよね

いろんな思惑が透けて見える

それに他の国で祀られている神様たちには元杉神官に加護を与えた神も居る

国の守護神がGOサインを出すのだから来る人もいるよね


ヨーコたちと歩いていると諸外国の軍隊の人達に挨拶をされる


「いやぁお美しい!ヨウスケ聖下は幸運ですな!」

「いえ」

「そちらの御令嬢はどちらの家の方でしょうか?」

「・・・・・」

「ミルミミスさん、聞かれてますよ」

「うん、なに?」

「ミルミミ・・・申し訳ありません、少しばかり所用を思い出しまして!またご挨拶させていただきますので!!」


ミルミミスさんを見ると何人も固まった

何をやっていたのだろうか?

国によっては聖竜や邪竜と言われていたらしいけど、絶対なにかやらかしてる


「ヒィィッ??!!!お、お助けぇ!!」


関羽さんみたいに豪胆な態度の人が挨拶もそこそこに足をもつれさせながら逃げ帰るときもある

ミルミミスさんは全く気にしていないけど関羽さんは苦笑いだ

どんな国の人物かサシル様に聞きながら挨拶していく


勿論作動中のカメラは揺らさないようにだ


私もまだわからない目的もありそうだけど何処の国から来ていても彼らは戦意が高い

私のことは諸外国に伝わっているのか私を見かけると元杉神官への感謝の意を伝えてくる人も多い

元杉神官が魔王を討伐したことに対して財宝を差し出してきたり、貴族の娘さんを差し出してくる


新婚の私に向かって貴族の子女を差し出そうとしてくるのには顔がひきつったのは自覚するがそれよりも出回っている私と遥の絵姿が納得いかない


だって私はほぼ全裸になってるし、遥も胸のサイズがエグいことになってる

流石に作り笑顔もできなくなった

私を見かけて顔を赤くしたりくすくす言ってる兵士たちの意味がわかった

絵師の名前は聞いたし後で指名手配にかけてくれる

日帰りで帰るつもりだったけどせーさんの魔法はこちらに来る人数が増えたことで時間がかかるらしい

サシル様経由で日本にも連絡したし今のうちに情報を収集する


私には日本と異世界人でどちらが勝つかと考えると難しいと思う

何よりも銃の差があると思ったのだけど魔法攻撃や投石、弓矢の攻撃力は銃を超えていると思う

弓矢で岩を破壊したのなど衝撃的だと思う

勿論、人の練度もあると思う

元杉神官なんて銃撃をその身に受けてもダメージがなかった


どちらが強いか、優劣はわからない


彼らが計画を立てて議事堂や防衛省、警察庁、各地の自衛隊基地を奇襲すれば可能だろう

銃を構えて一斉掃射されれば危ないかもしれないけど彼らは目にも止まらない速さで動くが、逆に建物にいる彼らに向かってミサイルが飛んでいけばどうなるかわからない

お互い武器も人も規格が違いすぎる

私は戦うことになれば彼らが頼もしいと思うけどレアナー様は人の死が出ないようにしたいと言っていたし元杉神官も消極的だった、あれだけ怒っていたのに

思うところがあって英雄と呼ばれる個人の武技や各軍隊の魔法を荒野に向かって放つようにしてもらって、それを撮影し続けた


ミルミミスさんに飛んでもらって戦力も撮影する


大量に集まる軍隊は空から見ると人が蟻みたいに見える・・・

撮った映像はノートパソコンのフォルダにまとめて整理していく

ポータブルバッテリーの電池がなくなる限界まで私は撮影と編集を続けた
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎
ファンタジー
 この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)  主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)  しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。  命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥ ※1話1500文字くらいで書いております

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

虐殺者の称号を持つ戦士が元公爵令嬢に雇われました

オオノギ
ファンタジー
【虐殺者《スレイヤー》】の汚名を着せられた王国戦士エリクと、 【才姫《プリンセス》】と帝国内で謳われる公爵令嬢アリア。 互いに理由は違いながらも国から追われた先で出会い、 戦士エリクはアリアの護衛として雇われる事となった。 そして安寧の地を求めて二人で旅を繰り広げる。 暴走気味の前向き美少女アリアに振り回される戦士エリクと、 不器用で愚直なエリクに呆れながらも付き合う元公爵令嬢アリア。 凸凹コンビが織り成し紡ぐ異世界を巡るファンタジー作品です。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々

於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。 今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが…… (タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

処理中です...