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第342話 大神レアナーの偉大なるやらかし
しおりを挟む光と善の神レミーアは愛や結婚、治癒を司るレアナーの母であり元は同一の存在だ
旅と言語を司るサシルもそうだがレミーアの力が裂かれた別の個体もレミーアの恩恵というべきか、崇拝され、大神の地位を獲得していた
それまでいた愛の神よりも崇拝され、力をつけたレアナー、他の姉妹も別れた後に力をつけている
「で、なんでそれが問題なのですか?」
「関係のある話です、よく聞いてください」
レアナー様の口から聞きたかったのでけどレアナー様は口足らずだし喋れない部分もある、レアナー教の全ての神官を束ねるエッサイ神官長が代わりに話してくれている
レアナー様もこの弁護士みたいに切れ者に見えるおじさんのことを信用して色々と話していたようだ
それまでの光の神の座をレミーアが自らの意思をもって降りた結果、それまでに力を裂いて創り出した神と交代したが偉大なるレミーアの力が強すぎたのだ
眩すぎる世界に人々は闇を求めるようになり、闇の加護が生まれ、善の心に悪の心が芽生えてしまった
結果『魔王』が生まれた
『魔王』は定期的に生まれ、世界を破壊し、世界を憎み、世界を混沌に陥れようとする
その力に当てられたものは『魔族』として変化してしまったものもいる
人に味方する神々は加護を与えて魔王を討伐することにした
こうして生まれたのが『勇者』だ
これが勇者と魔王の戦いの始まり
魔王も勇者も元から居るものが成ったり、新たに生まれることもある
破壊衝動の強い魔王や魔族は世界の破壊に邁進するし、それをどうにかして生きようとするのが善の陣営の人々だ
・・・長いし思わず「はよ」と口に出しそうになるが興味深いし聞いておく
またシーダリアさんが殴りそうだったが関羽さんが空気を読んで肉でシーダリアさんを釣ってくれた
なぜレアナー様がこんなことをしたのか?
理由はあった
聖王の未来を占ってもらった
遥が加護を選ぶときに守護神がチーテックで決まったのはチーテックが遥や私達の幸せになるからだった
それと同じく聖王のことも占った
レアナー様は甘やかして育てたかったらしいがそうすると世界が滅んでいたそうだ
・・・・・・・ん?
聖王の中の神格は元々が下級の神とは言え幾重にも人の器に混ぜて詰め込まれて生まれた存在であり、下手な神よりも力があった
光の神が自身の力を減らすために限界が来る前に自分で日々裂いていたストックを詰め込まれていたし当然とのことだ
まだ意識も乏しい神の素体を使って作られた聖王は生まれてからも感情に乏しいまま、王としての役割だけを詰め込んで作られた
元のレミーアは感情豊かで成長に伴って同じようにそうなってしまう可能性もあり、聖王が作られた段階で感情が少なく設計された
だけど愛の国、神聖レアナー教国で長年ほんの少しずつ育まれてきた感情
この感情が今回の騒動のきっかけ
レアナー様が元杉神官に無理やり愛人とかいうふざけた地位に彼女を据えた理由、そして今なら話せる理由
それは彼女が『魔王』となる可能性があった
この世界の大半の国は前魔王によって滅び、今なお瘴気がはびこっている
作物は育たず獣も増えず、適応した魔物や魔族が跳梁跋扈する地
僅かずつでもそうした土地を使えるようにできるのは加護持ちや同じく宗教国家の神官たちだ
そしてレアナー教国はその中でも1,2を争う大国であり、絶対に浄化作業から抜けられると困る存在である
そんな地に神の血をひいた『魔王』が誕生し、世界を滅ぼすよう動いたらどうなるか?
更にレアナー様や光の神レミーアの係累の神々にも彼女が魔王になった場合は影響が出るらしい、完全に詰みだ
そうなった場合はこの世界のみならず、繋がりのあるいくつかの別世界も滅ぶ
・・・・勿論地球も
アカン!!?
未来予知の内容は聖王を引き取ったレアナー様と占った神様しか知らなかったらしく、吹聴することで未来が逸れることを恐れたレアナー様は聖王のダダ甘育成計画を中止し、他の神様の批判も無視した
そして、最も人が傷つかず、世界が滅ぶこともない、この未来を勝ち取ったのだ
「<この未来がよーすけも聖王も世界も一番愛があふれるのですぅ>」
・・・・・お菓子三年禁止はなしだな
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