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第275話 聖王の苦悩と布石
しおりを挟むなかなかうまく行きませんね
やはり魔王用に調整された神具では勇者には有効ではない部分もあるようです
吸血鬼の魔王でしたし、その配下もその力を受け継ぐと想定されて作成されたのか展開された神具の迷宮も典型的なモンスターを出せる他は神聖系の罠が多くて勇者領地の可愛い子ちゃんたちには有効ではないようだ
もっとペロペロしたいのにな
魔王捕獲用無力化再利用試作神器89463号は私には使うことはできても調整はできません
僕が様子を見ても勇者洋介の拘束もなんかうまく行ってない、ちぇー
まぁこれが良いんだけどな
いつも通りのレアナー神聖教国の運営をする
いつも通りの食事にいつも通りの結界魔法、いつもどおりの食事
そのいつも通りの日常の中で何度も頭に勇者洋介がよぎってしまう
なんて素晴らしいのでしょう、ねー
ただの日常であるはずなのにそれすら美しく輝いて見えますわね
勇者パーティの子たちも何人か来ているようだけどどんな味がするかな?恐怖で奥歯をカタカタ鳴らしてくれるかな?かな?
ダメだ、私達、目的は同じなんだから一度この辺で気を引き締めましょう
「ガレディレ、タヌカ、エッサイ、ポポケウノレガヴを呼びなさい」
「はい」
エッサイはすぐに来た、隣の部屋に居るしね
「お呼びでしょうか?」
「エッサイ、そろそろ敵が来るかも知れませんし警備を強化するように」
「はい、洋介聖下の案件でしょうか?」
「そうよ」
「かしこまりました」
エッサイ神官長、切れ者で長く神官の長として取りまとめをしている
レアナー教国ではトップの権力者でとても頭がいい
・・・・・ダメだなこいつ、多分勇者洋介側につく
「さがりなさい」
「はい」
まぁそれはそれでいい、とてもいい、素晴らしく良い
素直に従えばそれでいいし従わなかったら従わなかったですごくいい
手に入るまでの時間が長くなる
良いな、むしろ従うな、従うんじゃない
「ガレディレ、タヌカ、ポポケウノレガヴが参りました」
「うん、通せ」
「お呼びでしょうか?」
問答騎士ガレティレ
声が大きく【神の裁き】を使うのが得意な頑強な聖騎士
筋骨隆々で腹が立つほどに頑固だけどとても役に立つ
「うん、警備の場所を変えることにする、良いかな?」
「それは何処に何時、何のためにでしょうか?武装の種類もお聞きしたいのですが?」
役に立つが面倒くさい
「今すぐ、指定するダンジョンに、愛のために、武装は好きにすると良いさ」
「ダンジョンの種類は?愛とは誰の愛ですかな?」
「後で連れて行くから待ってろ」
「はい、いつまで待てばよろしいか?」
「次に私が声をかけるまで黙って」
「・・・・・」
非常に面倒くさい、ただ魔王軍を1人で蹴散らすほどの武勇も度胸もある
身近においておくとめんどくさいが遠くで働かせるのにはちょうどいい
タヌカとポポケウノレガヴにも指示を出し、収納袋に食料を詰め込んでガレティレを奥の間に連れて行ってダンジョンに放り込んだ
これでなにかあっても私が行くまでの時間稼ぎは出来るだろう
時間稼ぎが出来なければ出来ないで・・・それもいいな
きっと私は悔しくて悔しくて泣いてしまうだろう
そしてそれも嬉しいんだろう?
うん
手に入るまでの時間が長くなる
だからそれもいい
どっちでもいいけどどっちでも損はないな
ただ布石はしておかないとね
僕が行くまでに全部終わっちゃうなんて嫌だしね
私でも勇者洋介を向こうの世界から召喚するなんてなかなか出来ないしね、逃げられると面倒だ
貴族経由で買ったチョコレートがある
勇者洋介がよく言っていたお菓子だ
「はるねーちゃん」というとなりの家のお兄さんみたいなお姉さんが好きでよく食べていたらしい
とても魅惑的な香りがする
これはニホンで作られたもので、勇者洋介の収納からでてきたものだ
当然勇者洋介の好物でもあるらしい
これを私が、僕が、俺が食べる
ということは勇者洋介と同じものを接種しているということである
あぁ涙が出てしまう
美味しいな、勇者と一緒に食べてみて、食べさせてみたい
冷たい夜風に当てられて冷え切った身体を一緒の布団に潜り込んで身体を寄り添わせ、勇者洋介の体温を感じてまどろみながらこれを食べてみたいな
「ィヒヒッ」
更に「はるねーちゃん」が消え去れば、なお良い
「ふふ、はははははははは」
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