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第315話 ヨーコとシーダリア
しおりを挟む「くっ、やるじゃねぇか!!?」
ボコボコにされましたがなんとか一矢報いましたわ
結構わたくしも切り刻んだはずですのに・・かないませんね、まだ他の姉がいないだけましかもしれませんが・・・
それにしてもこの犬、定期的に力を示さないとまともな対応をされない
とは言え
「お前はどうするんだ?俺はここらで待つことしか出来ねぇが」
「そうですわね、まずは2人の安全を確認します、それで対応を決めようと思っております」
「そーか・・・・ん?2人?ヨウスケのやつ嫁まだ2人しかいないのか?」
「わ た く し 含 め て 3 人 で す わ !」
この女、本当に癪に障りますわ!
ただ拳でなんでも解決してきただけあってその武力は本物です
なんでわたくしの剣を拳で受けられるのか疑問ですわ
しかし旅の途中で授かった加護から頼りになったのも事実
「すくねぇよ!もっと増やせよ!!馬鹿が!!!」
「貴女に言われるまでもありませんことよ!?」
「俺もヨウスケの子供産みたいしな!関係はある!!・・・・・それに寿命のこととかあんだろ、わかれよ馬鹿が」
仲間に対しても粗暴であってもこの女は情に厚い
貴族に民草が無為に虐げられていれば殴りに行き、不正に食料の運搬を防ぐものがいれば殴りに行き、敵を見れば真っ先に殴りに行っていた
いくつかの国や領地では懸賞金もかけられているしとても恐れられている
わたくしも闇と平定の神ヴェーヴァから加護を授かっている
不正をする上役への対処も好ましく思うし彼女自体はとてもわかりやすくて裏表がない
元杉のことは気に入ってるようなので元杉のことを出しておけばまだ落ち着いて話を聞いてくれる
付き合うには悪くない相手・・・ですわ、癪に障りますけど
元杉の近況を話して人が来るのを待っていると元杉の養子がきた
話の通じないアホ犬では状況がわからないので聞いてみると元杉は聖王によって拉致されたのは子供たちにも伝わっているらしく、その対策で奔走しているそうだ
アホ犬の居るこの森を拠点として近くの都市4つを走り回って情報を集めているとのこと
・・・確かに、わたくしが走り回るよりもここで待っていて良かったです
夜になればわたくしは誰よりも早く移動できますし、わたくしはこのあたりを中心に探しましょう
落下中、私が見逃さなければ・・・とても後悔しています
どうか無事でいてほしいですわ
2人とも無事に勇者領地にたどり着いたと聞いて心から安堵しましたわ
元杉はその功績からレアナー教国の国境近い土地に大きな領地をもらっているし各国にも多くの領地を得ている
飛び地とは言え領地の多い元杉には民の支援者も多い
春日井と黒葉は差別をされている種族と違って純粋な人種であるし加護を授かっている以上無下にはされてはいないだろうとは思っていましたが本当に無事で何よりです
「今手紙を書きますので彼女らに送ってもらえますでしょうか?」
「はいっ!お任せください!!」
おそらく見たことのある顔、だけど騙す神も居る
一応手紙は複数用意し、更に暗号代わりに日本語、それもカタカナを使っておく
カタカナであればこちらの人間は何を書いているかわからないでしょうし、わたくしの完璧なカタカナであれば2人も読みやすいでしょう
無事も知れたことですし、わたくしも動きましょう
「シーダリア」
「なんだ?」
「ここで結界を破壊した後はどうしますの?」
「また結界が張られるはずだからそれをぶっ壊す!!」
確かにその方が聖王への負担は大きくなるかもしれない
だけど、結界の貼り直しを別の方がやる可能性もある
数日、数ヶ月かけて行うとすればここに居続ける意味は無いのかもしれない
「それよりも良い方法がありますが・・のりませんか?」
「早く話せ」
私の考えを伝える
彼女に無理もかける方法だけど元杉の救出にはおそらくこちらのほうが良いだろう
ゴスッ
「痛いですわ!?」
「良いじゃねーか!ちび!見直したぜ」
何故か頭を小突かれました
本当にこの暴力女は・・・
頼りにはなりますけどほんっとうにムカつきますわね
「では御武運を」
「おまえもなっ」
剣と拳で打ち鳴らしてお互いの武運を祈る
・・・それにしてもわたくしの剣も国宝級なのですがなんでこの女の拳はこんなに硬いのかしら?
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