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第158話 夏といえば海だ
しおりを挟む雉子谷さんが言うには夜になるとその幽霊は出るらしい
今は暇だなとはるねーちゃんたちとビーチに来た
他に人はいない、なんだか贅沢な気もするが海の家がないのは残念だ
謎に大きな声で叫んだヨーコが恥ずかしかったので不幸中の、不幸中の幸せ?だったかな
いつの間に買ったのかはるねーちゃん達が水着を出してきた
地球産テントを出して皆で組み立てた、頑丈さはないけど軽くて大きいし水を通さないらしい
旅で欲しかったなこれ
「どうよ!」
「水着、だね」
「似合うかどうか聞いてるんだけど・・?」
はるねーちゃんは黒の水着で、下着みたいなのをつけている
それにしても出てくるのが速い
僕が作った投げれば一瞬でできるテントで着替え終わる頃にはもう外にいた
「かっこいい」
「そうか!かっこいいか!」
嬉しそうにニヤニヤと笑うねーちゃんだがこういうときは気をつけた方がいい
ねーちゃんは山や川、海といった自然が大好きだ
山で「探険だー」といえばイノシシに追い回されるまで山を走って虫を捕まえるし、川では魚とってた、手掴みで
魚は川の一部を石で小さな池を作って泳ぎ方を見ていた、と思う
あまり覚えてないし思い出したくもないが以前に海に来たときは「あの島まで泳ぐからついてきなさい!」と言って溺れた、僕が
ねーちゃんの背中に僕が掴まってるとねーちゃんは近くの元いた岸じゃなくて無人島まで泳いだ「海賊の秘宝を探すのよ!」とか言って森を探索、時間が経って漁師さんが来て岸まで連れ帰ってくれた
砂浜では溺れたんじゃないかって大人たちが僕たちを探し回っていた
凄い怒られた、特に、はるねーちゃんが
「お、おまたせしました」
「やはりはしたないんじゃなくて?」
「聖下、この文化はいいですね、水着をいくつか持って帰りたいのですが」
黒葉達も出てきた、で、だから?って思ったがはるねーちゃんが腕を組んで顎をクイと黒葉たちに向ける、感想を言えってことか
「黒葉は、うん、安心するね」
「そ、そうですか?へへへへへ」
黒葉は黄色い水着で背が高い、ねーちゃんと違って無茶なことしないから安心する
「ヨーコはうん、服着たら?」
「そうしますわ!」
ヨーコは水着じゃない湯着だ、メイドさん達が風呂場で作業するときのやつ
更衣室に戻っていった
「どうでしょうか?」
ケーリーリュ、何故貴様まで水着を持ってる?そう思ったが渡したのは僕だ
デザイナーって服をつくる人が信者になってから定期的に色んな物が送られてくるので纏めてる袋をはるねーちゃんにさっき渡した、そこに入っていたのだろう
青い水着で紐がいっぱい腰についている
上と下の水着が複雑になっているがどうやって着たんだろうか
「派手だね」
「とても良いですね、これは街の中も歩けるのでしょうか?」
「知らない」
それにしても海なんて何がいいのだろうか?人は陸の生き物であって水の中では生きられないのだ
うむ、決して泳げないわけじゃない、泳ぐ必要がないだけだ
「も、もも、元杉神官」
もじもじして小瓶を差し出してきた黒葉、なんだろう?この場で一番大きな体を小さくしている
堂々とすればきっとモデルさんみたいにかっこいいと思うんだが、あ、ブローチ外してる
「こここ、これ塗ってください」
「なにこれ?」
「ひ、日焼け止め、でしゅ」
日焼け止め、日焼け止め?肌が黒っぽく焼けるのが嫌なのか?
確かに向こうでもそういう風習はあった、日に焼けることでドレスがみっともなく見えるとか
うん、意味はわからないけど気にする人は気にするのだろう
「自分で塗れないの?」
「背中、背中には届きませんし」
「わかった」
なるほど、受け取った小瓶から薬液を出して寝転んで背を向けた黒葉に塗った
「ひゃっ!」
「くすぐったい?」
「い、いいえ、ちょっとちゅめたくて驚きました」
なるほど、手早く済ませよう
背中に小瓶の液体をバシャッと出してささっと塗り伸ばす
「きゃふくふふふぁっ!!?」
「終わったよー」
「あ、ありがとうございます、ど動じませんね」
脇でもないのにくすぐったいようで、変な声が出してビクビクしていた
こういうのは人それぞれだもんな
「おっ!洋介いいことしてるじゃない!私にも!!」
「これはどういうものでしょうか?」
「ケーリーリュ、日焼けしにくくなるんだって」
「なるほどなるほど・・えいっ」
ケーリーリュがはるねーちゃんに塗り始めた
なんだかケーリーリュは興奮しているようだ
「きゃっ!?何すんの!?力つよっ手付きがやらし!んんっ」
「ふふん、ここですか?このあたりが「せいやぁっ」ぬぐっ」
「あの、元杉神官には私が塗ってあげますね」
ねーちゃんは柔道やプロレスの動画を最近良く見て練習している
力では負けていても技術で勝ったのだろうケーリーリュの足と足が絡み合っている、たしか4の字なんとかだ
「ギブアーップ?ギブアーップ??」
「アダダダ!!???」
僕は砂浜でちょっと冷たくて気持ちの良い海水を楽しんだ
黒葉が気持ちいいですねぇなんて言いながら貝殻を拾ってる
途中参加ではるねーちゃんとケーリーリュ、それとヨーコ3人が来て結局ヨーコもビチャ濡れにされて水着になってた
濃い紫にフリフリの多い、一枚の水着だ
「なんか背伸びしてる女の子みたいだね」
「なんでですのぉ!?そこは褒めるべきですわぁ!」
「ふふっ、閣下の歳を考えゲファッ!?」
こちらに戻ってきてから初めて海というものを楽しんだ
魔物に襲われるような危険を考えず、遊ぶのって楽しいね
お腹にいいパンチが入ったケーリーリュは砂浜に倒れてた
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