少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo

文字の大きさ
上 下
243 / 618

第240話 (大人の)自由研究

しおりを挟む

アサガオときゅうりができた

自由研究に合わせて試しに植えた洋介くんのアサガオと野菜

他にもいくつかの野菜ができたのだが未だ成長途中のものもある

確実にできたと言えるのはアサガオときゅうりだけだ

実に良い、幽霊や超能力の調査も良いが魔法の力が宿っていそうな魔法の花が出来たのかもしれない

花ときゅうりの前には高機能カメラを設置している

もしかしたら鳴いたりするかもしれない

マイクも設置しておいた


アサガオ 学名は Ipomoea nil

ヒルガオ科サツマイモ属の植物、原産国は中国ネパール・アメリカ中東と言った説がある花だ


子房なども注目すべきところだがこの花は酸性やアルカリ性で花の色がかわる

酸性で赤く、アルカリ性で青くなる

注目すべきは環境の変化に敏感という点だ

魔力によってなにかかわるのかもしれない


同じ水、同じ土で植えられた自由研究との比較ができるのは良い・・ただし正しく情報を得られるかは不明だ

なにせ最低は100ほど植えてほしかったのに植えてくれたのは1つだけ


ぐぬぬぬ


花は解剖して何かしらの器官の差異を調べる?成分をミキサーにかけて調べる?中世ヨーロッパの魔除けのようになにか施す?

活用できるのは一本だけ

見た目に神田兄弟との花に差はない


もう一つちゃんと実がなっているのがきゅうりだ

学名は Cucumis sativus L. 

キューカンバー

こちらが本命だ

花もきゅうりも洋介くんは水をやるときに魔力を込めていったという

水分に魔力が混じっているのであるならば、そしてきゅうりの90%が水分というのであればその中に魔力がわずかにでも蓄積されているのではないか?

魔力という未知の謎エネルギーを調べるのにはこのアサガオときゅうりはとても良い・・・かもしれない


様々な調べ方があるだろうがまずはアサガオの花や茎をそのまま外から生きたまま観察する

24時間見ているとなにか違いがあるのかもしれない

特定の時間で光ったりなにかの測定器に反応しないか?それとも深夜の月夜になると霊が映し出されたりして・・・

肉眼でなければ差異が見られないのかもしれない

老人や子供でも見え方は異なるかもしれない

神田兄弟もバイト代を渡してじっと見てもらう

幽霊を連れてきてこれらに当てるとどうなる?

私は飽きることなく見ることが出来る


「はぁはぁ」


興奮して思わず息が荒ぶってしまった

だけど神田兄弟は居心地が悪そうだ、彼ら子供にはなにか見えてるのか?それともなにか悪い影響でも出ているのかとも思ったが単純に暇らしい


・・・なんでだ?


走り回りたい年頃なのかもしれないな

落ち着きがない子供もよくいるし仕方ないのかもしれない

下の子はじっと見て居るし協力的で助かる


それにしても花が僅かに1苗だけという点から研究できることが少ない・・・!

このまま表面の細胞を見ながら枯れるまでになにか起きたりしないか見てみたい


ごくり


もちろんビデオでも撮影している

それにしても動かずに肉眼で見続けることのなんと難しいことか

気が付けば眼球に花が当たるかと言わん距離に行ってしまっている


はぁはぁっ


「阿部さん・・神田達が怖がるからもうちょっと抑えてもらえやせんか?」

「君はこの世紀の大発見を妨げる気かね?それよりも君も一緒にどうかね?ほら、もう少しでなにか見つかるかも、赤くなってきた気がしませんか?」

「いえ、目が充血してるからじゃ?いえ、もういいでさぁ」


神田兄弟たちが六太くんを引きずっていってしまった、いつの間にか出ていたよだれを拭う

せっかく仲間ができるかと思ったのだが・・

もうかれこれ18時間はこうしているだろうか?

あぁ切り刻んで調べ尽くしたいよ、君の裏側まで顕微鏡でじっくりと!!!!!


せっかく好きにしてもいいと言われたアサガオだが次の実験を開始しよう


魔力の差とは何なのだろうか?

アサガオには毒性があるらしい、薬学に精通しているわけではないが日本でもその毒を使い薬となっていたそうな

そしてきゅうり、魔力というものがどれほどの割合なのかは分からないが接種するとどうなる?


・・・・・まずは自分で安全性を実証せねば!!


もちろん自分は薬学に関して素人だ、漢方に詳しい方に依頼して作ってもらおう

もしかしたら効能に違いがあるのかもしれない!!これぞ世紀の大発見になるかもしれない!!!!



―――後日、トイレの住民となった人がいるとかいないとか・・・
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

デブの俺、転生

ゆぃ♫
ファンタジー
中華屋さんの親を持つデブの俺が、魔法ありの異世界転生。 太らない体を手に入れた美味いものが食いたい!と魔力無双 拙い文章ですが、よろしくお願いします。

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎
ファンタジー
 この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)  主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)  しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。  命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥ ※1話1500文字くらいで書いております

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々

於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。 今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが…… (タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

処理中です...