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第236話 加護選び
しおりを挟む<それよりもあの台座をあのように使った以上、貴女には加護が必要です、私の加護はどうですか?>
<貴様サシル!?ずるいぞ!!>
<そうよそうよ!>
<コルルルァ!!!>
<レアナーともども簀巻きにしてしまえ!>
<わわわ!?そ、そんなぁ>
私に加護を不意打ち気味にくれたサシル様は遥にも加護を与えようとして・・・他の神様に連れて行かれてしまった
私は知っている
神々は地球産のお菓子やジュース、お酒が大好きであると
貢物って言っても物によっては無礼になる可能性だってあるかもしれない
お中元の時期にはスーパーやデパートの売り場には多くの選択肢があったし、失礼や無礼がないように聞いてみても<なんでも良いですぅ>とレアナー様は言っていた
地球産の貢物にはそんな決まりもなく、それでいて美味しくて希少だ
私達が送る分しか入手できないのだからその価値は凄まじいのだろう
だから色々とレアナー様を見て駄菓子なんかも送ってみたんだけど評価は良かった
無礼かもしれないどころか引く手あまただ
神様達は遥に加護を渡そうとアピールしている
遥の上半身は集まった神々で光りすぎてあまり見えない
神様ってありがたいもののはずなんだろうけど・・こう、ありがたみがないな、選びたい放題だ
<私が観てみましょう>
そう言ってローブを深く被った神様が来た
いや焦げ茶色の薄汚れたローブ、だけ
人が着ているような膨らみはあるのにどうやら中身はないのか、私にはローブしか見えない
ローブが本体かもしれない
<おぉそうじゃ!みてやってくれ!!>
<私!私を選んでよね!!>
<戦神の加護を望んでる証がある!ちゃんとみてやってくれよな!>
<美の神なんてどうだい?美しき君よ・・・>
多分と言うか完璧に貢物目的だろう、変なのもいるけど
遥、大丈夫かな?人間電球のように光ってて心配になる、ミラーボールみたいにど派手だ
「あなたは?」
<私はそう、ただ先を観る神です、未来を観て幸せになれる道がわかるかもしれません>
「そう、洋介は助けられる?」
<それは貴女次第です、私はただ貴女を観て、その中でも幸せそうな未来となれる選択肢を教えるだけです、どうしましょうか?>
「おねがいします」
<・・・・・>
「・・・・・」
遥とローブは向かい合って動かなくなった
なにか精神的な繋がりとかで話し合っているのか?
<おいゲディファブよ・・それはずるいぞ?>
<人間さん!貢物なにかない?その辺のゴミでいいから!>
<砂利食わせておけ!>
<良いじゃないですか!?春日井遥、私は酒が良いです、できたら琥珀の色をしたようなものを>
「「えぇ・・・・」」
つい私と遥の声が重なった
この神様、何もしないと思ったら貢物を要求していたようだ
ドンッ!!
「皆さんで飲んで下さい」
<<<<<おぉー!!>>>>>
遥がお酒を取り出した、4Lのウィスキー
私が選んだお得用のウィスキー、高価なものももちろん持っているが宴会用にも大きな物を持っている、なにか交渉に使えるかもしれないしね
遥に収納袋を渡された、酒やおつまみばかりが入っている
遥から酒に光がまとわりつく先を私にかえた
<どういうお酒?どういうお酒?>
「これは・・強いお酒です」
神様って薄めたりする必要あるのかな?
コーラや炭酸水も出していく
神様たちは手乗りサイズで集まってくれてるし、おちょことかコップはないかな
<まぁ良いでしょう、始めますよ>
人型のローブの人の入ってるはずの奥から泡が出てきた
泡が増えて合わさって膨らみ、遥を覆い包んだ
泡の歪みになにかの景色が見える・・ようにも見える?
ヤンヤヤンヤと神様たちも見ているが何が見えているんだろうか?
私には巨大な一つの泡が遥を包んでいるようにしか、表面の油膜がギラついてるようにしか・・・いやなにか映ってる?人の形?ちょっとだけしかわからない
パンと泡が弾けた
光の粒はさぁっと煙のように出て消えていってしまった
これからが始まり?
<はぁ>
<えぇ・・・>
<確かに、だがなぁ>
<儂のほうが良くない?>
なにか落胆したかのように困惑したかのような神様たち、終わったんだろうか
選ばれた神様はいないの?
何が見えたんだろうか?私には何がどうなったのかはわからないし遥もキョトンとしている
「え?どうなったんですか?」
<んー・・神の中でも微妙だったから・・・>
<だって>
<ねー>
<仕方ねぇ・・出すか>
<もう一回殴っとこうぜ、終わったらもっかい入れちまえ!>
<おう、それで酒だ!選ばれちまったのは仕方ねぇ!!!>
遥の前に何か運ばれてきた、箱?
ぞんざいに投げ捨てられたその箱
宝石箱のように見事な装飾がなされているがこれが神なんだろうか?
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