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第357話 康介の取り調べ
しおりを挟むここまで酷いと聖騎士候補のついてきた子たちも心配だな
いや、考え過ぎか?
彼らは軽く言って超人だし
全く反論せずにただ怒鳴られ続け、その間に彼らからわかる情報から現状を推測し続ける
飯もろくにとれず、トイレもまともに出来ず、やっと寝れると思ったら警棒で鉄格子をカンカンと鳴らして寝かしてくれない
「・・・・・」
「巡回だよ、なにか文句でもあるか?」
「お前らに警察官の資格はない、さっさと辞めてしまえ」
「ははは、まだそんなに元気があるのか!元気は大事だな!うん、健康のためにも体操でもすると良い」
檻の向こうでラジカセをセットし、体操の音楽が大音量で流れ始めた
・・・・寝かす気が無いな
顔見知りの警察官も何事かとこちらに来るが気まずそうに帰っていった
手首にくっきりとアザがでてしまうほどにきつい手錠、かわるがわる行われる恫喝
移動時にいれられる蹴り
表立ってわかる形で殴られていないが完全にアウトだ
こいつらわざわざ埃っぽい第3取調室を使い、署内でもわざわざ奥の方を使って人目を避けるように動いているってことは一般の警察官でも知らないやつがいるのだろう
バレても問題はないができるだけ大きくことを荒立てたくはない、そういう意図が見え隠れする
しかし私をわざわざ警察署内で尋問するとは、警察署ならレアナー教も表立って襲いかかってこないと高を括っているのか?
拘置所と違って警察署の方が襲われた場合のメディアへの受けは違う、やはりそういう狙いがあるのか?
違法な民家で取り調べなんでしようとしたらきっとレアナー教の人間がすぐに来るだろう
意識が何度も飛ぶ
流石に5日ぐらいしてキツくなってきた、いや4日?6日?
まともに捜査する気もなく、私を苦しめるように攻撃して来る
こいつを差し向けてきた奴はさぞ機嫌が良いだろうな
「おら!飯だ!おっと!すまんな!」
プレートに載せられた食事、いきなり床にぶちまけられた
もう慣れた、食べ物は大切にしなさいよ
そろそろこの食事も自白剤などが入っているかもしれない
パンを拾って埃を払い、ゆっくりと咀嚼していく
「これはレアナー教徒がよく使っているが何だ!答えろ」
「・・・・・」
それは守護の指輪だな
緊急時に致命的な一撃を回避できる魔道具ってやつらしい
私の長い闘病中に浮気していた元妻の指輪をつけなくなって、かわりにつけていたんだ
前の入院で残った理由として妻のもとに帰りたくないというのもあった
意識が別のことではなくこいつの言葉に向いてしまう
・・・もう限界だな
動ける体力があるうちにどうにかしないと、耐えられない
命の危機を感じる
「・・・・解放、解放してください」
「何も喋ってないのに帰すわけがないだろうが!!?」
「ふざけたことを、そんなに暇なのか?」
「俺たちは暇だからな、何日だって付きやってやるさ」
ゲラゲラ笑う汚職警官ども
心が折れることを期待しているのだろうがそうは行くか
手錠はされているとは言え、動けないことはない
怪我をすれば周りの警察官もさすがに私を病院に連れて行くかもしれない
下手な怪我ではいけない、大怪我をして運ばれる必要がある
なに、怪我は後で洋介が治してくれるさ
「すいません、少し良いでしょうか?」
「ここには近づくなって通告してあるだろうが!!下っ端が!出て行け!!!」
「それが大変なことになってまして」
覚悟を決めたのに見たことのある警察官が慌てたように入ってきた
怒鳴られはしつつもこちらを気まずそうに一瞥し、彼らのリーダーに何かを耳打ちした
「何ぃっ!!?」
警察官たちが慌ただしくなってきた
しかも普段の警察官でもなかなかつけない装備の人間がドアの向こうにちらりと見えた
普段の警察官といえば紺色の制服に無線機、警棒、警笛、警察手帳、この辺りの装備が基本だが科や緊急時の装備は異なる
普段の警察は金属製ヘルメットやシールドを装備して街をパトロールしない
詳しくはないがちらりと見えたのは特殊部隊の人間に近い装備だ、防弾チョッキも厚めで首筋も露出していなかった
「こいつを別の署に移送する、急げ!!」
何かを話した汚職警官は青くなって私を連れて行こうとする
抵抗したいが両腕を掴まれて引きずられ、頭にまた黒い布を被せられた
取調室から鉄格子のある掃除もされていない寝床に入れられる
移動中も聞こえていたがここでもわずかに声が聞こえてくる
廊下の向こうでは阿鼻叫喚の騒ぎになっているようだ
すぐに移送ができない、取調室からわざわざ動かす、更に奴らの態度
なにかあったな
洋介が来たか?
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