341 / 618
第336話 出征
しおりを挟む今回の出征には貴族たちは湧き上がっている
勇者の誘拐騒ぎには国際的にはレアナー教国は強く非難されている
既に何カ国もこの問題には声明を発している
しかしレアナー教国は無言だ
レアナー神は守護神であるにも関わらず聖王の手助けをしている節まである
やつにとっては勇者が自国に完全に居着いてくれたほうが経済的に良い
だからこその強引な手段だ、王と勇者であればさぞ能力の高い子が生まれるだろう
彼の国からして統治的に悪くはない
しかし勇者は聖王との恋愛はうまくいっていないと前から聞いていたし勇者が未だにお披露目されていないということは何かしらの原因で上手く行ってはいないのだ
現状を打破しようと『勇者奪還作戦』は各国で急速に推し進められている
余の国はレアナー教国に隣接していて、なおかつ勇者領地に最も近い国
その上勇者を召喚したのは余の国であるし救出の大義名分が考えれば悪くない状況だ
勇者領地は戦時中は災厄の一つになるんじゃないかという話だった
なぜなら瘴気に酷くさらされた人間は死ねばアンデッドとなる
難民だからと、資源になるからと呼び込めばそれだけで災厄となりかねない
幾つかの国はそうして滅びた
聡明たる余の国では国境で確実に排除させていたしそうはならなかった
レアナー教国もうまい事やったものだ
レアナー教国の結界外であればなにか起きても生きた人間の近いレアナー教国にアンデッドは進むがなりたてのアンデッド程度、強固な結界で阻まれ問題はない
殺すつもりで集めた難民かと思ったが勇者洋介はやってくれた
桁違いの魔力で瘴気を消し去った
亡国とは言えの加護持ちや国の上層部もいる、彼らの集まった勇者領地は大いに栄えている
大戦中、魔王を倒した報酬として多くの国では勇者に領地を渡すという名目で難民問題を解決していた
現在各国に点在する勇者領地では有志が集まり、勇者洋介を救出するように話し合っていると情報が出ている
だがまだ来てもらっては困る
こんなに美味しい領地が目の前にあるというのに座して待つ我等ではない
息子に指揮を取らせ、余の統治に賛同しているものを中心に軍を編成した
余の配下には少しぐらい良い思いをさせてもいいだろう
先立って再三使者を出すも死の荒野は進むことも危険な地、陸路で送ったものは誰一人として戻っては来なかった
空を進むも魔物も居るし休憩ができない
仕方なく他国を経由して使者を送り込んだが余の国に服従することはないと返事が来た
当然である
地形的にレアナー教国に近い、流通が抑えられている
さらに領主である勇者洋介自体がいないのだから当然の返答だ
しかし余の立場を表明はできたはずだ
いつでもレアナー教国にはみ出された貴様らを歓迎する、と
余の国と勇者領地の境の『死の荒野』は地面が地面ではない、踏めば奈落かと思うほどの穴ができるそうな
地形的には近くともここを軍が進むのは困難だ
故に地形を変えることのできる高名な魔導師たちを国内外から招集し、領地へと進めることのできる策を練った
道を作り、竜騎士を中心とした、空軍のほぼ全てをつぎ込んだ
もしも領地の人間が逆らうのなら奪えば良し、そのまま統治を受け入れるのなら資源と労働力を余の国に連れて帰る
瘴気を一度受け入れたものは穢れ持ちとして受け入れられないものだが勇者の力を信じている
勇者領地でアンデッドとなったものはたどり着けなかったものとも死の荒野から発生したものばかりと聞く
かの領地には勇者がアオキチキューから運び込んだ物資が山のようにあると聞くし。エルフも居る、きっと高く売れるし健康なら使っても良い
それにレアナー教国を攻め込む拠点もできる
諜報によると勇者領地の勇者奪還には国を覆う大結界を破壊して聖王への負担を増やすらしい
うまくいくのならこのまま後詰めを送り込んで首都まで攻め落とせるかもしれない
勇者を召喚したのは余の国であるのにレアナー神が守護神となったからとレアナー教国の増長は目立った
幼い勇者はおそらくなにか吹き込まれたのだろう、全く余の命令を聞かない、腹立たしいことにな
余の娘との結婚も間近だというのに顔も見に来ない
まぁ良い、勇者を救い出すことができれば勇者も目を覚ますだろうし余の娘との結婚もうまくいく
たかだか10万ほどの、戦闘に長けた加護の少ないものばかりの領地のものなど優秀な余の息子たちが負けるわけがない
もしも上手くいかずに特別な加護を持ったものが敵に回ったとしても『勇者を救うための道を作った』と国際連合には言い分ができる
順当にうまく行き、勇者が余のもとで頭を垂れるのなら世界各国で栄えている勇者領地もザウスキア王家のものとなる
国境から出兵の報は聞いていたしそろそろ領地までついた頃だろうか?
余が世界の覇権を握る序章となるはずだ、胸が高まって眠れん
0
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。
味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。
十分以上に勝算がある。と思っていたが、
「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」
と完膚なきまでに振られた俺。
失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。
彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。
そして、
「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」
と、告白をされ、抱きしめられる。
突然の出来事に困惑する俺。
そんな俺を追撃するように、
「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」
「………………凛音、なんでここに」
その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる