少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo

文字の大きさ
上 下
287 / 618

第283話 関羽

しおりを挟む

「関羽さん、は洋介の救出チームの隊長なの?」

「母上、某のことは 関羽 でお願い申し上げます」


それがしって、初めて聞いたわ

それにしても言語の魔法で話すことが出来るがいまいち意味がわからないこともある

某のニュアンスは「威厳を持っての私」かな?ことわざとか格言とか通じるか試してみたい

子鬼はゴブリン、部隊はチーム、迷宮はダンジョン、組合はギルドと言うようにも聞き取れる

英語の授業でこの加護ほしかったな

この関羽さんも関と羽と分けたり雲長とかにしないでも良いんだろうか?私も詳しくはないが関羽といえば「美しいヒゲの公」と書いて美髯公と呼ばれていたような・・・・・?いやあれはあだ名とかそういうのなのかな?


「わかった・・・慣れなくてね」

「仕方ありません、こういったことには時間がかかるものでしょう・・・某はこの領地の部隊の長を任されております」

「救出部隊のことや救出のやり方、洋介と貴方達とのこと教えてくれる?」

「勿論です」


おにぎりとカレーライスでだいぶ私たちは打ち解けれたと思う

おにぎりを食べた瞬間、魔力が疾走って目がピカって光ったので多分気に入ったんだと思う

一瞬魔力が出たのに表情が変わらずに食べていたのはちょっと面白かった


なんだか洋介の師匠であるロムさんは敵対心を向けてくるが私の胸を見て「勝ったと思うなよ!!」と捨て台詞を吐いていってしまった

ふっ・・勝った

いやそこで勝っても仕方ないんだけどね


まぁ一部の受け入れられない人は仕方ないとしてもいつまでも母親扱いから逃げる訳にはいかない

話してみると皆フレンドリーというか洋介への信頼がすごい

ここに居る住民は詳しくはわからないけど国を亡くした難民が殆どで色々あったんだそうな・・・恩義をもの凄い感じる

もう洋介のことは神格化して祀っている家もあったし、洋介の木像や石像も街を歩くとその辺にある


・・・・・・・・私のもあった、製作途中の像だけどぶっ壊そうと無意識にハルバードを取り出して止められた


洋介の救出方法は子どもたちが神様たちに聞くと洋介を捉えている神具は魔王用のものであって洋介を捕えるためのものではないらしい

なので攻略するダンジョンではあまり危険はないらしい


「じゃあゴブリンは?」

「子鬼や大鬼は迷宮にいるように初めから作られているらしいですな」

「そうなんだ」

「はい、それらよりも迷宮の作りのほうが厄介です」


出て来る魔物は洋介の魔力から生まれる

基本的に何処のダンジョンにでもいる鬼や獣を除けばむしろ人に益を成すものが多いとか

厄介なのが進むためのギミックだ

洋介の記憶から出来ているらしく問いかけを間違えれば開かない扉があるとか


「なるほど、救出チーム以外は何をしてるの?」

「そうですな・・現在はレアナー教国への交渉、勇者領地の運営、ザウスキアから国境線を守る等が主ですが・・・大きな声では言えませんが聖王の近くにも人をやらせております」


誰がやったかわかっているのならそれもありだよね

わざわざ罠があるってわかるダンジョンに行くよりも直接本人をボコボコにして解放させたほうがいいはずだ


「それと父上が魔王討伐の旅をしていたお仲間に協力を仰いでおりまして、父上をお助けする際にはレアナー教国の結界を破壊して聖王への負担を増やすようにご助力していただく手筈となっております」

「その聖王ってのはどんな人なの?名前は?」

「御尊名は聞いた覚えがありませんな、聖王はこの神聖教国の長であり清廉潔白な政治をしている聖人であります・・・父上への求婚は常軌を逸しておりましたな」


ちょっとそれも詳しく教えてほしかったけど言いにくそうにしている関羽

自分の父親が別の女に言い寄られるさまを母親に言いにくいのは何となく分かる


「ごほん、とにかく聖王はこの国を覆う結界を1人で張る程の強者、手のものが近辺まで行けた者の話でも神器を置いた部屋の結界は強固でとても突破できないようです」





後は関羽さんについて聞けた

関羽さんは元々もっと遠くの国で軍を率いてたらしく、難民を魔物から守って安寧の地を探してここにたどり着いたらしい


瘴気って思ったよりも酷いね


第三者の視点から見てみると受け入れしないのも意味がわかる

治しようのない病、死ねばそのまま敵に回る

助けようにも食料すら足りない、助けたとしても得られるものが何もない


人同士での争いは仕方ないけど悲しい、悲しいな


「お陰で実の母も死霊とはならず、我が妻子も健康となりまして、父上には感謝してもし足りませぬ」


関羽さんはドワーフの中でも特別な種族で頑丈だったけど巨神の加護を貰ってその大きさになったらしい

身長2メートルを少し超え、逆三角形の筋肉質、金網デスマッチとかの王者をやってそうな完璧な体型

ドワーフといえばヒゲモジャの酒飲みの鍛冶するとかってイメージならあるけど関羽は巨漢でヒゲが凄いぐらいの人にしか見えない


「ど、ドワーフ?」

「そうですが、なにか?」


少し怪訝な顔をしてくる関羽さん

こちらは人種差別も凄いと聞くし聞き返したことで私がそう見えたのかもしれない


「いや、私、異世界人だからねドワーフって初めて見るから」

「なるほど、某のようなドワーフは特に珍しいので基準にしてはいけませんぞ」

「そうなんだ、なんで名前が関羽なの?その、武将の名前だよね?」

「よくぞ聞いてくれました!」


嬉しそうな関羽さん

名前を付けるときに何でも良かったのだけど異世界の辞典に載っていたそうだ

洋介の知っている武将も関羽でさらに挿絵の姿にも似ていて名前が決まったらしい

ヒゲが美しいとか義理堅い、武勇に優れる、曲がったことが嫌いなどという情報も良いと興奮して話してくれる

それと関羽では本人が良くても書き方も読み方もわからないと困るのでヴァンという名前もついた


本人も関羽の生き様や義理深さ、強さに憧れを持ってそういう人物を目指したいらしい


「某は関羽・ヴァン・元杉、義兄弟は歴史上の関羽よりも多くおりますがこの領地を守る次兄としてこの領地と父上と命運を共にしたい所存であります」

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎
ファンタジー
 この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)  主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)  しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。  命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥ ※1話1500文字くらいで書いております

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々

於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。 今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが…… (タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

処理中です...