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第346話 現状を把握しよう

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日本のレアナー教の状況、はっきり言ってダメだね


僕がせーちゃんに捕まっている間に聖戦状態だ

僕の代わりにフィンリーが僕役として座って居る動画も出ていて信徒を落ち着かせようとしている

ヨーロッパでも僕の代わりをやってただけあって似てる・・・のかな?

今の僕とは似ても似つかないな、うん

レアナー様もいない

僕は海外にもちょくちょく行って色んな人を治していたけど世界にはレアナー教を大事に思ってくれている人達もいるみたいで傭兵さん達も向かってきているとか・・

会議室でニュースやスマートフォーンを見て話し合っているのだけどどうしたら良いかがいまいちわからない

火事とか襲撃とかがあったのはわかった

ビルにおいてあったサーバーとか大事なあいてぃーが持っていかれたのもわかった




「どうするべきだと思う?」

「殴ろう!ふざけたやつは殴って黙らせるのが一番だ!」

「ダリア黙ってて、それと正門以外に結界張って」

「わかった!」

「オヤジ・・じゃない徳田さんは今雲隠れしてやす、自分がいたらサツが付け入るかも知れねぇとか言ってたそうっす」


徳田さんはいないらしい、六太が大きな体を小さくして報告してきた


「城の方は誰が指揮をとってるの?康介おじさん?」

「情報が錯綜していまして・・康介さんは行方不明です、サツに捕まった後に聖騎士達が助けたそうなんですがどこかに隠れたのかも知れません」

「誰が、指揮を、してるの?」

「定村が・・あ、陸斗です」


え、なんで陸斗さんが??

じゃあそれ以上の立場であるとーさんとかーさんは?


「父さんと母さんは?」

「それが、城のゴーレムを使って戦いに出そうでして、情緒不安定でしたので内田さんが止めています」


だめだ、父さんと母さんは戦場を知らない

警察官みたいな怖い人達が戦うぞーって圧をかけてきたらパニックでおかしくなってもおかしくはない


「黒葉、スマートフォーンは?」

「め、めちゃくちゃです、信徒たちが新聞やマスコミを襲撃して偉い人を何人も城に拉致しているみたいです」

「どうしたら・・」

「あの、発言をよろしいですかな?」


関羽がおずおずと僕の後ろに立っていたのだけど前に出てきた

関羽はこういう荒事に慣れている

なにか気づいたことがあるのかもしれない


「関羽、どうしたの?」

「新参者の某が言える立場ではないのかも知れませぬが」

「大丈夫、みんな、関羽・ヴァン・元杉、僕の子供でうちの領地の防衛隊長だよ」


「関羽!?いや子供で領地ってどういう事!?」
「どう見ても三国・・・まじ?」
「子供ってことはいやいや年齢がおかしいって」


あれ?みんな困惑してる

そういえば向こうの子供のこととか領地のこと言ってなかった気がする

向こうでレアナー様に<ごめんなさいですぅ>と僕の洗脳を解いてはもらったんだけど記憶が本当なのか怪しい


「紹介に預かりました、某、関羽・ヴァン・元杉と申します」

「関羽は将軍もやってたし頼りになるよ」

「それは・・いえ、そもそもこの騒動、敵の首魁と主軍は何処にいるのですかな?」


首魁・・?えっとどういうことだろう?隣のはるねーちゃんが「敵の親玉よ、ボスよボス」と耳打ちしてくれる

翻訳魔法を使っても関羽の言葉は難しい


「首魁・・あー、それは・・・城にいまして」

「どこの城で?」

「レアナー城の牢獄に、主軍?はいません」

「では今、何と戦っているのですか?」


もう敵のボスは捕縛済み?

じゃあなんで戦ってるんだろう?人質交換や賠償金の支払い前のゴタゴタってやつなのかな


「それが、これまでずっと批判してきた輩を狙って神官と信徒が暴徒となって襲いかかっていて制御が効かなくなっています」

「なるほど、ではいまやらねばならないことは味方の無事の確認、神官と信徒の統制ですな?」

「そう、ですね」

「ありがとう関羽、わかりやすかった」


さすが関羽だ

おかげで話がわかりやすかった

確かに父さんや母さん達の無事の確認は大事だよね


「いえ、出過ぎた真似かも知れません」

「ううん、これからも気になることがあったら言ってね」

「はっ」

「で、神官が暴徒となってっていうのは誰?」

「それが・・・竹村でして・・・・これを見てください」


竹村って言うとレアナー教の軍門に降ったスキンヘッドの人だ

もともとキレやすいとかだったらしいけどレアナー教に入ってからすごく落ち着いていて僕よりも偉い人みたい「大神官っぽい」って慕われてた人だけど・・・


タブレットで映像を見る


ガヤガヤとした人混みの中でカメラが迫っている

松明に火をつけて青筋を立てている竹村


「あの腐れ外道共に天罰を!!レアナー教に栄光あれ!!!」

「「「「「レアナー教に栄光あれ!!!!」」」」」


・・・・・この上なくブチギレてらっしゃる

松明に火をつけて信徒と一緒にどこかを行進している

温和とまで言われるようになった顔が今にも噛みつきそうな狂犬のようだ


どうやら落ち着いた日本の生活まではまだまだ遠そうだ
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