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第214話 愛の育み方
しおりを挟むはるねーちゃんのことを怒った人がすごい叫んで静かになったので土下座してる人もはるねーちゃんを引っ掻いたおねーさんも放置して部屋を出た
何をどうしたいのかわからないがみんな言いたいことは言えただろう
人の生とは時にぶつかり合い、憎しみ合って殺し合うこともあるものだ
喧嘩して、殴り合って、殺し合ってこそ愛が深まるということもある
家族愛然り恋愛然り
とてもはるねーちゃんを憎んでいるようにみえるマリアさん?だってもしかしたらはるねーちゃんと言い合って、殴り合って、殺し合ってすれば愛し合えるようになるかもしれない
はるねーちゃんや黒葉に三上が元彼氏の人やお相手の今の彼氏さんや彼女さん?にそのお父さん?その人達とこれまでどんな事があったのか、僕は詳しくは知らない
だけど何も言えず何も言わずに、誰も幸せにならない誰も幸せになれないよりもこうやって喧嘩したほうがレアナー教では良いとされる
なかなか殴り合ったり殺し合ったりはしないけどね
話は終わったようなので帰ることにする
外に出ればテレビ局の人がうるさかったけど無視する
帰るのに転移すれば一瞬だ・・・と思ったのだけど
「飛んで帰ろっか」
「うん」
広場に先に城とビルに帰る人を集めてまとめて送る
<楽しんでデートしてくると良いですぅ>とか呑気に言ってるレアナー様はヨーコに任せてビルに送った
最後に大学に残っているのは僕とはるねーちゃんだけだ
はるねーちゃんは行く場所がある
「ようこそいらっしゃいました!」
「あ、ごめん、もう帰るところなんだ」
もうあとは帰るだけだ、そう思ったのに信徒が来た
ここの学長だ
いつでも来ていいよって言っていたしここの学園祭に来たんだけど顔を合わせる機会がなかった
「そ、そうですか、楽しんでいってもらえたのなら幸いです」
僕としては楽しかったけど、うーん、そうだ
「【清浄化】使っていって良い?」
「あの光るやつですか!どうぞどうぞ!!」
ここの人たちはあれをすごく喜んでいたし最後に使っていこう
僕は杖を下にトントン鳴らす
「はるねーちゃん、手拍子して」
「わかった」
トン・パン・トン・パン!トン・パン!!トン・パン!!!
杖を床に突き鳴らすごとに手拍子をしてもらう
続けていくと周りの人も手拍子し始めた
広場にはバンドって人たちがいたので顔を向けるとジャカジャカと楽器を弾いてくれた
【清浄化】を地面に向かってゆっくり放つと歓声が沸き起こり、光が舞い散る
安全とわかったんだろう、驚いた人もいたみたいだけどどんどん【清浄化】を使っていく
空に放つのは飛行機がどうのって言われたし道路も運転してると眩しいから危ないかもしれない
野営する時に自分たちの周りだけに清浄化を使うのと同じく広場限定で【清浄化】の光を走らせる
バンドの人達がなにか弾いてるのにも少し合わせるとみんな喜んでくれたようなのではるねーちゃんと杖に乗って空を飛ぶ
「またねー!」
わー!!とすごい歓声で送られた
喧嘩して育まれる愛よりもこの広場の人達みたいに一緒に楽しんで育っていく愛の方がいいと思うんだけどね
少し沈んでいたはるねーちゃんも喜んでくれたかな?
今日は後ろに乗ったはるねーちゃんだがどんな顔をしてるだろうか?
「洋介」
「ん?」
「ありがと」
「うん」
よかった、声を聞くに少しはましになったみたいだ
「それとさ、とばして!」
「飛んでるけど?」
「スピード上げて!速く飛んでってこと!!」
「うん!」
昔から絶叫マシーンの好きなはるねーちゃんだ
少し風を感じるように防御魔法も減らしてぐんぐんとばしていく
「フーー!!はっはっはっはっは!!!さいっこおぉ!!!!!」
思い切りしがみついてくるねーちゃん、結構痛いが楽しそうで何よりだ
すぐに登仙病院についたのではるねーちゃんは院長先生に診てもらい、僕は終末期医療の患者さんたちのところに行った
はるねーちゃんの顔の怪我で来ることは連絡していたしすでにレアナー教の人がいたのではるねーちゃんは任せた
病院のお医者さんや看護師さんたちにすごく微妙な目で見られながらも信徒を増やしていく
病院の関係者さんも何人か入院してて治療したんだけど先に信徒になるかどうかのアンケートもされていたり、財産を用意している人もいたりととてもスムーズだった
なんだろう?準備されすぎてる気もするけど・・・まぁ良いかな
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