少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo

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第163話 夏といえば実戦だ

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「僕はレアナー教の神官をやってるんだ」

「それはどういうものなのかな?」

「ええ?」


なぜか店主さんから声が上がった、どうしてだろうか

阿部さんの眉間のシワも一層深くなったように思う


「結婚や儀式をしたり、なんだろ、こうやって悪霊を消し飛ばしたりします」

「・・・君は何ができるのかね?」

「僕は空飛んだり、怪我とか治したりしてるよ」

「ふざけないでくれ!私は嬉しかったんだぞ!?そんなこと、あるわけないじゃないか!!!」


何もふざけていないのだが怒った阿部さんは部屋から出ていってしまった


「ええ?」

「・・・テレビ見ない人なんでしょうか?」

「さぁ」


なんで怒ったんだろうか、じゃあお腹もいっぱいになってきたしやるかな

2人が

収納から使えそうなのを出していく


「はるねーちゃん、黒葉、これ使ってね」


出したのは魔力を込めると霊体を浄化させる魔力を放射することができる魔道具だ

100センチほどの棒でどこから魔力をこめてもいいし当てればそれだけで霊は浄化される

それとお腹いっぱいで眠くなるかもしれないし【覚醒】と【体力向上】をかけておく


「じゃあいってらっしゃい、訓練だからね、外は崖とかは危ないから建物の中でね」

「わかったわ」
「はい」


2人には先に伝えていた、霊体の浄化は下級神官や聖騎士見習いにとって良い訓練になる

魔力の操作は一日練習すれば身につくものじゃないけど魔力は僕からいくらでも持っていけるんだから魔力切れの心配がない

良い訓練になると思う


「ヨーコとケーリーリュは二人の監督役おねがい、土足厳禁だからね」

「はい」
「わかりましたわ・・・ご褒美期待してますわよ」

「はいはい」


あとはお店の人達呼んどくかな、はるねーちゃん達が間違えてボコっちゃいけないし


「店主さんはここで働いてる人達ここに呼んでもらってもいい?布団付きで」

「わかりました」

<・・・・>

くいくいとレアナー様が僕の髪の毛を引っ張っている


「後なにかお菓子、いっぱいください」



スマートフォーンではるねーちゃんと黒葉とは電話が繋げっぱなしにしている

アプリケーションを使えば通話料ってのはかからないらしい、最高に便利だな


「くっ、この棒使えないじゃない!」

「使える!あれ?使えない・・・?」

「一定の魔力を注ぎつつけると使えるからねー、幽霊さんをしっかり葬送するんだよー」


料理人さんが持ってきた透明なゼリーのような和菓子をレアナー様に差し出す

レアナー様には魔力を渡して食べやすいように顕現してもらった


「<これ食べ物なんですぅ?>」

「食べてみたけど美味しかったですよ」

「おお、神様が俺の料理をっ・・・!!?」

「本当に光栄です」


楽にしていいよって言ったんだけどレアナー様の御威光か可愛らしさか、背筋を伸ばして並んで座っている従業員さん達

持ってきてもらった透明なお菓子は中に魚が浮いているようにみえる

魚の味かと思ってイタマエって料理人さんに聞くとこういうデザートらしい

先に僕が食べてからレアナー様に差し出すと大喜びしていた


「数、多くない!?」

「ちょっとこの数は気持ち悪いです」

「僕の魔力散らしといたからねー、見えやすいでしょー」

「ちょっと洋介ー!?」

「わわわ!!?」


不思議なデザートだけど美味しいなこれ

余ったら持って帰ってもいいかな


「そういえば阿部様は大丈夫でしょうか?」

「んー、幽霊に会いたいって言ってたしこの程度の霊なら害はないしいいんじゃない?」

「そうでしょうか」

「せいやぁっ!?あ、効いてない!??ちょ!洋介ー!!」

「あ、ねーちゃん達、阿部さんにかけるから一旦通知切るねー」

「嘘でしょ洋


途中で切っちゃった、後で怒られないかな?大丈夫だよね・・・?お菓子残しとこう
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